美容エディター注目の次世代美容師のパイオニア! iki omotesando MEG×美容エディター/桑名真理子−Find a STAR☆第25回−
bangs特集記事の編集担当にして、1600名以上の人気美容師を取材してきた美容エディターの桑名真理子が、今後の美容業界を担う NextStar美容師を直撃! 美容師としての歩みやこれからの野望、美容業界に対して伝えたいことや改革したいことを聞きます。
第25回目は、今年スタイリストデビューをするやいなや、海外ヘアを武器にメディアやヘアショーへの出演など、活躍が目覚ましいiki omotesandoのMEGさんが登場! スレンダーな出立ちでクールな印象がありながら、とっても気さくで親しみのあるギャップが魅力的な彼女。海外のトレンドを研究して生み出されるバレイヤージュデザインが定評で、一時帰国中に予約する海外住まいのお客さまもいらっしゃるとか! そんなMEGさんのこれまでの歩みやストロングポイント、これからの展望を伺いました。
SPECIAL CONTENTS
2024.08.31
MEGさんってこんな人!
iki omotesando /MEG
国際文化理容美容専門学校卒業後、ikiの新卒第一号として入社。L.A風のバレイヤージュデザインなど海外ヘアを得意とし、海外のファッションやヘアメイクに感度を持つ女性から支持を集め、一躍人気スタイリストへ。技術力はもちろんのことファッショナブルな出立ちと思いやりに溢れるお人柄が魅力。今年4月にスタイリストデビューを果たし、ヘアショーやメディア出演などさまざまなフィールドで活動中。
第一目標は、母を超えたい! 決意の裏にあるMEGの想いとは?
桑名真理子(以下、桑名):MEGさん、お久しぶりです! YouTubeチャンネル『Z美容師の虹』に私が出演していたときにMEGさんと出会いましたね。
MEG:桑名さん、ずっとこの日を夢見てました! 出会ってころはアシスタントだったので「一人前になったら絶対に取材してもらうんだ!」と、夢見てたんです。
桑名:現場でお会いするたびに、熱意を伝えてくれましたよね。MEGさんはスレンダー美女でスタイリッシュな雰囲気でありながら、中身はガッツがあって目標に対してパワフルに取り組んでいる姿がとっても魅力的! 自然と応援したくなる人だなって当時から思っていました。
MEG:とっても嬉しいです! オファーいただいてからこの日をずっとワクワクしてました。当日は緊張するかと思ったんですが、妙に安心感があります(笑)。
桑名:(笑)。MEGさんは周りの人の心をほぐす優しさがあって、私もリラックスして取材しています。MEGさんのルーツを伺いたいのですが、MEGさんが美容師になったきっかけって?
MEG:母親の影響です。私を産むまで母は美容師をしていたんですよ。20代前半で店長になり、10年間ほど活躍していたそうです。家庭に入ってからも家族の髪を切ったり、カラーを塗っているのを手伝いながら見ていて、純粋にカッコいいなと感じてました。
中学生になって両親から将来の進路を聞かれて「私も美容師になりたい!」と。その当時から、私の第一目標は『カッコいい母を越える!』なんです。
桑名:美容師をしているお母さまの影響だったんですね。同じ道を選ぶことに、どんな反応でしたか?
MEG:「本当になるの? 大変だよ」と最初はやんわり反対されましたね。過酷なことを知っているからこそ、娘にできるのか心配だったんだと思います。
MEG:それでも諦められず話し合いを重ねたら熱意が伝わったようで、今ではすごく応援してくれています。夢が明確だったので、高等専門学校に進もうと考えていたら、その道を歩んだ母から「夢を追うのもいいけど、学生らしく興味のあることや好きなことだけをする時期があってもいいんじゃない?」とアドバイスを受け、普通科の高校に通いました。
桑名:高校生活はどんなことに夢中になったんですか?
MEG:昔から音楽が大好きで、幼少期からピアノを習っていたり、中学は吹奏楽部でチューバを担当しつつ独学でベースを習得し、高校はバンドを組んでいました。イギリス系バンドが好きなので、アーティストを追っかけてライブを見に全国飛び回ったりもして、本当に楽しい毎日でした。
桑名:充実した高校生活を経て、専門学校はいかがでしたか?
MEG:クラスメイトの個性が強くて、毎日賑やかでおもしろかったです。同じ夢を追いかけている者同士、不思議と団結力がありましたね。ただ一度、卒業間際にズタボロになってしまったときがあって。
MEG:母校には卒業記念発表会があり、そのカットステージの担当に抜擢され、衣装やヘアメイク、フォーメーションなど全てディレクションすることになりました。それと並行して国試の勉強もありなかなか睡眠が取れなかったり、卒業前で将来への不安もあり、心身共に追い込まれてしまったんです。
「もう、無理だ…」と教室を抜け出したところに副担任が追いかけてきてくれて。「全部一人で抱え込まなくていいんだよ。MEGには仲間がいるし、大丈夫!」と親身に話を聞いて励ましてもらいました。この経験のおかげで、誰かに助けを求めたり、協力を仰いだり、役割を分担して人にお任せしてもいいことを学びましたね。この考えは美容師になってからも仕事にいきています。
スタイリスト全員の専属アシスタントを経たことで、オリジナリティーが生まれた
桑名:MEGさんはikiの看板娘のような印象ですが、入社した経緯は何だったんですか?
MEG:就活中に受けていたサロンから出る新店舗の代表がTENDOで、当時、通っていたスタイリストからikiの話を聞いたのが、最初のきっかけです。ハンサムショートの生みの親であるTENDOは当時から注目されていて、TENDOが率いるサロンってどんな感じだろうと興味が湧きました。実際にお会いしてみて、ますます入社したい気持ちが高まり、ikiの新卒第一号として入社しました。
桑名:アシスタント時代は振り返ると、どうでしたか?
MEG:得意分野の違う個性的なスタイリストに全員専属アシスタントとして担当させていただいたき、それぞれの技術やマインドを身近で感じることができた貴重な3年間でした。
TENDOには、桑名さんとお会いしたZ美容師の虹などの外部仕事をする心得やリーダーとしてのスタンスを見させていただき、ディレクターのみつゆからは熱心にスタッフを育てる姿勢、トップスタイリストのAOIからは女性美容師ならではの接客や輝き方などを勉強させていただきました。仕事に誇りを持つ先輩たちのよさを全力で吸収し、そこから自分のオリジナリティーを生み出せたように思います。
MEG:先輩の後に続きたくて、2022年の年末にデビューを目標にしていたのですが、一回目の試験ではまさかの不合格で…。一発合格を思い描いてたので、かなり落ち込見ましたね。
骨格や髪質などをきちんと見抜くことができず、お客さんにマッチする技術も未熟で経験不足だったのが要因だと思います。チェックとはいえお客さまだと思って施すべきなのに、試験を受けているような姿勢が抜けきれていませんでした。
MEG:落ち込む私を見て、トップスタイリストのAOIが「次こそ合格できるように、ヘアも衣装もMEGらしさ全開でばっちり決めな!」と勇気づけてくれて…。そこでもう一度気合を入れ直し、事前にバレイヤージュを仕込み、モデルさんと当日のファッションイメージを共有して準備万端で臨みました。MEG流ハンサムショートを考案し本番に挑んだところ、合格! 2023年4月にデビューしました。
桑名:デビューまでにそんな紆余曲折あったのですね。スタイリストになってからがまた新たなスタートですが、どう打ち出していきましたか?
MEG:私はしゃべっている姿が一番らしさや強みが伝わると思い、デビュー前からSNSでカウンセリング動画をあげていたところ、反響が出ました。代表からも明るい雰囲気やキャラクターを前面に出した方がいいとアドバイスを受け、SNSではヘアスタイルだけではなく、お客さまと接している姿を投稿しています。
桑名:私もMEGさんの元気でエネルギッシュなところに魅力を感じます! お客さまはどんな方がいらっしゃいますか?
MEG:海外ヘアを得意としているので、海外のファッションやトレンドが好きな人、海外に住んだことのある方や、留学されている学生さん、一時帰国のタイミングで来てくださるお客さまもいらっしゃいます。
桑名:いつかMEGさんも海外へ行きたい気持ちはありますか?
MEG:そうですね。海外での働き方やお客さまの髪質や技術などしっかり勉強して、リアル海外トレンドヘアを日本に下すことが夢の一つです。代表も応援してくれているので20代のうちに行けたらいいですね。そのためもデビューしたばかりの今はしっかり日本で結果を出したいです。
桑名:MEGさんがどんどんBIGになっていく気がしてなりません! 夢が明確で芯のある女性…カッコいいです。
MEG:周りの人のおかげです。私の周りは夢を持って突き進んでいる人が多いので、会うたびに語り合って、刺激をいただいてます。
海外ヘアの女子美容師として、唯一無二の存在になりたい
桑名:MEGさんが手がけた海外ヘアの中で、特に人気のスタイルが知りたいです!
MEG:このバレイヤージュがとても好評です。
MEG:ハイトーンでコントラストのイメージが強いバレイヤージュですが、これは中明度のベージュやブラウン系で仕上げています。日本人の肌に馴染みやすくナチュラルに仕上がるので、挑戦しやすいのも人気の理由ですね。
MEG:こちらのスタイルは、前髪と顔まわりのカラーを特にこだわりました。細いハイライトを入れることで雰囲気がパッと明るくなり、海外アーティストやモデルさんのようなおしゃれさがプラス! 動きがキレイに見えるようにレイヤーカットに合わせてカラーを入れ、スタイリングしました。
桑名:接客面でどんなことを大切にしてますか?
MEG:お客さまのライフスタイルに寄り添った接客を心がけています。海外ヘアを得意とする美容師さんは男性が多い中で、なぜ女性美容師である私を選んでくれているのかお客さまに聞いてみたことがあるんです。すると「とっても明るくて親身になってくれるので話しやすい」「女性ならではの悩みを共有できて安心する」という回答だったんです。同性である強みや絆が生まれていて嬉しかったですね。私自身もお客さまに相談したり教えていただくことも多く、感謝しています。
桑名:素敵な関係性ですね。今はアシスタントさんをマネジメントしていく立場かと思いますが、どのような関係を作り上げてますか?
MEG:初めて専属アシススタントがつくことになり、手探りな点も多いですが、後輩が話しやすい存在でいることを心がけています。
困ったときに聞きづらい環境だと辛いと思うので、私から「大丈夫?」と話しかけに行くなど、親しみやすい関係性で働いてもらえたらベストです。レッスンもできる限り見ますし、お客さんのことも共有して息の合ったリレーションを目指しています。実は今日も取材があるからおいでと専属アシスタントのみずきに声をかけました。
桑名:仲の良さが笑顔に表れてます。MEGさんは今後、どんな美容師として活躍していきたいですか?
MEG:今でこそ女性美容師さんが活躍しているシーンをメディアなどで見ることができますが、男性と比べるとまだ少ないかなと感じています。私の活躍を通して女性でもさまざまなフィルドで輝けることを証明していきたいです。
先月は、CHANGE YOUR LIFE! 2023のヘアショーを任せていただき、最近デビューしたアンナと二人で挑みました。私たちの大好きな世界観で溢れるステージにしたく、海外のパーティをテーマにヘアが美しくなると女性は一気に輝き出すことを表現しました。
MEG:これからも女性がより輝く海外ヘアスタイルを発信していけたらいいですね。海外のリアルスタイルを研究し、アジア人のヘアでも海外ヘアが似合わせられる唯一無二の存在になりたいです。「海外ヘアの女子美容師いえば、MEG」と認識してもらえるよう、これからも精進します!
桑名:夢を熱く語っているMEGさんのキラキラした表情が、いつも私は大好きです! これからもずっと応援してます!
MEG
国際文化理容美容専門学校卒業後、ikiの新卒第一号として入社。L.A風のバレイヤージュデザインなど海外ヘアを得意とし、海外のファッションやヘアメイクの感度を持つ女性から支持を集め、一躍人気スタイリストへ。技術力はもちろんのことファッショナブルな出立ちと思いやりに溢れるお人柄が魅力。今年4月にスタイリストデビューを果たし、ヘアショーやメディア出演などさまざまなフィールドで活動中。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Photographerトカジ ショウタ
人気美容師として活動する一方で、写真&映像クリエイターとして活躍中。サロンのIV/CM/コーポレートビデオ、芸能事務所のMVなども手掛け、業界から注目される。