JENOの堀江昌樹さんって、こんな人!
JENO 代表 堀江 昌樹(ほりえまさき)
ル・トーア東亜美容専門学校を卒業後、新卒でapishに入社。早くから頭角を著しし、「apish jeno」の店長を経て、全店統括のクリエイティブディレクターに就任。2017年2月に自身が代表を務める「JENO」をオープン。ナチュラル・シンプルをベースに幅のあるデザイン力で雑誌、セミナー、ヘアショーなどマルチに活動。JHA、THAなど有名コンテストでの受賞歴多数。
数多くの撮影を経て、赤文字・青文字のどちらにも強い美容師に
僕が本格的にヘアデザインの作品をつくり出したのは28歳くらいからです。美容業界最高峰のデザインコンテストJHA(Japan Hairdressing Awards)にトライしたのもそのころから。雑誌に出たくて仕方がなかったので、自分で作品集をつくって一般誌や業界誌の編集部に売り込みに行っていました。当時はすでにメンズファッション誌の撮影は経験していたのですが、どうしてもレディースの撮影をしてみたかったのです。
『SEDA』『mina』『more』などに売り込みにいき、まず『SEDA』から撮影の仕事をいただいて、そこから仕事を広げていきました。人はこれを努力と言うかもしれませんが、僕自身はそうは思いません。チャンスは自分から掴みにいくものであり、何もしなかったら可能性が広がらないことはわかっていたから、やるべきことをただやっただけです。当時はLINEなども普及していなかったから、とにかく電話をして編集さんに繋いでいただき、実際にお会いしてアピールしていましたね。
営業活動が実り、赤文字系(モテ・コンサバなど)と青文字系(個性派・ストリートなど)のどちらも経験できたので、本当に色々なタイプの女性がいることを改めて知りましたし、求められるヘアスタイルの傾向をつかみ、それを表現するスキルも身につけることができました。そこで養った感覚が今にも生きていると思います。
クリエイティブで鍛えられた技術があるから、感動を与えるヘアデザインを生み出せる
2011年くらいからJHAにノミネートされるようになりました。それまでは自分の脳みそがクリエイティブに振り切れなかったと思います。ナチュラルなヘアスタイルが好まれる一般誌の撮影がたくさん入っていて、その合間に業界誌があるような感じだと、思い切ってエッジの効いたスタイルに振り切れずに、デザインが小さくまとまってしまうことがあります。
反対に業界誌の撮影が多いときに一般誌の撮影をすると、一般誌向けのスタイルをうまくつくれないこともあり…。30代の前半まではその切り替えが、バランス良くできていなかったと思います。今は頭の切り替えが上手くできるようになりました。
例えば、普段利き手の右手でやっている動きを、あえて左手を使うことで、「つくり込んでいない感じのニュアンスヘア」をより自然に出していく。また、業界誌などで誰かの作品をじっくりみないようにする。誰かの作品を見て研究すると、どうしても影響を受けてしまうからです。
クリエイティブにかける時間や労力は大きいから、金銭的なメリットを感じない美容師さんが非常に多い気がします。だからこそ僕はやる意味があると思う。感動を与える仕事をしようと思ったときには、かゆいところに手が届いており、1ミリ単位のこだわりがないといけない。上手い美容師さんが増えたからこそ、徹底的に突き詰めてやらないと差がつかないと思います。
常日頃からどこまでこだわって、一つひとつの仕事に集中して取り組めるか。限られた時間の中で、いかにクオリティの高い仕事をするか。これを続ければ厚みのある美容師に確実になれるんだと信じてこれまでやってきました。
ベストを尽くして取り組んだ仕事が、クリエイティブコンテストで想像よりも評価されないこともあります。でもその悔しい気持ちが、成長のエンジンになる。だからこそ35歳、38歳のときにTHAでグランプリを獲得できたのだと思います。
堀江流【抜け感のあるコンパクトなウェーブヘア】
毛先巻きと中間巻きをミックスしたラフなウェーブスタイルです。毛束感を出すために極力すきバサミを使わないようにしました。髪と髪の間に空間をつくるようにカットすることで、ボリュームを調整し、毛束感と動きがいい感じに出るようにしています。
また、少しストレートな質感を残したのでシャープさがあるところが特徴です。例えば、前髪はもう少し柔らかい感じでくるんと巻いていると、ガーリーな雰囲気になりますが、あえて前髪のカールを弱くすることで少しシャープさが出るニュアンスヘアになっています。
堀江流【初夏イチオシカラー、ピンクオレンジ】
2022年春夏のトレンドカラーであるオレンジを取り入れた「ピンクオレンジ」の暖色系カラーです。今はブリーチでカラーを楽しむ方が増えましたが、ブリーチなしで鮮やかなカラーをご希望のお客さまも多くいらっしゃいます。このヘアスタイルはブリーチを使わないWカラーなので、ブリーチに抵抗がある方もチャレンジしやすいヘアになっていますね。
最近は高発色カラーがメーカーさんから出ていますし、ブリーチしなくても良い色になるものもたくさんあります。ブリーチまではできないけれど、ちょっと変えてみたいという人にお勧めです。おしゃれのポイントにもなると思います。
-以上、堀江さんの美容師としての軌跡のインタビュー、そして最新のヘアスタイルはいかがでしたでしょうか。 この春夏、一歩先ゆくおしゃれ感を出したい方はぜひ堀江さんに相談してみてください!
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