どのヘアスタイルもパーフェクト美容師！ SHEA坂狩トモタカの作るヘアスタイル図鑑！【前編】

坂狩トモタカさんってこんな人！

SHEA 代表 坂狩 トモタカ（さかがり ともたか）

SHEA代表。福岡県生まれ。資生堂美容専門学校卒。都内2店舗を経て、2018年にSHEAをオープン。現在は表参道2店舗、学芸大学に1店舗の美容室オーナー。サロンワークの傍ら、全国・海外でのセミナーやヘアショー、TV、一般誌や業界誌からのオファーも絶えない。「#毛先だけパーマ」「#育てるハイライト」（ヘリテージ）などの著書も大好評。KAMI CHARISMAをはじめ、コンテストでの受賞歴も多数。

大人女性の上質でしなやな美しさを生み出していきたい

ヘアスタイルを作る上で大事にしているのは、“女性像”をイメージにすること。僕は、お客さまの上質感を引き出せるようにヘアスタイルを作っています。「このヘアスタイルは、坂狩トモタカっぽいね」と周知してもらえるよう、僕らしい品があってナチュラルなスタイル作りを意識しています。

今はほとんどリピーターのお客さまを担当しています。美容師としての成長を見守っていただき、お互いの人生を共有してきた10年来のお客さまばかりです。嬉しいことに「やめないでね」とよく言っていただくので、求められる限りは続けていきたいですね。顧客を大切にするのは企業理念にも掲げてて、僕も現役美容師でいながら、スタッフに大切なことを伝え続けていきたいです。

同世代だったお客さまが20代から30代、そして40代と共に歳を重ねていく中で、その年代ごとの美しさに向き合うことができました。30〜40代になると、自分の好きなものもはっきりしてきて、その人が持つ上品さやしなやかさが際立って輝いてきます。大人女性の魅力をキャッチして、ヘアを通してより洗練されるようにしたいですね。

キャッチーなネーミングは、お客さまとの会話から誕生

著書のタイトルにもなった「＃毛先だけパーマ」「＃育てるハイライト」などのネーミングは、お客さまとの会話で生まれてくることが多いです。ヘアのイメージをきちんと共有したいので、お客さまと向き合うことで自然とワードが閃いてきますね。作ったネーミングが世間に浸透してくると「SHEAは○○発祥サロンだよね」とサロンの代名詞になってくれることもあります。それに言葉一つで「パーマやカラーにチャレンジしたいな」とヘアを楽しむ動機づけになってくれるのは嬉しいですね。

美容師になって20年になりますが、常に3ヶ月タームでマイブームが出てくるんです。お客さまの悩みを解決したり、可愛いやキレイを追求していると、ふとアイディアが溢れてくるんですよね。僕は、自分のマイブームに流行をエッセンスとして取り入れて、お客さまにマッチさせることが多いです。今は、大人世代に向けて薄めの前髪を入れる“第二の前髪”がブーム！

このネーミングはとある雑誌の編集者さんと話したら出てきた言葉です。前髪が長くて流したり耳にかけているお客さまに、束で数本ほど隠れ毛を作ると、動きが出てたくさんのアレンジが楽しめるんです。昨年の11月ごろから、顔まわりや第二の前髪を切るのが楽しすぎますね。今後は業界的にもスタンダードになっていくんじゃないかな。

これは、その第二の前髪を楽しんだスタイル。カラーセミナーで作った作品で、ベージュ系の暖色カラーで仕上げています。顔まわりはレイヤーをしっかり入れて、第二の前髪と合わせて無造作な動きを楽しむスタイルです。顔まわりのニュアンスは独自のスタイリング方法で仕上げています。

アイロンで作るのも　一つのヘアデザインの形だと思っていて。自分なりのニュアンス作りを追求しています。どうやったら人とは違うデザインが作れるか、別の表現を生み出そうと必死に研究していた時期があるんです。この上質でありながらナチュラルなニュアンスは絶対SHEAでしか表現できないと思っています。

デザイナーとして上手くなるには、『お客さまに興味を持つこと』。興味を持つことができたらもっと知りたいって思えるし、お客さまが求めるデザインを作りたくなります。それに興味を向けることは優しさにもつながります。お客さまに笑顔になってもらうために努力して、ヘアスタイルを通してより人生を楽しんでもらいたい。そう思う気持ちが優しさであり、美しいヘアデザインを生み出すと考えています。

＞後編へ続く