どのヘアスタイルもパーフェクト美容師! 枝村仁ヘアスタイリスト図鑑!【前編】

「三度の飯よりボブが好き」を座右の銘に、確固たるカット技術で教育のパイオニアとして活躍されている枝村仁さん。オンラインサロンの運営や、日本全国を駆け回って講師活動をされるなど美容改革教育者として日々邁進されています。今回はそんな枝村さんに、これまでのキャリアや教育への思いを前後編でお届け! 前編は、教育の重要性を感じたきっかけや美容師として大切にしていることをお伺いしました。ぜひ最後までご覧ください!

SPECIAL CONTENTS

2024.03.21

INDEX
目 次

枝村仁さんってこんな人

枝村 仁(えだむら じん)

茨城県出身。理容室を営む両親と美容師の姉からの影響で、美容の道へ。高校卒業後に山野美容専門学校の通信科へ進学と同時に埼玉県内のサロンへ入社。15年間の勤務の中で教育やマネジメントまで経験。2016年にフリーランスとして越谷のサロンで働き始める。埼玉でサロンワークをしながら、セミナー講師やオンラインサロン「JIN’s BASIC CUT ACADEMY」運営、認定講師の輩出などさまざまな活動をしている。著書に『最短距離で切れるベーシックカット』『脱感覚 セニングのすべて』(髪書房)がある。

10年以上続けた野球。美容師として基盤となった、とある挫折

ー 美容教育改革者として業界から注目を集める枝村さん。そもそも美容師の道を選んだきっかけは?

両親は地元の茨城で床屋を営んでいて、幼いころから理容の仕事を間近で見ていました。このまま両親と同じ道を進むのかなと思っていましたが、6歳上の姉は美容師になり、髪を切ってもらいながら理容師とはまた違った世界に魅力を感じたんですよね。

僕自身も高校の友だちの髪を切ったりして楽しくなり、美容師を志すようになりました。それまでは野球一本でしたね。小学校から高校まで野球漬けの毎日でした。

ー 10年以上も野球をされていたんですね! 野球の経験が今の仕事に活かされていることは?

物事を俯瞰して視野を広く持てるようになりました。そのきっかけは、挫折。というのも1年生のときはすぐにレギュラーになり順風満帆でしたが、2年生でレギュラーから外されまして…。それ以降、監督の隣でスコアを付けていたんです。試合展開や作戦などいろいろと監督が教えてくださったおかげで、プレイヤーとは別の客観的な視点を身につけました。

スコアの記録や監督に教わったことなどをノートにとるようになってから『書くこと』の重要性も学びましたね。今もスケッチブックに叶えたい目標やマインドマップを書いています。時間の使い方が上手くなったり、目標が叶いやすくなる感覚がありますね。

実際中学3年までレギュラーになれずに終わりましたが「お前は高校で伸びる」と監督から言われた通り、高校では3年間レギュラー。監督の横で書くことの大切さや物事を俯瞰して見ることがプラスになった証拠ですね。そう考えると、野球は僕の基盤を形成してくれた一番のルーツといっても過言ではないです。

コロナ禍でのピンチを救った、教育の新境地。

ー 同業者から一目置かれている枝村さん。美容師として頭角を現したきっかけは?

コロナ禍で始めたオンラインセミナーやサロンが伸びていき、同時にインスタのフォロワーも増えて認知や活動の場も広がっていきましたね。

コロナ前も年に60回ほどセミナーをしていたのですが、コロナ禍でその先の予定が見えなくなり…。どうしようかといろいろ調べていたところ、zoomで配信できることを知りました。それですぐにビデオカメラとリンクハブ、三脚など必要機材を購入し、手探りでオンラインセミナーを準備。申し込みフォームも自分で作ってInstagramで募集したところ、おかげさまで20名ほど集まったんです。

料金設定もよくわからなかったのでまずは一本1000円でスタート。すると毎週動画をあげるたびに視聴してくださったので、週一回で4000円よりも1ヶ月で3000円の方がお得感があるかなと思い、サブスクを導入しました。

いろいろ勉強しているとインスタライブや、YouTubeなどもzoomとは違ったメリットがあり、さまざまな配信方法をチャレンジしましたね。

僕は、自分でやってみないと気が済まない性分。何事も体感したいので、まずはやってみる。ちなみにホームページも自作しました。自分が発注する側になることもありますが、ある程度の知識や経験があって依頼するのと知らないままお願いするのとではオーダーの仕方や仕上がりも違うんですよ。

ー自分でやってみる行動力が大事なんですね。オンラインサロンはどのように展開していきましたか?

当時Instagramのフォロワーは1500名ほどしかいませんでしたが、それでも募集するとオンラインサロンに150名ほど入ってくれたんです。元々深く繋がってファン化させたいと動いていたのでエンゲージメントが高いのが僕の武器の一つ。その時期はフリーランス美容師が増えて学びの場が外に必要になると予想していたので、ニーズは絶対あると思ってやり初めたら、当たりました。

今はレディース、メンズのカット技術のオンラインサロンと、吉田牧人(Lond代表)さん・高安亮介(freera代表)さんと「お金の教室」やっています。「美容師さんのマネーリテラシーをあげたいね」と意見が一致し、店舗展開やサロンブランディングが異なる3人それぞれの視点から学びを深めらる学校です。

ゲストを呼んで昔のルーツ伺ったりすると、当時はボロボロの靴で雨の日はビニール袋をつけて履いていた…というような苦労話も聞けて、どんな成功者も大変な時期があるから自分も踏ん張ろう!と、励みなりますね。現在オンラインサロンは全部で1000名ほど参加しています。

ーオンラインサロンの人気もすごいですが、 開催するセミナーも大盛況ですね。

おかげさまで昨年は、過去最高の150本ほどオフラインのセミナーをやりました。1月に10本ペースでやってる感じです。2021年に出版した『最短距離で切れるベーシックカット』の付属に47都道府県セミナーツアーチケットをつけたのですが、実際に一昨年周ってみて、ニーズや反響を肌で感じまして。それで昨年も全国各地を周りました。今年も9月までは埋まっていて、おそらく同じくらいの数をやることになりそうですね。

ー 年間150本のセミナーをやってみて、感じたことはありますか?

どこのエリアにも学ぶ意欲に溢れた人たちが集まるということですね。地方に行くと「仁さんがせっかく来て教えてくれる」とものすごい熱量でセミナーを受けてくれます。また限られた時間の中で受講してくださるママ美容師さんたちの熱意も、すごい! 3年近く受講しているリピーターの中には、どんな話し方をすると相手に伝わるかなど講師側のスタンスも勉強しにきてくださっています。そんなニーズを感じて教育を美容師のセカンドキャリアにできたらと、教育できる人を育てるアカデミーを作りました。

− 後編では、枝村さんが運営するアカデミーの話やボブに対するこだわり、また教育の可能性にフューチャー!お楽しみに!

PROFILE
プロフィール
枝村 仁

枝村 仁(えだむら じん)

茨城県出身。理容室を営む両親と美容師の姉からの影響で、美容の道へ。高校卒業後に山野美容専門学校の通信科に進学と同時に埼玉県内の大型店へ入社。15年間の勤務の中で教育やマネジメントまで経験。2016年に独立。埼玉でサロンワークをしながら、セミナー講師やオンラインサロン「JIN’s BASIC A CADEMY」運営、認定講師の輩出などさまざまな活動をしている。著書に『最短距離で切れるベーシックカット』『脱感覚 セニングのすべて』(髪書房)がある。

EDIT
編集
桑名 真理子

Director桑名 真理子(くわな まりこ)

メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。

トカジ ショウタ

Photographerトカジ ショウタ

人気美容師として活動する一方で、写真&映像クリエイターとして活躍中。サロンのIV/CM/コーポレートビデオ、芸能事務所のMVなども手掛け、業界から注目される。