奈良裕也×内田聡一郎×みやちのりよしがラインナップ!【 bangs スペシャルヘアショー】密着レポート!

奈良裕也×内田聡一郎×みやちのりよしの三大カリスマによる「bangs SPECIAL HAIR SHOW suppported YA-MAN PROFFESIONAL」を、2022年10月25日(火)に、大阪市のクラブJOULEで開催しました。その様子をbangs編集者の桑名真理子がレポート取材! 多くの美容師が憧れる3人が今回のヘアショーに込めた想いとは!? トークセッションでは美容業界の展望や若手へのメッセージも! ぜひ最後までお読みください!

SPECIAL CONTENTS

2022.12.21

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目 次

三大カリスマによるSHOWのヘアデザインを一挙公開!

■ みやちのりよし【グランジソウル】

みやちのりよし(以下、みやち):僕はNIRVANA(ニルヴァーナ)というバンドが好きなんです。リードシンガーのカート・コバーンの奥さんのコートニー・ラブをイメージしてグランジっぽく切りました。あえて、バサバサ切って、スタイリングもくしゃっとラフでパワフルな感じに。僕の今の気分かつマインドカラーのイエローを注入しました。トレンドというよりも僕がやりたいことをやり切った感じです。

グランジってちょっと小汚かったり、クラッシュジーンズが象徴的だったりするんですけど、雑草魂みたいなものを詰め込みたいという思いもありました。というのも、内田さんと奈良さんは僕の専門学校時代からの憧れの人です。それと比べたら僕は雑草。それでも、諦めずにやってきた結果、こうやって同じステージに立つことができました。そんな想いを爆発させたスタイルです。

桑名:カラーの匠とも呼ばれるみやちさん。ステージ上でカラーを入れるとはさすがです!

みやち:ヘアショーでビビッドなカラーを使うのはよくあるじゃないですか。そこから一歩進んで、ライブ中に染めるのが一番おもしろいかなと。服につかないようにしたり、大変だったんですけど。

桑名:カットも攻めていましたね。

みやち:僕のあとに内田さんと奈良さんが控えていたのでそこを意識しましたし、あとはこれだけたくさんの観客のみなさんがいるので、バサバサ切ろうと思いました。

■ 内田聡一郎【Future Pop】

内田聡一郎(以下、内田):僕は2000年代にクラブでDJをしたり、ヘアショーをしたりしていたんですが、そのころの感覚が蘇りました。当時はZipperという雑誌が好きでよく読んでいたんですが、そこに「あんじ」っていうモデルの子が出ていたんですよ。真っ赤な髪が似合って、可愛いなと思っていて。なので今日は、そのあんじをイメージして髪を真っ赤にしました。衣装はその反対色の緑で、蛍光色にしたんですが、髪との掛け合わせでクラブライクな感じにしました

桑名:クラブでヘアショーをするのは久々だったんですね。

内田:そうですね。クラブならではの見せ方を考えました。ブラックライトやブルーライトが好きなので、今日は絶対にこの蛍光塗料が塗ってあるサングラスをかけてやろうと思っていたし、衣装もクラブで映えるものにしようと決めていたんですよ。

■ 奈良裕也【アンドロイドガール】

奈良裕也(以下、奈良):今回はクラブでヘアショーをするということで、アンドロイドみたいなロボットの女の子をやりたいなと思い、フィギュアっぽい感じに仕上げています。今回協力してくれたモデルの彼女にもよく似合うし、ギラギラした空間だからこそおもしろいかなと思いました。

桑名:ヘアやメイク、衣装全てに奈良さんの世界観が詰まっていると感じました。こうしたクリエイションをする際には、どんなところから発想をスタートさせていますか?

奈良:スパイキーな髪をアンテナみたいにしたいなっとひらめきまして。プラスそこに電気ショックを受けた感じをミックスしてみようかな…と考えているうちにまとまってきた感じです。bangsヘアショーの一週間前にSHIMAのヘアショーもあったので、制作期間はかなりタイトでしたが、同じことはしたくない一心で生み出しました

会場がクラブだったからこそ生まれたヘアデザイン

桑名:奈良さんの最後の最後まで観客を楽しませるステージはさすがでした! 3人それぞれお互いのモデルさんを見てどのような印象を受けましたか?

みやち:僕は二人の背中を追いかけてきた立場なんで、今回もさすがだなと思いました。普段は二人とももっと大きなステージでヘアショーをしているので、クラブでしかも200人しか見られないっていうのはかなり贅沢な企画ですよね。蛍光塗料で何度もクリエーションを楽しませる工夫とか…さすがです!

内田:三者三様の見せ方があるのはわかっていたので、二人がどんなものを見せてくれるか楽しみにしていたし、僕自身も自分らしいものを出せたので、めっちゃ最高の一言です。

奈良:みやちは僕の後輩なんですけれど、周りにもNIRVANAが好きな人が結構いたし、コートニー・ラブが好きな人もいるから、今回のグランジスタイルも「みやちらしさが光っているな」と思いました。ウッチー(内田さん)はウッチーの世界観があって、たまたま前のイベントでも一緒のステージに上がったことがあったんですけれど、そのときはお互い全然違うデザインだったんです。それが今回は、何も意識していないのにたまたま蛍光の黄緑色でかぶった。同じ世代のクラブを知っているからなのかなぁ。

内田:そうかもしれないね。

奈良:僕とウッチーは同じ発想なんだけれど、仕上がってくるものが違ったじゃん? それもまたおもしろいなと思いました。

音楽をベースに世界観をつくる

桑名:みやちさんはグランジからインスパイアされたそうですが、奈良さん内田さんも音楽からインスパイアされることもありますか?

内田:僕は今回、全て日本語のラップ曲にしました。2000〜2020年代の日本語ラップのほうがすごくかわいいなと思っていて。それをベースに世界観をつくっている部分はありますね。

奈良:僕が最後に使ったのがJUNO REACTOR(ジュノ・リアクター)の曲で、PVもネオンライトがワーっと出るような感じです。今日のステージもちょっと激しめにしたいなと思いました。

桑名:曲選びで会場のボルテージが変化しますよね! 音楽の大事さを痛感しました。

クリエイションは「好きなことを表現するチャンス」

桑名:美容師がクリエイションをすることの意味について考えをうかがえればと思います。

みやち:僕は好きなことを表現できるチャンスだと思っているし、一緒に出る人たちに負けたくないじゃないですか。絶対負けたくないから、負けないためにはどうしたらいいか考えるし、めちゃくちゃイケてるものをつくりたいと熱くなれる機会でもあるし。そんな負けたくない精神が、いいものをつくるんじゃないかなと思っています。

内田:美容師ってお客さんの要望通りにやり過ぎているとマンネリしてくると思うんですよね。日常的にクリエイションをしていると、「何かおもしろいことをしませんか」という提案ができる。それがフックになって、お客さんがリピートしてくれることもあると思うんです

内田:新しい提案って普段からクリエイションしていないと出てこないんですよ。クリエイションを通じて引き出しを増やしているし、限界突破をするからデザインの振り幅が大きくなる。それがサロンワークにも活きていると僕は思いますね。

また、髪を切る行為って本当は見ていておもしろいものじゃないですよ。それをいかにおもしろいものに昇華させていくかっていう勝負が毎回あります。手応えがあったときはゾクゾクするし、「どんなおもしろいものを見せてくれるの?」って期待して来てくれるお客さんもいると思うので、期待に応えることも成長につながると思いますね。

クリエイションとサロンワークの相乗効果

奈良:僕は今、ヘアメイクを中心に活動していて、ヘアメイクの仕事以外の日でサロンワークをしています。ヘアメイクのいいところをサロンワークに生かしたり、サロンワークのいいところをヘアメイクに生かしたり、両方やることで新しい発見と表現の引き出しが増えているのを感じています。ヘアショーの場合は基本的に日常と違うことをするし、少し斬新なことをするから、違う頭の使い方をするわけだしね。

みやち:サロンワークだとやりたくてもできないことが結構あるんですよ。ウチのサロンはカラーもデザインも強いから比較的自由にデザインできるはずなんだけど、それでもやりたいことをもっとやりたいという願望があって。ヘアショーはそれを発散できる場だと思います。

内田:僕は単純にヘアショーが好きですね。別にヘアショーをしなくても美容師の仕事は成立すると思うんですけれど。やっている最中はアドレナリンが出ます。ヘアショーはお金のためにやっているわけじゃないし、単純に楽しいことを追求してやっていることのひとつという感覚。だから、この場に来ている学生さんたちにも、ぜひ個性を存分に発揮してクリエイションしてほしいなって思っています。

シンプルに「おもしろい人」が注目される本質的な時代がくる

桑名:これからの美容業界の大予想を3人にしていただきたいなと。どんな時代がやってくると思いますか。

みやち:これからの美容業界は、若い子たちがつくっていくわけだから、若い子たちがつくりたい世界になっていくんじゃないかなと思います。

直近の変化としては、クリエイティブに関心がある人が増えてきた気がします。これは僕の予想というより願望ですけれど、何百万円も稼ぐ美容師がたくさん出てくるのもいいけど、めちゃくちゃクリエイティブな作品をつくる美容師さんがいっぱい出てきたらいいなって思いますね。

内田:クリエイションへの関心が戻ってきているのは僕も感じています。

ちなみに、僕はこの間、渡辺直美さんが出演している『ヘアスプレー』っていうミュージカルを見たんですよ。僕はあんまりミュージカルって見たことなかったんですけれど、すごい感動したんですよね。いい作品を見せて、来た人を感動させるって最高じゃんって単純に思ったんです。だから自分も、そういう心を動かすことをしたいなと。Instagramのフォロワー数とか売上だとか、そういう話も大事ではあるんだけれど、おもしろいことをやっている人が注目されるっていうのが、本質だと思うし、そういう時代になりつつある気がしますね

奈良:僕は昔からかなり好きにやらせてもらってきました。変なしがらみとか、人の目を気にしたりして、「この表現はこう思われるからやめておこう」とかじゃなくて、恥をかいてもいいから自分のクリエイションを見せていく人が、残っていくんじゃないかなと思います。

なんかカッコつけることに対して恥ずかしいと思っちゃう人が多い気がする。でも、絶対にやり切ったほうがいいですから。

トリートメント効果を高めてくれる超音波アイロンに感動!

桑名:ヘアショーの中で、YA-MAN PROFESSIONALのヴェーダスムースアイロン BS for Salonをみなさん使っていました。使用した感想などを教えてください!

みやち:それでいうと今日の僕はあえてクシャクシャにしたので、アイロンのよさを伝えにくいデザインでしたね(笑)。本当はもっとツヤツヤになります。扱いやすいし、動きも出しやすいし、髪も痛みにくいです。

ウチのお客さまはハイトーンが多いんですけど、色飛びも防げるし、使いやすいです。あとは、ヴェーダシャインプロ BS for Salonという超音波アイロンも使っているんですけど、ダメージを抑えられるし、超音波トリートメント後はカラーも浸透しやすくなる気がします。うちはハイトーンを楽しみたいお客さんが多いから、お客さんに寄り添えるアイテムだと思います。

内田:僕も初めて超音波アイロン使ったんですけど、めっちゃよかったです。これは使わない手はないと思いました。トリートメントの効率があがります

桑名:カラーを楽しむヘアの場合に、より効果が期待できるんですかね。

内田:そう思いますね。ちょっとオイルつけて挟むと浸透が良くなると感じました。

奈良:ヴェーダスムースアイロンは、カラーが飛びにくいのが本当にいいと思います。今回はちょっと奇抜なスタイルで使いましたけれど、使い方次第でいろんなスタイルに使えるから便利ですよね。

桑名:みやちさんはサロンでも使われているんですね?

みやち:超音波アイロンだけじゃなくて、ドライヤーなどもYA-MAN PROFESSIONALさんのものを使っています。軽いから女の子たちも扱いやすいみたいで。重いと腕がパンパンになっちゃうじゃないですか。だから、そういう意味でのパフォーマンスも高いです。

三大カリスマから美容学生たちへのメッセージ

桑名:では、最後の質問です。この会場に美容専門学校の学生さんもかなり多いんですよ。学生さんや、ヘアショーのステージに立つことを目標にしている美容師さんにメッセージをいただければと思います。

みやち:まず、ヘアショーなどに興味があるんだったら「やる」と決めたほうがいいです。最初は表現の引き出しがないから人の真似事になっちゃうかもしれないけど、それでもやったほうがいい。

実は今回、ヘアショーをやる予定ではなかったんですよね。クラブでやるならヘアショーやったらおもしろいんじゃないっていう話になったから実現したのであって。昔はよくあったんですよ、クラブでヘアショーすることが。それを内田さんも奈良さんも経験していたから、じゃあやろうってなったんです。

奈良:流行っていたんですよ。新宿のクラブで、服飾の学校の子たちも集まってヘアショーしたりしていましたね。2000年代くらいかな。身近な人を巻き込んで、箱を借りて、ヘアショーっぽいことをやってみるのは楽しいし、いい経験になるかもしれないよね。

内田:ちょっと違う切り口からの学生さんへのメッセージとしては、趣味の合う恋人をつくることかな。僕はそれがきっかけで音楽やファッションが好きになったし、いい影響をお互い与えられたと思います。

みやち:それにしても今日は感慨深いものがありました。専門学校時代から追いかけてきた内田さんと奈良さんと同じステージに立ててワクワクしました。だから憧れを追いかけ続けることも大事だし、今僕はめっちゃ楽しいし幸せだから、学生さんたちにも頑張ってほしいです。

内田:僕は個性的な髪型をつくっているイメージを持たれがちなんですけれど、実際はサロンワークが一番好きなんです。アイディアソースとして撮影やヘアショーがあって、それが目の前のお客さまに還元されていると思っています。

内田:会場のみなさんには、サロンワークに退屈するような、メリハリのない毎日を送ってほしくないです。そうじゃなくて、何かおもしろいこと、やってみたいことにチャレンジしてほしい。それが最終的にはサロンワークに戻ってくるものだから。そして、いつか学生のみなさんが、この場に立つ日がくることを願っています

奈良:僕も今日はこの3人でヘアショーができて楽しかった。この場にいるみなさんに少しでも良い刺激があったとしたら嬉しいです。今日は本当にありがとうございました!

最後に…会場に来た来場者のみなさんの声も紹介します!

「私は奈良さんがお目当てでした。観客席とステージがめちゃくちゃ近いし、肉眼で見られることなんてないので感激しっぱなしでした」(美容専門学生/女性)

「一言で言うと痺れましたね。やっぱり東京の美容シーンで先頭を走っている3人を大阪で見ることができる機会って前代未聞じゃないですか。3人とも大好きな美容師さんなので、今日のステージでもやっぱりインパクトを感じました。最後のトークセッションで聞いた好きなことをやり続けることの大切さを胸に、明日から自分も美容師として、そしてクリエーターとして頑張りたいです!」(スタイリスト/北村涼さん)

「僕は今日、内田さんを見にきました。ヘアショーでは3人それぞれ世界観が違う中で、クラブならではの見せ方をしてくださってめちゃくちゃかっこいいなと。今も月1回くらいのペースで撮影しているんですけれど、もっとクリエイションを頑張ろうと思いました! 内田さんと奈良さんみたいに蛍光色を使ってみようと思います」(美容専門学生/男性)

「みやちさんのInstagramで今日のヘアショーを知りました。ヘアショーを見るのは今日が初めてでした! ステージは圧巻でしたし、トークセッションでは今後の就活をする上でのヒントをいただけた気がします」(美容専門学生/女性)

bangs スペシャルヘアショーの様子はこちら!

PROFILE
プロフィール
奈良裕也
SHIMA HARAJUKU アートディレクター/クリエイティブスタイリスト

奈良裕也なら ゆうや

サロンワークをベースにファッション誌、業界誌やHAIR SHOWの他、ヘア&メイクアップアーティストとして海外のアーティストやセレブを手掛け、カタログやコレクション等でも活躍中。また自身も東京のファッションアイコン的存在で撮影に参加するなど活動は多岐にわたる。

PROFILE
プロフィール
内田聡一郎
LECO 代表

内田聡一郎うちだ そういちろう

2003年より原宿のサロンでトップディレクターとしてサロンワークをはじめ、一般誌、業界誌、セミナー、ヘアショー、著名人のヘアメイク、商品開発など様々な分野で活躍。2018年 渋谷にLECO、2020年 セカンドブランドQUQU、2021年にLECO öben、そして2022年にLECO oddをオープン。JHA2020グランプリ。

PROFILE
プロフィール
みやちのりよし
SHACHU CEO・トータルプロデューサー

みやちのりよし

岐阜県生まれ。山野美容専門学校卒業。2014年4月、渋谷にSHACHUを設立。2016年12月にはSHACHU -SHIBUYA JINNAN-をオープンさせる。グラデーション・ハイライト・デザインカラーなどを用いたハイトーンカラーが圧倒的な支持を集めている。サロンワークに加え、国内外のセミナー、ヘアショー、ヘアメイクと幅広く活躍中。

EDIT
編集
桑名 真理子

Director桑名 真理子(くわな まりこ)

メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。

外山 武史

Writer外山 武史(とやま たけし)

SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!

トカジ ショウタ

Photographerトカジ ショウタ

人気美容師として活動する一方で、写真&映像クリエイターとして活躍中。サロンのIV/CM/コーポレートビデオ、芸能事務所のMVなども手掛け、業界から注目される。