美容エディター注目の次世代美容師のパイオニア! NNN NANA×美容エディター/桑名真理子−Find a STAR☆第23回−
bangs特集記事の編集担当にして、1600名以上の人気美容師を取材してきた美容エディターの桑名真理子が、今後の美容業界を担う NextStar美容師を直撃! 美容師としての歩みやこれからの野望、美容業界に対して伝えたいことや改革したいことを聞きます。
第23回目は、女性らしい色っぽさや透明感のある暗髪を追求し 、こだわりのあるヘアスタイルを生み出すNNNの女性店長NANAさんが登場! 配合までこだわり抜いた暗髪カラーと小顔になる顔まわりカットが定評の彼女。落ち着いた安心感のあるお人柄でお客さまからも絶大な人気を誇ります。そんなNANAさんのこれまでの歩みやストロングポイント、これからの展望を伺いました。
SPECIAL CONTENTS
2023.11.08
NANAさんってこんな人
NNN店長 NANA
専門学校金沢美専卒。都内有名サロン2店舗を経て、NNNのオープニングスタッフとして参画。顔まわり&小顔カットを得意とし、女性らしい色っぽさや透明感を追求した暗髪カラーのスペシャリスト!その技術力と落ち着いた物腰で10代〜20代のお客さまからの支持が厚い。現在は店長としてNNNを引っ張る女性リーダー。
学生時代の部活で日本一! その経験が、美容師に活きているワケ
桑名真理子(以下、桑名):NANAさんとは、代表のNOBUさんを通して出会いましたね。今年の夏、七里ヶ浜の海を一望できる絶景の場所でパーティーをしていて、私がお邪魔して。
NANA :あのときは、すごく楽しかったです! キャリアのことを中心に、ガールズトークに花が咲いて、良い時間でした。
桑名:NANAさんは普段すごく謙虚で落ち着いているのに、仕事の話題になった瞬間、メラメラと燃えていて、かっこいいなと感じてました。美容室を日本一に率いたNOBUさんの隣で、NNNの店長としてサロンを引っ張っているNANAさんの魅力にフォーカスしたくて、今回オファーしました。ストイックな性格は、昔から!?
NANA:そうですね。部活動でバトントアリングをしていたんですけど、そこで日本一になった経験が大きいかもしれません。
桑名:日本一! バトントアリングってどんな競技なんですか?
NANA:棒を回したり空中に投げたりして踊る団体競技なんですけど、小学2年生から始めて高校まで10年以上続けました。地元に強豪校があったので、そこで日本一になって親を喜ばせたかったんですよ。
桑名:なんて素敵な親孝行…!
NANA:シングルマザーで朝から夜まで働いて育ててくれたお母さんは、私の尊敬する人です。若くして自分を産んだのですが、もともと夢見ていた美容の道へ進み、今は百貨店の部長としてバリバリ働いています。そんな母親の背中を見て、私も成功したいって一生懸命になれました。今も、何かいいことがあると一番にお母さんに報告してますね。自分のことのように喜んでくれます。
桑名:お母さまもNANAさんの頑張る姿に、励まされてきたのかなーなんて勝手ながら親子愛を想像しちゃって…泣けてきます。部活でタイトルを獲った経験が人生の糧になってるんですね。
NANA:負けず嫌いな性格は美容師の仕事に活かされていますね。アシスタントのころは辛いことがあると泣くこともあったんですが、辞めたいとネガティブに考え込むというよりは「次は認めてもらえるようにもっと頑張ろう」と自分を鼓舞してました。
桑名:一度結果を出したことがあるから、結果が出るまでの踏ん張りどころがわかるんですね。
NANA:真剣にスポーツをしてきた人って、評価していただけることが快感だったりするで、逆境に立たされても結果が出るまで踏ん張れるのかもしれません。スポーツを通してフィジカルだけでなくメンタルも鍛えることができました。
桑名:日本一になれた勝因は、何だと思いますか?
NANA:周りの環境に恵まれたからですね。団体競技なので、周囲との関係性がすごく表に出るスポーツ。私は運よく尊敬できるコーチや親、同期、先輩などと出会うことができ、そういったタイミングが重なって起きた奇跡だなと。
桑名:バトントアリングに熱中していたNANAさんが、美容師を志したのはいつごろなんですか?
NANA:高校三年生ですね。それまでは部活に全力で向き合っていたので、他にやりたいことがなくて…。進路を考える年齢になり、昔から髪の毛を触るのは好きだったので「美容学生って楽しそうかも」という感覚で決めました。親も「勝負事が好きだから、向いてそうだね」って背中を押してくれました。
桑名:NANAさんのことだから、学生時代もコンテストとかに燃えてそう…!
NANA:まさにそのとおりです(笑)。1位になりたくて必死に頑張っていました。美容学生技術大会の北陸エリアで2位になって悔しい思いをしたり、学内コンテストで1位をとったり…いろんなコンテストを通して自分の実力を試して伸ばしていきました。
憧れの師匠との出会い。心を通わせたくてトライ&エラーした日々
桑名:学生時代に結果を出してきたNANAさん、進路はどのように考えてたんですか?
NANA:不器用でマイペースなので、カリキュラムがしっかりしている有名サロンさんを受けて、新卒で入社しました。実は、NOBUが在籍していたALBUMも受けたのですが、ご縁がなくて…。新社会人のころは要領も悪く、私の性格的にもブランドサロンとして格式高い前社で、3年間基礎をしっかり学ばせてもらったのはとても有意義な経験だったなと、感謝しています。
桑名:3年間過ごしてきた中で、1番の学びは何でしょう?
NANA:美容師としての常識や人格を育てていただいたことです。言葉使いや態度など、プロフェッショナルとしての“姿勢”を学びました。
NANA:今も尊敬して止まない先輩がいるんですが、その方の接客がすごくて! コームやブラシのとかし方、シャンプーやドライヤーの当て方など細部への気遣いが、とにかく神がかってるんです。アシスタントのときは先輩のように振る舞えず毎日泣いていましたが、スタイリストになった今、ディティールまでこだわって接客できるようになりました。今も仲良くさせてもらっていて、ご飯に行ってアドバイスをもらうこともあります。
桑名:充実した下積み生活の中、NNNに入ろうと思ったきっかけは何だったのですか?
NANA:私が学生のころからレジェンドだった代表のNOBUにずっと興味があったんです。「なんでNOBUさんはどのメディアからも引っ張りだこなんだろう?」「圧倒的なフォロワー数がいるのはなんでだろう?」など、ずっとクエスチョンマークが止まらなくて。
そんな矢先にNOBUがお店を出すとSNSで発表していて、直感的に「働きたい!」と感じました。代表の隣で働く自分を想像してみたら、未来がキラキラして見えて! 前社にも素直な気持ちを話して、憧れの人と働く道を選びました。
桑名:NOBUさんも、そんなNANAさんが来てくれて嬉しかったでしょうね。
NANA:新サロンができるまでの1年間は、ALBUMでアシスタントをしていたのですが、最初は怒られてばっかりでした(苦笑)。初めて外部仕事に同行したときも、必要最低限しか話してくれなくて…。技術的なアシストはできていたと思うんですが、他のスタッフと比べてコミュニケーションが全然とれなくて、すっごく悔しかったんです。
このままではいけないと思って、積極的に外部仕事について行ったり、一緒にカラー施術に入るなど、NOBUとコミュニケーションできる時間を増やすようにしました。誰よりも積極的に動いて、認めてもらおうと必死でしたね。
桑名:NANAさんのストイックさがここでも発揮されていますね。いつごろ心が通ったんですか?
NANA:1年くらい経って、ちょうどNNNがオープンしたころですね。NNNはスタッフも少人数制だったので、NOBUの近くでコミュニケーションが取りやすい一番のチャンスでした。 NOBUは武道をしていたので礼儀を重んじていて、私も部活や前社で礼儀やマナーなど鍛えてきたので、そういった部分から徐々に評価してもらえたように感じます。今後は、代表と店長としてより絆を深めていけたらいいですね。
デビュー後の降るわない時期を乗り越え、暗髪のスペシャリストへ
桑名:色濃いアシスタント期間を経て、スタイリストデビューはいつですか?
NANA:2021年の12月にNNNがオープンして、同時にデビューしました。最初は月の半分をスタイリスト、もう半分をNOBUのアシスタントをしながらスタートしましたが、お客さまが全然いなくて1ヶ月目は売上が最下位でした…。
桑名:なんと! 今のご活躍からは想像がつきませんね。
NANA:もう情けなくて、悔しくて…。とにかくお客さまに来てもらわないと始まらないので、関わったことある人全員にひたすらDM送りました。それまではインスタもあまり力を入れてなかったのですが、これをきっかけに頑張り始めましたね。
桑名:SNSだと自分の武器をウリにブランディングする美容師さんが多いですが、NANAさんはどんな風に取り組んでいましたか?
NANA:ずっとブリーチの技術を売りたかったのですが、いざやってみるとお客さまも来ないしフォロワー数も伸びなくて…。すでにハイトーンの技術で人気の美容師さんも多く、これでは勝てないと思っていたときに「逆にダークトーンを打ち出している人があまりいないから、あえて暗髪もいいかも」と考えたところ、NOBUからもひと押しされて、路線変更したんです。
そこから暗髪のスタイルを投稿していたら、そのタイミングでありがたいことに韓国のアーティストさんも暗髪にしてブームが到来し、Instagramがヒットしました。
暗髪にプラスして顔まわりカットもこだわってスタイルを上げたところ、デビューしてから2ヶ月後にインスタが伸び、スタッフの中で売上が1位になり、現在に至ってます。
NANA:私は、フォロワー数やいいね数が多いというよりも、SNSを見て来店してくださった方が顧客になってくださったことで成長することができています。暗髪ということもあり、落ち着いたお客さまが多く、私とトーンが似ている方が来てくれてマッチングも上手くいってます。
桑名:私もNANAさんの第一印象は、すごく安心感ある落ち着いた方だなと感じました。
NANA:昔から年上に見られたり安心感があようで「お母さん」とあだ名をつけてもらったこともあります(笑)。アシスタントのときにスタイリストだと間違われることがあって、そこは武器にできるんじゃないかなと考えてました。信頼してもらえるような態度や安心してもらえる空気感など私なりの接客を磨いてきましたね。
桑名:NANAさんの包容力は、すごく魅力的です! 実際にNANAさんを求めてどんなお客さまがいらっしゃいますか?
NANA:トレンドを意識して暗髪にする大学生から20代の方や、あとは就活生も多いですね!
就活生は「髪を暗く染めないと…」とちょっとネガティブな気持ちの方もいらっしゃるので、美肌に見えるカラーの提案だったり、カットと合わせてお客さまの魅力を引き出すなど、ちょっとでもモチベーションを上げられたらと思っています。
最近はパーソナルカラー診断をしているお客さまが増えているので、イエベ・ブルベでカラー剤の剪定方法を変えて、いろんな暗髪を作れるようにこだわっています。
特にイエベの方は、黒は似合わない色と分類されるようで、イエベに似合う黒のオーダーはとっても多いです。グレージュっぽい色で柔らかさを出したりマットで軽さを出すなど、マンツーマンでカウンセリングしながらこだわって剪定しています。
NANA:お客さまと私のイメージの一致させるのはとても大事にしています。例えば「グレージュ」と希望された場合、グレージュにも何通りもあるので、そこを擦り合わせないとミスマッチが起きてしまいます。そんなときに、このカタログが活きてきますね。
この姫カットのスタイルは特に人気ですね。モデルさんの雰囲気に合わせてオーダーメイドの暗髪&似合わせをしています。
お客さまを重要視したい。美容師としての核を、見つめ直す時代へ
桑名:現在は店長として活躍されているNANAさん。サロンを引っ張っていく立場になってみて、実際いかがですか?
NANA:やりがいがある反面、正直なところプレッシャーもあります。圧倒的カリスマの代表がいるので、NOBUが表に出ることでNNNの認知は一瞬で広がりますが、その中で私は何をできるだろうかと、日々奮闘中です。
もっとNNNを大きくするためにも、まずは私自身ができることとして、フォロワー数を伸ばしていきたいです。やっぱり今の時代、そこで仕事の可能性の幅や影響力が変わると思うんです。
桑名:有名サロンが背負う宿命なのかもしれないですね、きっと。
NANA:そうですね。顧客の方を大切にしながら新規も増やしたいので、まずはSNSを強化して、サロンワークを徹底したいですね。スタイリストになってみて、お客さまと接するのが心から楽しいですし、いろんな方に注目される美容師になるりたいので、そのためにも今が正念場です。
桑名:暗髪人気の火付け役となったNANAさんが次は何に注目していくのか、すごく楽しみです。
NANA:私自身も楽しみながらいろいろと考えているところです。TikTokで海外の流行などもウォッチしているんですけど、国をまたいでトレンドが一周していたりしておもしろいんですよ。韓国ブームとして浸透しているものが、実は以前日本で流行っていたものがあったりなど、いろんな発見があっておもしろいです!
桑名:NANAさんは今後どんな形で業界に貢献していきたいですか?
NANA:お客さまをより大切にして接客を重視していく時代にしていけたらなと思っています。SNSが身近な中で育った私たちZ世代はアーティスト性が評価されがちですが、本来美容師として大切な人間性やおもてなし、接客の細やかさなど、そういった部分をおろそかにしては本末転倒なので。
私自身、これまで偉大な先輩たちに育てていただき、アシスタント期間も3年としっかり下積みを経験したおかげで、集客サイトなどの口コミでクレームをもらったことがないんです。
それって接客や技術の一つひとつをしっかり鍛錬してきたからなんですよね。これまでやってきたことがスタイリストになって結果が出てきて、自信にもなりました。ですので、美容師として核となる部分を重要視して、私も後輩たちを育成していきたいです。
桑名:美容師として着実に成長していかれたNANAさんだからこそ、お客さまに根強く愛されているんですね。NANAさんが描く未来のイメージ、わたしも共感です!。心から応援しています!
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Writer外山 武史(とやま たけし)
SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。