人気サロンの“らしさ”を紐解く! 推しヘアをオシャレに昇華する「2.5Dカラー」のパイオニア! オンリーワンサロン Wille【前編】
2023年で9年目を迎えるWilleは、アニメのキャラクターをモチーフにしたカラフルなカラーデザイン「2.5Dカラー」のパイオニアです。
代表の志賀尚之さんは、推しのカラーをオシャレに落とし込むデザインが人気で、美容師からも一目置かれる存在。その愛弟子のまりえさんも、上質なハイトーンとレイヤーカットを武器に、メキメキと頭角を現してきた注目スタイリストの一人です。
今回は、そんな注目サロンWilleの2人が、人気サロンの“らしさ”について語ります。
インタビューは前後編の2本立てです。前編では、Willeのコンセプトや人気の秘密を掘り下げました!
SPECIAL CONTENTS
2023.11.15
Wille プロフィール紹介
Wille代表
志賀 尚之 (しが なおゆき)
神奈川県出身。住田美容専門学校卒。都内1店舗を経て、2015年4月に「Wille」を設立。アニメのキャラクターをモチーフにしたカラフルなカラーデザイン「2.5Dカラー」がSNSで好評。アニメファンから多数の支持を得る美容師。アニメと美容室を掛け合わせた新しい試みを展開している。各誌面での撮影や、全国各地でのセミナー講師も務めている。
スタイリスト
まりえ
エビスビューティカレッジ卒業。美容専門学校時代から志賀さんの「2.5Dカラー」に憧れて、都内1店舗を経てWilleにジョイン。上質なハイトーン、カラフルな推しカラー、デザインカラーが得意。巻かなくても可愛いレイヤーカットをウリにしている。
絶対にお客さまの「好き」に寄り添えるサロン
編集部:アニメに限らず、いろんなカルチャーをオシャレな髪に落とし込むサロンとして有名なWilleさん。ハイトーンカラーを推すサロンが増えていますが、今も渋谷の地から存在感を放っています。あらためて、Willeさんの強みはなんですか?
志賀 尚之(以下、志賀):ほかのサロンと圧倒的に違うのは、ウチのサロンはオタクなほど各ジャンルこだわりを持ってスタイル作りをしているスタッフしかいないので、ちゃんとお客さまの好きなものに寄り添えるところですね。
どんなお客さまがきても、しっかり話を聞いて理解できるし、絶対に楽しませる自信があります。全国からジャパニーズカルチャーを求めてお客さまがいらっしゃいますし、どんなお客さまのご要望にも対応できるのが強みです。
編集部:アニメなどの情報を集めたり、研究したりするのは大変じゃないですか?
志賀:研究という意識は全然ないです。僕の好きなカルチャーでもありますし普通に過ごしていれば入ってくる知識ですね。自分の趣味が、仕事にも使える知識になっているだけです。これは僕だけじゃなく、ウチのスタッフみんなが思っているんじゃないかな。
志賀:たとえば、僕は気になるアニメを10から15本くらい同時に見ています。3話くらいまで見て、気に入った作品を最後まで見るという感じです。
スタッフのみんなも、同じように好きなことを突き詰めているんですよね。
ヘアデザインだけではなく、接客でも感動を巻き起こす!
編集部:そんな猛者ぞろいのサロンにいるまりえさんもただものではないということですよね。どんなスタイルを推していますか。
まりえ:上質なハイトーンとレイヤーカットをウリにしています。ウルフのデザインでストリートっぽくまとめたヘアデザインなどが人気です。
まりえ:ちなみに私は、志賀さんほど一つのカルチャーを掘り下げているわけではないんですがK-POPがすごく好きで、朝の掃除のときなんかに同年代の子たちと楽しく話しています!
志賀:あんまり殺伐とした雰囲気が好きじゃないので、女性スタッフたちがわちゃわちゃ話しているのは望んでいた姿なんですよね。基本的にはみんなのびのび働いているサロンです。締めるところは締めるけど。
まりえ:一緒に働いていて思うんですけれど、やっぱり志賀さんは、アニメや漫画、アイドルなどの知識の量と深さがハンパないです。お客さまが「知らないと思うんですけれど…」と切り出した話題も、大体知っているんですよね。
志賀:うん。大体のことは知っています。お客さまから知らない言葉が出てきたら、めちゃくちゃ悔しいんですよ。家でめっちゃ調べますもん。
まりえ:だからお客さまが驚いて感動しているんですよね。美容の技術だけではなく、接客で感動させているのがすごいです。あと、志賀さんは詳しいだけじゃなくて、サロンワーク中に歌ったり踊ったりしてより楽しませてくださるですよ。
志賀:なんかリズム刻んじゃうんですよね。初めてのお客さまはびっくりしちゃうかも。スタッフはみんな慣れているので、あたたかく見守ってくれているみたいです(笑)。
コスプレではなくオシャレに昇華するデザインを
編集部:2次元の推しキャラクターの髪色や髪型を、お客さまの髪で再現するのもすごいですよね。
志賀:そこはちょっと誤解があって、アニメキャラの髪色や髪型は人間界に落とし込んだら普通じゃないんですよね。そのまま再現しようとすると、コスプレになってしまう。それでは僕はいやなんですよ。コスプレではなく、オシャレに昇華したいんですよね。
秋葉原や中野、池袋にあるサロンならコスプレっぽいヘアが喜ばれるかもしれない。けれど、ここ渋谷・原宿でやるのなら、髪を推しに寄せた後も、自信を持ってこのエリアでお買い物もできるくらいのオシャレなものにしたい。ちゃんとトレンドも取り入れているんですよね。
編集部:推しに近づくためのカラーサロンではないんですね。
志賀:みんなカラーが好きですけれど、ブランディングとして二次元を打ち出しているという感じですね。
アニメもアイドルも声優さんもそうなんですけれど、毎週何かしらのイベントがあるんですよ。そのイベントに参加することを目標にして、髪を仕上げていくお客さまもいます。
たとえば、数ヶ月かけて複数回ブリーチして、イベントの直前に最高の状態にしていくという感じです。
志賀:お客さまもそれぞれ好きなものが違うから、同じようなオーダーが集中することもないし、僕も楽しくやらせてもらっています。以前、鬼滅の刃が流行ったときみたいに大バズりしたコンテンツがあると、そればっかりになることもありますけれどね。
オシャレな中国人留学生にも人気!
まりえ:中国のインフルエンサーの子が来てくれたおかげで、中国人留学生の子たちがたくさんお店に来てくれるようになりました。中国には中国人向けのSNSがあるんですよ。小紅書っていうんですけれど。そのタグの影響も大きいです。
編集部:中国語は話せるんですか?
まりえ:日本語を勉強している子たちなので、そこは心配ありません。志賀さんのお客さんも中国から来るんですが、結構日本語を話せるんですよ。アニメで勉強するそうです。
志賀:渋谷に訪れる外国人はたくさんいますし、ジャパニーズカルチャーは人気があるので、いきなり「今から切れる?」と入ってくる人もいます。どうやら、どこかの国の観光ガイドに掲載されているようなんですよね。掲載許可をした記憶はないんですけれど(笑)。
編集部:世界にその名が知られているサロンなんですね。お店を増やすつもりはないんですか?
志賀:大衆に受けるサロンづくりより、一人ひとりにフォーカスするサロンにしたいんです。目指しているのは、ナンバーワンじゃなくてオンリーワンなんですよ。大きな事業をしたいとか、美容業界で有名になりたいとかじゃない。
志賀:とはいえ、お客さまに迷惑をかけたくないし、スタッフが成長できるサロンでありたいから、拡張移転は考えています。今入っているビルに空きが出たら、そこも借りたい。ビルを1棟使いたいという野望はあります。
僕はもともと目立ちたがり屋で、美容師じゃなかったらアイドルとか人前に出る仕事がしたいと思っていたんですよ。でもここまで美容師を続けてきて、スタッフも増えていく中で、少しずつ考え方が変わってきました。スタッフのみんながフィーチャーされる環境をつくりたいなって本気で思っています。
志賀 尚之(しが なおゆき)
神奈川県出身。住田美容専門学校卒。都内1店舗を経て、2015年4月に「Wille」を設立。アニメのキャラクターをモチーフにしたカラフルなカラーデザイン「2.5Dカラー」がSNSで好評。アニメファンから多数の支持を得る美容師。アニメと美容室を掛け合わせた新しい試みを展開している。各誌面での撮影や、全国各地でのセミナー講師も務めている。
まりえ
エビスビューティカレッジ卒業。美容専門学校時代から志賀さんの「2.5Dカラー」に憧れて、都内1店舗を経てWilleにジョイン。上質なハイトーン、カラフルな推しカラー、デザインカラーが得意。巻かなくても可愛いレイヤーカットをウリにしている。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Writer外山 武史(とやま たけし)
SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!
Photographerトカジ ショウタ
人気美容師として活動する一方で、写真&映像クリエイターとして活躍中。サロンのIV/CM/コーポレートビデオ、芸能事務所のMVなども手掛け、業界から注目される。