社長を継ぎたいのは、米田星慧か鎌形諒って言ってたんだよ【中村】
中村 トメ吉(GOALD 代表取締役 以下、中村):美容業界って「社長兼トッププレイヤー」みたいな人が多いじゃない。トップがトップであり続けるのはよくないから、俺も7年8年で代表から降りたいと思ってて。経営セミナーで話すときは、「会社を継ぎたいのは米田星慧か鎌形諒」って言ってたんだよ。
鎌形 諒(AI TOKYO 代表取締役 以下、鎌形):えー!初耳です!
中村:社長交代を考えているのは、自分がトップでいられる感覚は7年、8年しか持たないというのが理由なんだけど。結果を出している奴はほかにもいるけど、リーダーを任せられるかっていったら違うと思っていて。リーダーってさ、どんな存在だと思う?
鎌形:引っ張ろうとしなくても引っ張れちゃう人というか、勝手に人が集まっちゃう人かな。ありのままでいるからこそ惹きつけられるような人ですかね。
中村:そう、間違いないね。世の中にはいろんなリーダー論があるじゃない? 統率力がどうだとか、結果を出す力がどうだとか。俺は単純に影響力があって巻き込める人だと思っていて。
鎌形:従わせるのではなく、勝手についてきてくれるような感じですよね。
中村:その辺の感覚があるのが、米田星慧、鎌形諒、意外と今井崎知希とか。
鎌形:自分らしさがあふれているメンツですね。
中村:あとは有言実行できる。鎌形はいい意味で図々しいし、ちゃっかりしているし、スピード感がある。結局さ、悩む時間って無駄じゃん。自分で解決しようとする人が多いけど、聞いちゃったほうが早いし、甘えちゃったほうが早いじゃん。
鎌形:そうっすね。判断は早くしたいと思っていますね。判断に迷っていると次にいけないじゃないですか。だから中村さん含め、同じ経験をしてきた人に話を聞きます。その頂いた意見をそのまま正解にするんじゃなくて、一つの意見として取り入れた上で、自分の中でこれだなと思ったものを取り入れて判断している感覚です。
中村:俺もそうだな。人間が食って出すのと同じで、インプットしたらアウトプットしなきゃいけない。インプットが多すぎると頭でっかちになって悩んで判断のスピードが鈍る。
鎌形:わかります。代謝ってことですね。モヤモヤしている時間をなくすために入れて、吐き出してっていうのを常に繰り返して心の代謝を促すことは大事ですよね。サウナで中村さんに話ししてみたり。そうやって心をぶつけることによってどんどん代謝がよくなって決断や判断のスピードがどんどん早くなる感覚があります。
みんなカテゴライズが好きだけど、カテゴライズ自体がいらない【中村】
中村:情報があふれて、世の中が便利になったし、個の時代という「個性の呪縛」みたいなものもあるじゃん。そういう混沌とした中で、会社としてどうありたいと思う?
鎌形:そうっすね…簡単にいうと世の中の変な常識とかしがらみに縛られたくないなって思いますね。
中村:みんなカテゴライズするのが好きなんだよ。そもそもカテゴライズ自体がいらないのよね、大まかに言えば。そもそも美容師は手段でしかないし、目的に対する手段の派生は絶対に必要だと思っていて。世の中的には枠組みはどんどんなくなっているのに美容業界は置いて行かれている部分があるというか。だから、美容師というゲームを繰り返すんじゃなく、そこから脱却した何かをつくっていかなきゃいけない。俺ここに入るんで、よろしくお願いします!」って。
鎌形:そういう感覚、僕にもあります。
中村:どのゲームを選ぶかがすごく大事でさ、美容師っていうゲームを選んだ時点で若干弱さはあるよね。システムをつくったりする事業と比べたら、一人が動いて生産できるものは限られている。
鎌形:労働集約型ビジネスは1を1000にしたり、拡大再生産みたいなことができないですから。だからこそ美容を通して1000人と1億人とか大勢に対して何かできないかなって考えています。インターネットが普及しているからこそ、そういうアプローチもしやすいはずなので。
中村:世の中の一般企業がやっているようなことが、美容室の構造上できなかったりするじゃん。美容室って施術とか教育とか時間の投資があまりにも大きいから。
美容師の存在価値は、ハコの中で髪を切り続けることだけじゃない【中村】
鎌形:美容室経営者っていう枠の中で考えると、店舗展開していくしかないじゃないですか。素敵なビジョンを掲げてそれをやっているならそれでいいし、否定するつもりはないです。ただ、自分がやりたいのとは違うなと。
中村:ハコをつくります、人を入れます、教育します、マーケティングします、お客さん集まりました、売上つくりました、またハコをつくります…っていうのを一生繰り返す人生は僕もやだなって。
鎌形:いやぁ、めっちゃわかります。
中村:3店舗目くらいまではおもしろかったのよ。4店舗目くらいになると人間て少し慣れてくるのよ。やることもわかるし、ハコの大きさと席の数などによって売上のアッパーがみえてくる。もっと売り上げるためには店舗展開するしかないやん、みたいな。
鎌形:同じことをずっとやり続けるのって飽きません? 常に新しいことをしたいし、わけわかんないことに挑戦したいんですよね。
中村:飽きるのは俺自身の感覚でもあるし、きっとスタッフも同じだと思う。スタイリストから店長になり、そのあとはのれん分けかFCか、完全独立かみたいな。でもトッププレイヤーと監督って違うじゃん。サッカーの得点王が監督できるのかっていったら違うし。
鎌形:美容師の場合、プレイヤーとして輝く人が、最終的に独立を目指していますもんね。プレイヤーがプレイヤーとしていられるような、そういう環境もあるといいですよね。
中村:そうだね。俺もまだトッププレイヤーたちに対するキャリアパスの創造ってまだできていないんだけどさ。お客さんの髪を切り続けるだけじゃなくて、外で同じ価値を生み出せるとか、そういう環境をつくりたいね。
鎌形:それがゲーム・チェンジってことっすね。
中村:そうだね。てか、この話を始めたら、いつまで経っても終わらないな。
鎌形:続きは「ロマン会」で話しましょ!
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