人気サロンの“らしさ”を紐解く! ヘアカラーの種類は業界随一! ブリーチカラーの匠が集うVardy【前編】
圧倒的に上品なブリーチカラーを得意とする吉永大介さんと、独自のカラー理論を構築するカラーの匠、中澤卓也さん。共同代表でオリジナルブランド『Vardy』を立ち上げました。オープニングメンバーのデザイナー鎌倉光輝さんもクリエイティブなデザインカラーの技術にお客さまはもちろんのこと同業者からも定評があります。
2023年4月のオープン時には、友人や元同僚をはじめとする美容業界関係者からお店に入りきらないほど花が届けられたそうです。
今回は、そんな注目サロンVardyの3名が、人気サロンの“らしさ”について語ります。
インタビューは前後編の2本立てです。前編では、Vardyのコンセプトやメンバーの魅力を掘り下げました!
SPECIAL CONTENTS
2023.07.26
Vardyプロフィール紹介
Vardy代表
吉永 大介(よしなが だいすけ)
福岡県出身。大村美容専門学校卒業。新卒で都内人気デザインサロンに入社。オーナーをはじめ有名美容師のもとでアシスタント経験を積む。スタイリストデビュー後はデザインカラーで人気を博す。2019年7月にフリーランスに転向。サロンワークに加え、デザインカラーのセミナー講師として活躍。2022年6月にカラー特化型オンラインサロン”ANOTHER”を立ち上げその主宰を務める。2023年4月に中澤卓也氏とともにVardyをオープン。
Vardy代表
中澤 卓也 (なかざわ たくや)
神奈川県出身。ベルエポック美容専門学校卒業。都内有名店出身者がつくったサロンなど、多くのサロンの立ち上げを経験し、独立。個人店を経営した後に、吉永大介氏とともにVardyを立ち上げる。透明感のあるケアブリーチカラーが得意。2022年6月にカラー特化型オンラインサロン”ANOTHER”を立ち上げ、吉永氏とともにその主宰を務める。
Vardy ディレクター
鎌倉 光輝 (かまくら こうき)
長野県出身。山野美容専門学校卒業。都内の人気サロンを複数店舗経験し、Vardyにジョイン。デザイン性の高いハイトーンカラー、デザインカラーを武器とし、撮影やコンテスト、ヘアショーなどクリエイティブワークにも注力している。お客さまのみならず同業者からも支持を受ける注目のヘアデザイナー。
3人それぞれ歩んできた環境が違うからこそ、学びがあっておもしろい
編集部:3人ともカラーの技術と個性がありますよね。Instagramのフォロワー数も合計約20万人ととても多い! そんな注目の的である3人が集まった理由を教えてください。
吉永:中澤くんとは一緒のサロンで働いたことがなかったんですが、渋谷センター街で仲良くなったモデハン友達なんですよ。途中で連絡を取らない時期もあったのですが、家の風呂が使えないとき、貸してもらったことがきっかけでまた仲良くなり、一緒にカラーを題材としているオンラインサロンANOTHERをやるようになりました。
もともと僕はDaBでカラーの技術を磨いて、セミナーで教えることもありました。ところが、コロナ禍でセミナーが全部なくなってしまっていたんですよ。もともと独立したい気持ちもあったので、フリーランスとして働きながら、中澤くんと出店の準備をしていました。
中澤:僕は、今のカラーを学ぶ環境に疑問を持っています。カラー剤の調合や塗布について、なんとなく感覚でやっている人が多い。きちんと理屈を説明できる人は意外と少ないんですよ。僕自身、誰からも教えてもらえないから、我流で理論を構築してきました。でも、一人でできることには限界があると思ったんです。
中澤:僕ら3人もそれぞれ学んできた環境が違うから、お互いの仕事のやり方を見るのが面白いし、学びがあるんですよね。
オンラインサロンでも「え!なんでそんなやり方するの?」という人が結構います。だからこそ、カラー理論を学ぶ場が必要だと思う。その思いがVardyの根底にあります。オンラインサロンは技術をシェアする場であり、サロンはカラーの実験室なんですよ。
鎌倉:僕は新卒で入社したサロンが中澤さんと同じで、面接してくれたのも中澤さんだったんです。一緒に働いたのは半年間くらいでしたけれど、中澤さんがサロンを離れてからも気にかけてくれていたんですよ。
中澤:鎌倉くんは熱量がすごかったし、先輩を抜かす勢いで頑張っていました。僕が採用した責任もあるし、連絡は取り合っていたんですよね。環境が変わっても頑張っていることは知っていました。ただ、一緒に働くというよりは、独立して自分でサロンを立ち上げるのかなと思っていました。
鎌倉:独立したい願望があったので、中澤さんに相談していたんです。けれど、独立までのプロセスを聞くと、一人で独立するのは大変そうだな…と。何の知識も経験もないわけですし経営を続けていく大変さもリアルに見えてきました。そんなとき、中澤さんと吉永さんの独立の話を聞いているうちに、混ぜてほしくなって「お願いします」と中に入れてもらったんです。
あえてカラー剤の調合を見せて、ライブ感を出す!
編集部:あらためて3人の役割分担を教えてください。
吉永:僕は経営的な数字に少し弱いので、そこは中澤くんにお任せしています。
中澤:吉永くんにはサロンワークで輝いてほしいし、鎌倉くんには撮影とかコンテストで輝いてほしいと思っています。僕ももちろんサロンワークしますが、二人を輝かせる裏方でありたいと考えています。
編集部:そんな3人が集まってできたVardyの特徴を教えてください。
鎌倉:なんといってもカラー剤のバリエーションの多さですね。美容師が見ても驚くくらいの種類があります。こんなに揃えているサロンは他にないんじゃないかな? 大規模なサロンにはあるかもしれないですが、僕らと同じ規模感のサロンではありえないと思います。カラー剤が豊富であることが最大の特徴です。
吉永:例えば、青だけでも5パターンくらいの色味があるから、青にこだわっている人も変化を楽しめるんですよね。
中澤:鉄板焼屋でシェフが調理しているところが見えるみたいに、あえてカラー剤の調合を見せるところもポイントで、ライブ感を出しています。普通、カラーの調合って、バックヤードの見えないところでやると思いますが、僕たちはどういう調合にするか悩んでいるところまで丸見えにしてしまっているんですよ。ある意味、僕らの手の内を見せることにもなりますが、確かな理論で自信を持ってやっていることが伝わるんじゃないかと思います。
吉永:カラー剤の棚の前でカラーの調合をするのですが、ここに立つと店内の至るところが見渡せるんです。これは僕のこだわりで、みんなの仕事を見て学びたいからなんですよね。それぞれ働いてきた環境が違うから、サロンワークのやり方も少しずつ違います。そこからお互いに学ぶことができるんじゃないかなと思っています。
中澤:全部見渡せるから、隠れてふざけてるところも見えちゃうんですけれどね(笑)。カラー以外のところもかなりこだわっていて、コーヒーメーカーはバルミューダだし、ソーダストリームも置いています。定期的に花屋さんがきて花を飾っています。こういったこだわりはサロン作りに決してマストではないですが、僕らは価値があると思うので、自分たちの価値観でサロン空間をつくりました。
あえてカラー剤の調合を見せて、ライブ感を出す!
編集部:想いが込められたサロンなのですね! この環境で3人それぞれどのような活動をしていますか?
吉永:中澤くんは中明度で透明感のあるカラーをナチュラルに仕上げるのが得意だよね。美容師のお客さまもすごく多いんです。
中澤:吉永くんは、ツヤがあって上品なブリーチカラーが得意で、しっかりとした理論もあるから教えるのも上手です。カリキュラムなどの教育的な部分も任せています。
中澤:鎌倉くんは、撮影やコンテストを自分でやるだけでなく、クリエイティブに興味がある後輩たちもチャレンジできるように教えてくれています。年齢的にも僕ら二人より若いので、美容学生のお客さまが多いのも特徴かなと。美容学生と年齢が近いので、良いお手本になっているのだと思います。
鎌倉:サロンワークでは、ペールトーンのカラーを売りにしており、それを求めてくる学生さんが多いです。全ての毛を髪の根本から毛先までブリーチする全頭ブリーチをベースにしているところが、3人の共通点なのかなと思います。
編集部:最後にこのサロンを通じて実現したいことを教えてください。
吉永:僕は、ヘアカラーに対する偏見を変えたいと思っています。明るいカラーで仕事ができたら楽しいと思うし、上質なカラーはもっと社会に許容されてもいいと思うんですよね。最近だとスターバックスが髪色のルールを変更して、カラーの自由度が高まりましたけれど、これと同じ動きがあちこちで起こればなと。というのも、お客さまの就職活動のために黒染めしているとき、「もったいないな」「なんでこんなことしなきゃいけないのかな」と思うんですよね。
中澤:僕は勤めていたときに不満に感じていたことを全てなくして、自分たちの理想を反映した「ここにしかないサロン」をつくりたいです。あとこれは、吉永くんの想いとも重なるところですが、美容師のカラー技術の底上げをしたいという想いを持っています。
再現性のある確かな技術をシェアしていったら、髪が汚い人がいなくなると思うんですよね。僕たち3人でできることは限られているんですけれど、美容学生、アシスタント、美容師に伝えていくことによって少しずつ影響を与えていきたいです。
オンラインサロンには280人が参加してくれているのですが、その人たちが100人のお客さまを担当したら、それだけでも2万8000人になります。
吉永:だからこそ、しっかりと伝わるコンテンツをつくろうと思っています。わかる人がわかるのではなく、わからない人が見てもわかるレベルのものにこだわります。
鎌倉:僕は撮影やコンテストに力を入れたいですし、カラーだけではなくトータル的なデザインスタイルにこだわった発信をしていきたいと思っています。というのも、美容学生の子たちは、カラーだけではなく、スタイル作りに興味があると思うんですよね。写真映えするスタイルや、クリエティブな作品作りもどんどん発信していきたいです。
>後編へ続く
吉永 大介よしなが だいすけ
福岡県出身。大村美容専門学校卒業。新卒で都内人気デザインサロンに入社。オーナーをはじめ有名美容師のもとでアシスタント経験を積む。スタイリストデビュー後はデザインカラーで人気を博す。2019年7月にフリーランスに転向。サロンワークに加え、デザインカラーのセミナー講師として活躍。2022年6月にカラー特化型オンラインサロン”ANOTHER”を立ち上げその主宰を務める。2023年4月に中澤卓也氏とともにVardyをオープン。
中澤 卓也なかざわ たくや
神奈川県出身。ベルエポック美容専門学校卒業。都内有名店出身者がつくったサロンなど、多くのサロンの立ち上げを経験し、独立。個人店を経営した後に、吉永大介氏とともにVardyを立ち上げる。透明感のあるケアブリーチカラーが得意。2022年6月にカラー特化型オンラインサロン”ANOTHER”を立ち上げ、吉永氏とともにその主宰を務める。
鎌倉 光輝かまくら こうき
長野県出身。山野美容専門学校卒業。都内の人気サロンを複数店舗経験し、Vardyにジョイン。デザイン性の高いハイトーンカラー、デザインカラーを武器とし、撮影やコンテスト、ヘアショーなどクリエイティブワークにも注力している。お客さまのみならず同業者からも支持を受ける注目のヘアデザイナー。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Writer外山 武史(とやま たけし)
SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。