【逆境】 物心がついたころから、いつも崖っぷち。向かい風でハングリーさを養う
今となってはこれまでの経験に感謝しかないですが、子どものころから向かい風の人生でした。僕は母子家庭で育っています。家に親がいない時間が多かったから、小学生のころはさみしい想いもしていました。
兄弟もいないから、相手をしてくれるのは友だちだけ。でもお小遣いもないから、みんなでファミレスに行ったときに、周りはハンバーグ食べているのに、自分はドリンクバーしか頼めないみたいなことがありましたね。お金はないし、いつもお腹はすいているしで、ハングリーでした。
19歳で美容師になったんですが、当時は自分中心に世界が回っているみたいな考えの持ち主だったんで、めちゃくちゃ扱いづらいアシスタントだったと思います。
先パイに「あれやっといて」と言われると「なんで俺がやらなあかんねん」って考えていましたから。でも、美容師の仕事そのものは好きだったから、働くことを苦痛に思ったことはなかったですね。
貧乏な生活から絶対に抜け出す!と決意した、夏のあの日
そんな僕が上京することになったのは過去の自分と決別するためでした。大阪にいたころは、やんちゃもしていて、周りには不良の大人も多く。後先考えずに思うままの生活を送っていたんですよ。
「このままの自分ではダメだ!」
美容師を続けるために、“上京するしかなかった”というのが本当のところ。ちなみに今は、大阪時代の問題は解決しているし、真っ当に生きていますので安心してください。
勤め先も何も決まっていないまま上京し、消費者金融で借りた50万円で家を借りて、引越しを済ませました。めちゃくちゃボロいアパートだったんですが、お金がないから電気代を節約するためにギリギリまでエアコンを使わなかったんですよね。
このままでは熱中症になるかもしれないと思うくらい暑い日に、「もう無理!」と思ってエアコンをつけたら通風口からゴキブリがわいてきて、めちゃ辛かった。「絶対に稼いでこの生活から抜け出す」と思いましたね。
目の前の壁を越え続ければ、チャンスは広がる
美容師って一般的にはお金を稼ぎづらい仕事って言われがちです。でも僕はどちらかというと、良くも悪くも貧富の差がある仕事だと思う。稼げる人は同世代の中ではずば抜けて稼げる。つまりチャンスがある仕事。僕はその世界に足を踏み入れることができて幸せです。
めちゃくちゃハングリーでしたから、渋谷のサロンに入ってからは半年でデビューしました。普通の人だったら多分辞めたくなるような厳しい指導もありましたけど、僕には目の前の壁を乗り越えるしか選択肢が残っていなかったんです。東京でどんな目にあっても、大阪に戻るよりはマシだとわかっていたから。
僕の人生はいつもギリギリの崖っぷちだから、後ろにあるのは崖だけ。逃げる選択肢がそもそもなかったんです。これまで逆境をバネにしてきたし、もはや逆境がないと燃えない性格になりました。
どんな仕事にも、逆境や試練はあると思います。それをチャンスととらえて挑むか、苦しいままにするのか。起きたできごとをどう解釈するかで、人生は大きく変わりますよ。
【恋愛】 相手の夢を応援することはあっても、足を引っ張ってはいけない
いい恋愛とか、悪い恋愛とか人によって捉え方が違うと思うし、自分の考えが正しいかどうかもわからないですが、夢に向かっているときの恋愛は、「人生の付属品」のようなものだと考えています。
付属品っていうと軽く感じるかもしれないけど、恋愛をすると人生が彩るし、好きな人がいると、いざというときに踏ん張れる。でも主役ではないから、束縛されたり、病んだりされると、そっちに気をとられてしまい、人生をかけた挑戦の邪魔になることはあると思う。人によっては、恋愛が人生にマイナスの影響を与えていることもあると思うんですよ。
人生それぞれだから、恋愛に生きる人生を否定するつもりはありません。恋愛にどっぷりハマらないことは、ある意味つまらない選択をしていたり、相手に失礼なのかもしれない。けれども、相手の夢を応援することはあっても、足を引っ張るようなことはしてはいけないのかなと。これは男性も女性も同じです。
パートナーにストレスを与える存在になってしまうのは不幸なこと。「互いにほっとする、癒される関係」、「勇気づける存在」じゃないと、長い目で見て一緒にいる意味がないかもしれないと思っています。
恋愛から学ぶことはあっても、恋愛に溺れてはいけない
誤解がないように言っておくと、恋愛に溺れるのもアリだと思うんですよ。そういう時期があってもいい。
恋愛を通じて、いっぱい傷ついて、泣いて、でもいっぱい笑ってという経験はかけがえのないものだし、人を大切にする気持ちや、人の気持ちを読み取る力とか、いろいろなものが手に入るからです。
ちなみに、僕はバリバリ仕事をしていて、妻も今、マツエクのお店で売上ナンバーワン。お互いに依存することなく、自分の道を進みながら手を取り合っているから、うまくいっているんだと思います。
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