人気美容師の『心技体』を紐解く!「パフォーマンスアップメソッド」-NNN/NOBUさん-
美容師の仕事のパフォーマンスを最大限発揮するためには、心と体、そして技術を常に磨き続ける必要があります。プロフェッショナルな人気美容師さんは、そんな『心技体』のバランスを整えるために、どんなことを行っているのでしょうか?
今回は、サロンワークを中心に、ヘアショー・撮影、セミナーなどの仕事も数多くこなし、ALBUMを日本一にするなど新しい時代を切り開いてきたNNNプロデューサー/NOBUさんの内面にフォーカス。『心技体』でそれぞれどんなことを心がけているのか、教えていただきます。
SPECIAL CONTENTS
2024.02.13
NOBUさんってこんな人!
NNNプロデューサー
NOBU
大阪府出身。ル・トーア東亜美容専門学校卒。大阪と東京のサロンで経験を積み、2014年ALBUMのプロデューサーとして活躍後、2021年12月にNNNをオープン。美容学校生のころから既存のルールにとらわれず、独自の手法で技術を高め、売り上げ、集客ともに伸ばしてきた実力者。サロンワークのほか、雑誌の撮影やショーのヘア・メイクの仕事も数多くこなしている。
【心】 人生で、落ち込んだことがない。『行動』してたら余計なことを考えずに済む。
―安定したメンタルを保つために、日々心がけていることはありますか?
仕事のパフォーマンスを高めるために、私生活はルーティンを決めています。例えば、家にあるものは全て7つで揃えてるんですよ。冷蔵庫には水7本、お茶7本がキレイに並んでいます。
ちなみに、タオルも靴下も下着も7着。7つのルールは、ここ10年以上続けていますね。一週間の終わりになくなるので、在庫を見て補充します。
銘柄も決めていて、お茶はおーいお茶の濃いやつ、コーヒーは微糖しか飲みません。
家を常にキレイな状態にしたいので、ベットシーツや枕カバー、飼っている猫のトイレシートもこまめに替えるようにしています。愛猫の名前は、このぶ。スタッフもよく遊びにきて可愛がってもらってます。
―もし気分が沈んでしまったら、どんなふうに回復していますか?
今まで生きてきて、落ち込んだことがないんですよ。しいていうなら…失恋くらいかな(笑)。何かあったとしても、1分くらいメンタルが若干低下するくらい。幼少期から柔道に打ち込んでいて悩んで立ち止まる時間もなく、美容師になってもずっと動き回っているので、「行動」することで余計なことを考えずに済んでいるのかもしれません。
―NOBUさんにとってメンターのような存在の方はいらっしゃいますか?
人との絆を大事にしていて、出会う先々の全ての皆さんですね。一人では仕事は務まりませんから、特にスタッフには感謝しています。現在NNNには4名のスタッフがいますが、採用の決め手は気配りができること、そして人が好きなこと。たとえ技術が追いつかなくても、気配りとコミュニケーションは意識次第でみんなができることです。例えばカウンセリングシートに「静かに過ごしたい」と書いてあっても、何かしらのコミュニケーションをはかるよう指導しています。ハードルがあるほど、会話の糸口を考える練習になりますので。
教育は時代に合わせて変えていますが、ずっと言い続けていることが一つあって、それは『感謝をする』こと。してもらったことを当たり前に思わず、ありがとうと言えて、感謝の気持ちを持ち続けてほしいですね。
【技】 若い世代と同じ感情を体感し、ヘアデザインに取り入れる
―常に生み出すヘアスタイルが注目されるNOBUさん。日頃どんなことを心がけていますか?
10〜20代のお客さまから流行っているものを聞いて、最新トレンドを吸収しています。おすすめされたドラマや音楽はチェックして、若い世代と同じ感情を経験するようにしています。親世代のお客さまは子供に感化されてトレンドに敏感なので、接客にも良い作用があるんですよ。流行っているものから感化されてヘアデザインに落とし込むこともあります。僕のコンセプトは“オンナカッコイイ”スタイルを打ち出していて、そこにトレンド要素を程よくミックスしてますね。
美容師になって20年以上になりますが、ハサミ置きたいと思ったことは一ミリもありませんね。もっと、さらに上手くなりたい欲求が、まだまだ止まりません。
―最近、力を入れている取り組みはありますか?
前からエステ業界に興味があり、エステのスペシャリストであり僕のお客さまの久保田由花子先生とコラボ商品を作りました。エステの施術は、肌の調子を整えたりリフトアップや若返りを促進するなど『育てる美容』のイメージがあります。その良さを美容室にも取り入れて体験できないかなと思っていたところ、ドライスパで使用できるものがいいと閃きました。
久保田先生と先進の美容成分で注目されているエクソソームは取り入れたいねと話してて、開発したのがAWA EXOSOME。インナービューティーの先駆者でもあるエステプロ・ラボさんに開発をしていただき、業界をまたいでタッグを組んだことにも注目していただいてます。
席に座ったままでも施術が受けられるよう泡になっていて、炭酸が溶け込んだ泡が心地いいと評判です。頭皮をほぐすと髪にハリコシを与え、またスキンケアとしても使用できるので、潤いのある肌へ導きます。
他には、時短カットや集客方法、売上アップなど営業に関係するノウハウセミナーをよくご依頼いただくのですが、そこではトークをすごく大切にしてますね。せっかく来ていただいたからには明日からのやる気につながるような言葉をかけたいですから。松岡修造さんみたいに鼓舞して、元気を与えれられるように意識してます。翌日から取り入れられそうなことなど、すぐ行動に移せることを重点的に伝えるようにしていますね。
【体】成功にすがったら落ちるだけ。達成したら新しい道へ進む
―美容師の仕事は体が資本ですが、健康でいるために大切にしていることは?
睡眠ですね。何も予定がなければ、10時半にはベッドの中にます。ここ最近は飲みに行くこともだいふ減り、おうちでゆっくりする日が増えました。仕事のパフォーマンスが第一優先なので、良いコンディションが保てていますね。
家での過ごし方は、ポケモンカードにハマってます。バトルをするのも好きですがデッキシールド(カードの保護袋)に入れて、属性を仕訳している時間が至福です。美容師にもハマってる仲間がいて、一緒にバトルすることもありますね。
―体調を整えるために、食事で気をつけていることはありますか?
エネルギー源となるお米をよく食べるようにしています。朝からおにぎり3つ、昼はUber eatsでカレーなど頼んでお米を摂っていますね。
夜は自炊することも多いです。先日は昆布から出汁を取って鍋を作りました。翌日は中華麺を入れて、鍋をアレンジ。料理は得意なので、自炊は苦ではありません。
―NOBUさんの行動力の源は?
常に新しいことをしていたいので、思ったのと同時に動き出すようにしてます。成功にすがったら落ちていくだけなので、一つ達成したら次の新しいことに向かってすぐ動きます。例えば雑誌が支流の時代は技術を証明するタイトルを獲って載せてもらえるように行動したり、業務委託ブームのときは所属するサロンを7年連続一位にするなど、時代に沿って常に先端を走ってきました。
国内でやれることは達成したので、今はインバウンドの影響を待つのではなく、海外の仕事を取りにいっています。さまざまなメーカーのアンバサダーをさせていただいてるおかげで、ただ技術を教えに行くだけでなく、日本のいいものや海外でも反響のあるプロダクトを伝えることを大切にしています。
古いことわざに「10代は自分のため、20代は家族のため、30代は会社のため、40代は社会のため」という言葉があると聞いたとき、すごくハッとしました。まさに自分の人生はその言葉の通りに動くことができています。これからも攻めの姿勢を大事にして、自らの行動で美容道を開進していきたいですね。
NOBU
東京都出身。大阪府出身。ル・トーア東亜美容専門学校卒。大阪と東京のサロンで経験を積み、2014年ALBUMのプロデューサーとして活躍後、2021年12月にNNNをオープン。美容学校生のころから既存のルールにとらわれず、独自の手法で技術を高め、売り上げ、集客ともに伸ばしてきた実力者。サロンワークのほか、雑誌の撮影やショーのヘア・メイクの仕事も数多くこなしている。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。