人気サロンの“らしさ”を紐解く! 平均年齢23歳!超新星サロン「Null」に迫る【前編】
創業メンバーの総フォロワー数は約20.5万人!1カ月先まで予約が埋まるスタイリスト集団「Null」は、平均年齢23歳という新進気鋭のヘアサロンです。共同代表は、ビジネスセンス抜群の松岡諒さん、若手への影響力絶大な内海風我さん、そして、類まれなクリエイティブセンスを持つ川久保直明さんという個性豊かな3人です。今回は3人が率いる超新星サロンの魅力にフォーカスします。この企画は前後編のスペシャルインタビュー! 前編ではサロンの魅力を存分に語っていただきました。
SPECIAL CONTENTS
2023.07.26
Null代表のプロフィール紹介
松岡 諒(まつおか りょう)
合同会社Null CEO / founder
GO TODAY SHAiRE SALON/本社マーケティング事業部所属
山野美容専門学校卒業。新卒フリーランス美容師のパイオニアとして活躍。業界最大手のシェアサロンであるGO TODAY SHAiRE SALONにてマネージャー業務、マーケティング業務、新規施策や新規事業の立ち上げの経験を積み、サロン事業部内のチーム長を務めた。同時に毎月100万円以上の売上を達成し、独自のFC(フランチャイズ)システムを展開するなど、フリーランス美容師として幅広く活動している。
内海 風我(うつみ ふうが)
合同会社Null 代表/founder
国際文化理容美容専門学校国分寺校卒業。アシスタント期間0日でスタイリストとしてデビューを果たす。都内のサロンで店長を務めた後、フリーランスとして活動し、Nullを立ち上げる。デザインカラーとカットの似合わせを得意とし、エンドカラーのパイオニアとして美容学生や若手美容師からの支持も厚い。サロンワークを中心に講師活動や学生向けの情報発信、メディア構築など、幅広い活動を行う。
川久保 直明(かわくぼ なおあき)
合同会社Null 代表/founder
京都理容美容専門学校通信科卒業。18歳で美容師免許を取得。19歳から20歳の間に渡英し、ロンドンのVidal Sassoon Academyでディプロマを取得。ロンドンで培った技術を活かして、クリエイティブなカットとカラーで独自のスタイルを確立している。日本国内だけでなく、海外からも多くのファンやクライアントがいる。
美容業界の常識をゼロから覆す
松岡 諒(以下、松岡):サロン名は、他の人気店に倣って2文字にしました。「できるだけ抽象的なものがいいよね」という話をしていたんですよ。私はプログラミング言語に触れていたので、Null(値がない)という概念もおもしろいなと思っていました。
内海 風我(以下、フウガ):Nullはドイツ語で“ゼロ”。英語で“何もない”を意味しています。業界になかったものを生み出すという意味ではピッタリだなと。
松岡:NullのVISIONは「新時代を代表するサロンを創る」で、OUR GOALとして設定しているのは「クリエイターが輝く世界を創る。先代の良いものは絶やさず引き継ぎ、悪しき風習は終わらせる。業界に一石投じる圧倒的なブランドサロンを創り、美容師(クリエイター)が安心してデザインに集中できる世界へ」です。
松岡:今のメンバーが、それぞれ得意なデザインを発信していくわけですが、これから加入するメンバーも輝かせていくことも考えています。具体的には、デザインカラーを中心としたメニュー構成で、アンブレラカラーなどのユニークなデザインと集客の方法を新たなメンバーに教えていく予定です。今いるメンバーとの化学反応を起こして、クリエイターとして更なる飛躍を遂げることを目指しています。
自然界の破壊と再生、美への希求
川久保 直明(以下、川久保):イメージビジュアルもめちゃくちゃ気合い入れてつくっています。Vogueなどの撮影を担当しているカメラマンさんにダメもとでオファーして、運よくお願いできたんですよ。
川久保:撮影とデータデザイン、ヘアメイクなど撮影制作費は30万円くらいかかっています。体が木になっているんですけれど、これは本物の木と合成してるんですよ。京都にいる父にお願いして、森から拾ってきてもらいました。それをわざわざ東京に送ってもらっています。せっかくやるならインパクトのあるものにしたかったので、一切妥協していません。
川久保:Nullという言葉にはゼロという意味があります。ゼロとは新しいものが生まれたり、終わったりする意味にも受け取れると思うんですよね。生命の生と死の境目なんです。自然は芽吹いて咲いて枯れてを繰り返しています。破壊と再生によって生まれ変わるイメージをビジュアルに落とし込んだんです。カメラマンさんをはじめ、一流の仕事を見ることができたという点でも良い経験でした。
フウガ:サロンで撮影をするときは、川久保に撮ってもらおうと思っているんですよ。本物のカメラマンから学んだスキルをNullに還元してくれることを期待しています。
3つの個性が混じって引き起こす化学反応
編集部:そもそもなぜこの3人でサロンを作ることになったのですか?
松岡:美容専門学校時代から、フウガ(内海)とは仲が良かったんですよ。専門学校は違うところに通っていましたが、1年の夏に知り合いました。川久保とも1年目になってすぐに出会いました。
川久保:僕が勤めたサロンでアシスタントをしていたとき、諒(松岡)がお客さんとして来店したことがあって、そこで知り合いました。
フウガ:諒とは学生のころから仲が良くて、ナオ(川久保)は前社で同期になったときに知り合いました。
松岡:3人ともお互いを尊敬していたし、将来何かを一緒にやるかもしれないという話はしていましたが、こんなに早く実現するとは思っていなかったです。僕はGO TODAY SHAiRE SALONに所属していて、若手美容師向けのシェアサロンブランドを立ち上げたばかりでした。
フウガ:1年前は独立するつもりは全くなかったんですが、フリーランスとして活動していたとき、一人ではなく組織として動きたいという気持ちがありました。
川久保:ちょうどそのころ、僕が働いていたサロンが閉店することになったんですよ。
フウガ:前社の閉店が決まる前に僕はすでにフリーランスになっていたんですけど、そのときナオと電話して「じゃあ一緒にやるしかないね」となりました。諒にも事情を話して一度3人で話す場を作りました。僕たちは諒に「一緒にやらないか」と話して口説く予定でしたが、諒はすでに事業計画書を作っていて当日それを持ってきたんですよ。
松岡:3人でサロンを始めるイメージが一瞬で湧いたんです。それぞれの役割分担もしっかり決まりました。まず、川久保はサロンの顔となるクリエイティブを担当しています。センスと情熱はめちゃくちゃ高いです。どんなに頑張る人でも、普通は終電になると家に帰るものですが、川久保が夜中2時からブリーチカラーを使ったデザインを作っているのを知って、この人にしか任せられないと思いました。
フウガは美容専門学校の生徒に対する影響力を持っています。学生向けの情報発信やセミナー講師の経験もあるんですよ。人材育成の面で力を発揮してもらいたいと思っています。
僕は経営全般やマーケティング、出店計画立案や資金調達など、ビジネス側面で会社を運営していきたいです。
美容業界を代表する「新世代のクリエイターが輝くサロン」を創る
フウガ:全員に共通して言えるのは、新世代を代表するサロンを作ることです。その実現に向けて、3人それぞれが役割を担っています。
僕は美容学生・若手美容師限定の null community を立ち上げ、若手育成やマネージメントにも力を入れていて、U-25の美容師や美容学生向けの情報発信やセミナーを行っています。その経験から自分たちよりも下の世代が「ここに入れば間違いない」と思えるサロンを作り、伝えていきたいです。混迷する時代で何が正解かわからないからこそ、目指すべきサロンとして存在感を発揮していけたらなと。
川久保:僕は、Nullの「新世代のクリエイター」が目指す方向性を示していきたい。少し話が飛躍しているように感じるかもしれませんが、僕はドイツの生物学者、エルンスト・ヘッケルの考え方に共感しています。ヘッケルは、全ての自然生物は美的感覚を持っているという理論を持っていますが、僕もそれが正しいと思っていて。実際、自然は美しいですよね。
人間も自然の一部であり、本質的な美しさを備えているし、さらなる美を追求していると思う。サロンワークやクリエイションを通じて、人々にそのことに気づかせるような仕事をしたいです。
松岡:僕が実現したいのは、理念にも掲げているように、クリエイターが輝く世界です。具体的には、美容業界の悪習を改善したい。例えば、朝の遅刻には厳しいのに夜のミーティングはルーズだったり、ハラスメントがおきていることもあります。他業種と比べると休みも少ないですしね。僕たちが先陣を切ってそういったことを断ち切りたいと考えています。
また、渋谷区や港区で最も多くのサロンを展開することを目標にしています。このエリアには有名なサロンが多くありますが、クリエイターたちが苦労していることも多いです。Nullだけでなく、別のブランドも生み出しながら、クリエイターたちの輝く世界を広げていきたいと思っています。
松岡:誤解のないように説明しておきますが、僕たちは他のサロンと競争し合うつもりはありません。美容師は自分自身が輝ける場所で輝けばいい。それがNullであるか、別のサロンであるかは個々の自由です。共感してくれる人々と協力し、クリエイターたちが輝ける輪を広げていきたい。それが目標です。
>後編へ続く
松岡 諒まつおか りょう
山野美容専門学校卒業。新卒フリーランス美容師のパイオニアとして活躍。業界最大手のシェアサロンであるGO TODAY SHAiRE SALONにてマネージャー業務、マーケティング業務、新規施策や新規事業の立ち上げの経験を積み、サロン事業部内のチーム長を務めた。同時に毎月100万円以上の売上を達成し、独自のFC(フランチャイズ)システムを展開するなど、フリーランス美容師として幅広く活動している。
内海 風我うつみ ふうが
国際文化理容美容専門学校国分寺校卒業。アシスタント期間0日でスタイリストとしてデビューを果たす。都内のサロンで店長を務めた後、フリーランスとして活動し、Nullを立ち上げる。デザインカラーとカットの似合わせを得意とし、エンドカラーのパイオニアとして美容学生や若手美容師からの支持も厚い。サロンワークを中心に講師活動や学生向けの情報発信、メディア構築など、幅広い活動を行う。
川久保 直明かわくぼ なおあき
京都理容美容専門学校通信科卒業。18歳で美容師免許を取得。19歳から20歳の間に渡英し、ロンドンのVidal Sassoon Academyでディプロマを取得。ロンドンで培った技術を活かして、クリエイティブなカットとカラーで独自のスタイルを確立している。日本国内だけでなく、海外からも多くのファンやクライアントがいる。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Writer外山 武史(とやま たけし)
SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!
Photographerトカジ ショウタ
人気美容師として活動する一方で、写真&映像クリエイターとして活躍中。サロンのIV/CM/コーポレートビデオ、芸能事務所のMVなども手掛け、業界から注目される。