美容エディター注目の次世代美容師のパイオニア! GARTE SHUNJI×美容エディター/桑名真理子−Find a STAR☆第28回−
1600名以上の人気美容師を取材してきた美容エディターの桑名真理子が、今後の美容業界を担う NextStar美容師を直撃! 美容師としての歩みやこれからの野望、美容業界に対して伝えたいことや改革したいことを伺います。
第28回目は、有名サロンGARTEの期待のホープであり、ウルフヘアなどその技術力の高さで数々のコンテストで入賞をしているGARTE SHUNJIさんが登場! SHUNJIさんのこれまでの歩みやストロングポイント、これからの展望を伺いました。
SPECIAL CONTENTS
2024.08.28
SHUNJIさんってこんな人!
GARTE
スタイリスト/ SHUNJI
茨城県出身。ベルエポック美容専門学校卒業。在学中から参加したGARTE塾では成績優秀者となり、GARTE入社後すぐに新店舗の店長に抜擢された期待のホープ。ベルエポック全国大会でグランプリ、PEEK-A-BOOフォトコンテスト敢闘賞、AREA CIRCUIT 2021年グランプリ、2022年 U25特別賞などのタイトルを獲得。その技術力を武器に現在はセミナー講師としても活躍中。
「誰にでもできるけど、誰もやらないこと」で、爪痕を残す
桑名真理子(以下、桑名):SHUNJIさんとお会いしたのは、新卒向けのイベントでしたね。GARTEさんに入社が決まっていて、内定までの経緯を美容学生さんにお話しされていて。
SHUNJI:学生時代の最後の集大成が、あのリクルートイベントでしたね。GARTEは学生さんからも人気のあるサロンなので、僕の経験が就活生に役に立ったらいいなと壇上しました。
桑名:第一志望に合格するまで並々ならぬ努力をされていて、その熱意が印象的でした。そもそも、美容師になろうと思ったきっかけは?
SHUNJI:実は、高校2年生のときに好きだった人がきっかけです。その子が美容師か看護師になりたいと言っていたので、僕は美容師になろうと決めました。
桑名:なんと! 恋愛がきっかけだったとは。その方は、同じ道へ?
SHUNJI:いえ、別の業界へ行きました(苦笑)。
桑名:なんとも甘酸っぱいエピソード。GARTEさんに入りたいと思ったのもそのころ?
SHUNJI:はい。高校の友人が「カッコいい美容室があるよ」とGARTEを教えてくれて。高校生の僕にはGARTEのモードなオシャレ感に圧倒されました。そこから通い初めて、2回目で「入りたいです!」と伝えましたね。
代表のATSUTOSHIのカリスマ性が特にインパクトが大きかったたです。技術に関するハウツーがしっかりしていて、相手に伝わるように言語化ができて…感覚ではなく理論で学べそうだなと、心が動きました。
桑名:私も取材をさせていただくと、ATSUTOSHIさんの言語力に圧倒されますし、もっとお話を聞きたいと魅了されますね。
SHUNJI:今も代表からフィードバックを受けるたびに、深い学びがあります。僕が初めてお会いしたころ代表は20代前半、今の僕と同い年くらいだと考えるとより偉大だなと感じます。化け物です。
桑名:尊敬するATSUTOSHIさん率いるGARTEの内定をもらうために、どんな努力をしていましたか?
SHUNJI:カットやカラーなどGARTEの技術を学べる「GARTE塾」という制度があるんですが、学生のころから通って気合を入れて挑んでいました。GARTEに入社したい学生は大体来ますので、僕にとってはずっと面接を受けに行くような感じ。アピールの場だと考えていたので、印象に残るような工夫を試行錯誤しながらトライしましたね。
例えば、塾で学んだスタイルを家で復習がてらやってみて「もう一度切りました、アドバイスをお願いします」とDMを送ったり。ガツガツした体育会系の性格は、世代的に少なくなってきているので、インパクトは残せたかなと。
SHUNJI:他には、サロンへ来たときは必ずお手洗いをキレイにしていましたね。DMや掃除のように、誰でもできることをしっかりやることで、本気の姿勢を見せていました。
できる限り施術予約を最後にして、スタイリストとゆっくり話せる時間を狙って行ったりもしましたね。僕は、スタイリスト全員に切ってもらったんですよ。というのも、GARTEはスタイリスト全員で内定者を決めます。そのため全てのスタイリストとコミュニケーションを図れるように、あの手この手を考えてサロンやGARTE塾に2年間通い詰めました。それらのアピール作戦が功を奏して、内定へつながったのだと思います。
探究心を持ちアップデートし続ける。今年はロンドンに修行へ。
桑名:SHUNJIさんを初めて取材したころは、新卒入社してすぐに店長になられて、かなりセンセーショナルなデビューでしたよね。振り返ってみていかがですか?
SHUNJI:正直、当時の記憶がないくらい怒涛の日々でしたね。2020年に入社してコロナのロックダウンと同時に1ヶ月休みに入り、5月に営業が再開して6月から通常営業が始まったと思った矢先に、7月オープンの新店舗の店長に抜擢されました。
GARTE塾で成績優秀者として評価をいただいていたので、早くデビューしてサロンに貢献したいと思っていましたが、まさか入社してすぐ店長になるとは思っていなかったので本当にびっくりしました。
SHUNJI:アシスタント期間が短いので、誰かに教わる前にお客さまを接客することになり、トライアンドエラーを繰り返しながら手探りで独自のスタンスを築きましたね。美容師キャリアをスタートしてすぐ店長を経験する人を周りでも見たことなかったので、最初は戸惑いましたが、前例がない分やってやろうと前のめりでやっていました。
桑名:SHUNJIさんのキャリア形成は、当時の私も取材しながらすごくインパクトがありました。美容師として手応えを感じたのはいつごろですか?
SHUNJI:2年目の11月に初めて出場したコンテストがターニングポイントですね。それまでは代表の力やGARTEのブランドパワーで取材や撮影を受けさせてもらっていましたが、『AREA CIRCUIT』でグランプリを獲ってから、指名で仕事のオファーをいただけるようになりました。コンテストで結果を残せるようになって、一つの自信につながりましたね。
うちは全員が入賞を狙えるほどクリエイティブ力があるサロン。特に代表のスタイルは別格ですし、追いつきたい一心で今も日々研究しています。デザインを作った後はいつも代表にフィードバックをもらいにいくんですが毎回納得しますし、フィードバックを受けた後のスタイルの方がダントツかっこいいんですよ。代表の着眼点やセンスに脱帽です。
桑名:日々技術を追求をしているとのことですが、どんなことをしてますか?
SHUNJI:いろんなサロンに髪を切りに行ったり、セミナーへ行っています。勉強が好きで探究心が強いところが自分の長所ですね。今年の7月にもさらなる技術向上のため三週間ほどロンドンへ行ってきました。僕は学生時代からカットが好きで、それが美容師としての武器。カットの技術を進化し続けていきたいですね。
SHUNJI:いろんなサロンさんへ行くのは、それぞれ独自に作り上げてきた技術を体感できるから。サロンの流派に触れることで、こういう考え方や切り方があるんだと発見したことを自分のカットに落とし込んでいます。美容師を長く続けていくと飽きが出てくることもあるかもしれませんが、惰性でやるのは嫌なのでアップデートしながら楽しんでいきたいですね。
桑名:さまざまなクリエイティブは探究心から生まれてくるんですね。ちなみにSHUNJIさんの最近のイチオシスタイルは?
SHUNJI:新規のお客さまは99パーセント、ウルフスタイルをオーダーします。SNSを見てきてくださる方が多いですが、最近は集客サイトにも力を入れてスタイルを充実させているのでそちらを見てたくさんの方がいらっしゃいますね。ナチュラルなウルフから、デザインカラーと掛け合わせたものまでバリエーション豊富にウルフヘアを提案しています。
桑名:どのスタイルもセンス溢れる素敵なものばかりですね! お客さまはどういった方がいらっしゃいますか?
SHUNJI:20代を中心に下は中学生から、上は60代以降の方もいらっしゃいます。中学生なのに代官山の美容室まで来てもらうなんて、本当にありがたい限りです。学生さんやちょっとお堅めな職業の方もチャレンジしやすいナチュラルよりのウルフが特に人気です。
美容師が一丸となってコンテストに白熱する、ムーブメントを生み出したい
桑名:幅広い層のお客さまがSHUNJIさんを求めていらっしゃるんですね。接客において大切にしていることは?
SHUNJI:「はじめまして、今日はよろしくお願いします」と挨拶した際の返しで、お客さまのテンションや雰囲気が大体わかるので、それに合わせるようにしています。例えば「お願いします!」と元気よくきたら、こちらもハキハキと積極的に提案しますし、おとなしめの方には丁寧で落ち着きのあるトーンで寄り添うようにしています。お客さまにとってのベストが尽くせるのが一番ですから、僕はカメレオンのように柔軟に変化して対応しています。
桑名:SNSを見ていらっしゃるお客さまも多いとのことですが、運用する上でこだわりはありますか?
SHUNJI:SNSは正直なところ、得意な方ではないんですよ。僕自身をSNSに載せるのはどうしても恥ずかしい性分。技術にはこだわりもあるし自信があるのでスタイル一本で勝負しています。SNSやオンラインのコミュニケーションよりも、お客さまからのご紹介やサロンワークなど、オフラインの方が強いですね。
僕は、好きなものが見つかると一直線にハマっていくオタク気質なところがあって、ウルフをウリにして投稿しているのも同じようなカルチャーが好きそうな人が来そうだなと狙った節があります。映画や漫画、お笑いなんかも好きで芸人さんのネタとかも全部覚えるほどリピートして見ちゃいますね。芸人さんだと、東京03やバカリズムが好きで単独ライブにも足を運びます。ちょっとクセのある人間味溢れてるものが好きなんでしょうね。
桑名:24歳という若さで頭角をあらわしているSHUNJIさん。今後はどんな活動していきたいですか?
SHUNJI:同世代がもっとコンテストに興味を持つきっかけを作りたいですね。僕はコンテストが大好きなんですが、同じような熱量を持つ20代の美容師が少ないと感じています。
本来、美容師はサロンワークを通してお客さまを幸せにすることが仕事ですので、コンテストに必要性を感じない方の気持ちはわかります。ただせっかく自信を持って提供しているんだから、極めた技術を披露したら楽しくない?って僕は思うんですよね。実際、他の美容師さんの技術を間近で見ることができるので、そこが僕も楽しみの一つなんですよ。
桑名:勝敗がはっきりする怖さもあってコンテストに躊躇する方も多いように感じますが、SHUNJIさんはそういった怖さはないんですか?
SHUNJI:うーん、ないですね。というのも僕は自分のことをまだまだ未熟だと思ってるし、結果が出なくて当たり前だと思っています。だから負けてしまうかも…と怖くなることはあまりないですね。むしろ結果が出なかったときはいろんな人にアドバイスを聞くチャンスですし、次に活かそうと前向きに受け止めています。
僕は必ず獲りたいタイトルがあって、それはオフライン開催のAREA CIRCUITでのグランプリです。3年前に優勝したときはオンラインでしたし、2年前はオフラインでU25の特別賞をいただいたので、今度はオフラインで頂点に登り詰めたいんですよ。
SHUNJI:そのためにもコンテストや撮影などで生かせるクリエーションの感覚をより強化していきたいです。この前は有名なフォトグラファーさんの撮影会のお話を代表からいただいて、モデルさんなど何も用意してない中で「やります」と言いました。僕はめんどくさがり屋なのでちょっとでもやりたいと思ったものは一旦行動して、逃げられない環境を作るようにしています。「今日中にやります」など期限を設けて追い込むこともやりますね。
20代の美容師はSNS世代ですからフォロワー数などで競う機会はありますが、美容師は技術職ですしクリエーションでも勝負しようよ!って思います。クリエイティブな表現が苦手な方もいますが今はリアルスタイルよりのコンテストもありますし、ぜひ一度チャレンジしてほしいですね。
美容学校で開催するコンテストって無性に白熱するじゃないですか。そんなふうに美容師が一丸となって熱い盛り上がりしたい。コンテストのムーブメントを起こす火付け役になるためにも、まずは僕自身が挑戦者であり続け、結果を残していきます!
SHUNJI
茨城県出身。ベルエポック美容専門学校卒業。在学中から参加したGARTE塾では成績優秀者となり、GARTE入社後すぐに新店舗の店長に抜擢された期待のホープ。ベルエポック全国大会でグランプリ、PEEK-A-BOOフォトコンテスト敢闘賞、AREA CIRCUIT 2021年グランプリ、2022年 U25特別賞などのタイトルを獲得。その技術力を武器に現在はセミナー講師としても活躍中。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Photographerトカジ ショウタ
人気美容師として活動する一方で、写真&映像クリエイターとして活躍中。サロンのIV/CM/コーポレートビデオ、芸能事務所のMVなども手掛け、業界から注目される。