「モデルになりたい!」いきなりすぎるDMに困惑
モデルハントのやり方はサロンによっても人によっても違うと思いますが、今はInstagramを使って探すのが主流だと思います。誰かがつくったヘア作品がきっかけでみつかることもあれば、検索やタグ、おすすめなどからみつかることもあります。
美容師がInstagramでモデルハントをするようになったのと同時に、「モデルをしたいです」というDMをもらうことも増えてきました。とてもありがたいし、光栄なことなのですが、お返事できないこともけっこうあります。
モデルさんに合う撮影がないという理由もありますが、「そもそも唐突すぎるメッセージでどう反応していいかわからない」ということが多いんですよ。これはきっとモデルさんも同じだと思うのですが、会ったこともない知らない人からいきなりお願いされたら怖いですよね?
なので、メッセージを送るときには「私はこういうものです」っていう簡単な自己紹介を添えたほうがいいと思います。その上で、どうしてメッセージを送ったのかその理由を伝えることが大事かなと。
これは美容師が、モデルさんにメッセージを送るときも同じです。どういう撮影があって、どういうヘアスタイルをつくりたいから、「どうしてもあなたじゃなきゃダメなんです!」という気持ちを伝えるべきだし、それが礼儀だと思うからです。
鍵アカウントで自己紹介もなし…あなたは誰?
「この文章…コピペを手当たり次第に送っているっぽいなぁ…」って感じる人も正直います。それではお返事しにくいですよね。反対に美容師がモデルさんにコピペのメッセージを送っているケースもあると思いますが…。
あと、メッセージをいただいて、ちょっと気になってアカウントを見てみたけど「うーん…」となってしまうことも。
例えば、アカウントを見てみたら鍵がかかっていたり、自己紹介の文言がないから学生なのか、社会人なのか、どこに住んでいるのかわからなかったり。ですから、モデルをしてみたいと思っている人は、トップページの自己紹介をていねいにつくるといいと思います。
さらに「#モデルしたい」「#サロンモデル」などタグをつけてあると私だけではなくほかの美容師さんも見つけやすくなるはずです。どんなタグで検索するのか想像したりリサーチしたりして、関連しそうなタグをいっぱい入れてみるといいと思います。
Instagramにいろいろなパターンの写真を掲載することもおススメします。撮影ではモデルさんのトータルのバランスはすごく大事なので、自分が一番かわいく見える角度だけではなく、ナチュラルなお顔がわかる写真や、全身の写真などがあるとこちらもイメージを膨らませやすいです。
「お願いしても断られるかな」と思うとオファーしづらい
すでにモデルとして活動している人は、Instagramのプロフィールやハイライトのところに「5月撮影募集しています」「火曜日は撮影可能です」などスケジュールを公開すると、美容師から喜ばれると思います。
すでに何度かお仕事をしたことがあって、魅力的なモデルさんであると知っていても、お願いしにくい場合もあります。これはモデルさんにとってはいいことでもあるんですが、「サロンの作品撮影はNGだけれど、雑誌の撮影だったらOK」という具合に、仕事を選んでいるモデルさんの場合、「お願いしても断られるかな」と思って美容師からオファーしにくくなっちゃうんですよね。
もちろん「津田さんの仕事だったら受けるよ」という具合に、美容師とモデルさんの信頼関係次第では、そのハードルもクリアできることもあります。そもそも私は、仕事を選ぶこと自体は全く悪いことだとは思っていません。
実際、モデルさんに「なんでも引き受けるのは危ないよ」とアドバイスすることもあります。美容師さんにも色々な技術レベルの人がいますし、撮影の内容もさまざま。お願いしようと思ったらモデルさんの髪が別の美容師さんに切られてスカスカになっていたとかありますから。このあたりはちょっと難しい問題ですね。
レスポンスのいいモデルさんにどうしても頼りがち
お仕事をお願いしやすいモデルさんの特徴のひとつは「レスポンスのよさ」ですね。やっぱり連絡したときにちゃんと返信してくれるとこちらも安心します。レスポンスの早いモデルさんは、撮影に対しても前向きに取り組んでくれるので、当日も上手くいくことが多いんですよ。
ちなみに、アシスタント時代は撮影の朝にモデルさんと連絡がつかなくなり、嫌な汗をたくさんかいたことがありました。別のモデルさんを早朝から必死に探して、なんとかきてもらうという経験を何度もしています。忙しい美容師は1日に何本か撮影が重なることがあるから、遅刻されるとほかの撮影にも影響が出てしまうんですよね。
そういう経験もあるから、レスポンスのいいモデルさんをどうしても優先的に考えてしまいます。ただ、大変な修羅場をいくつも乗り越えてきたので、最近はモデルさんと連絡がつかなくてなっても平常心でいられるようになりましたけれど。「今までもなんとかなっていたし、今回もなんとかなるだろ」みたいな(笑)。
いつもモデルさんに助けられている立場なので、ああしてこうしてとお願いするのは心苦しいのですがここまでお話ししてきた内容が、モデル志望のかた、モデルとしてもっと活躍したいかたに向けたアドバイスです。これを読んでくださったモデルやモデルの卵ちゃんと、いつか一緒に撮影できることを楽しみにしています!
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