どのヘアスタイルもパーフェクト美容師! whyte浜本 忠勝スタイリスト図鑑!【後編】
原宿にあるヴィーガンビューティサロン&カフェ『whyte』。代表である浜本 忠勝さんは、環境のことだけでなく、心も身体もサスティナブルに、より自然に生きていくためのライフスタイルをさまざまな形で提案しています。今回はそんな浜本さんに、これまでの美容師キャリアやヘアデザインへの思い、サスティナブルな活動を前後編でお届け!後編は、浜本さんのターニングポイントやスタッフさんの魅力、今後の展望をお伺いしました。ぜひ前編と併せてご覧ください!
SPECIAL CONTENTS
2024.09.25
浜本 忠勝さんってこんな人
whyte/代表
浜本 忠勝(はまもと ただかつ)
神奈川県出身。国際文化理容美容専門学校渋谷校卒業。都内の有名サロンに勤めながら海外コレクションでヘアメイクを担当するなど頭角をあらわす。2018年8月にヴィーガンビューティーサロン&カフェ「whyte」をオープン。100%VEGANのノンフライドーナツ「VENUTS」を立ち上げる。環境のことだけでなく、心も身体もサスティナブルに、より自然に生きていくためのライフスタイルをさまざまな形で提案している。
後悔のないように、やりたいことをする。人生観を大きく変えた事故。
ー whyteのスタッフさんはどんな方がいらっしゃいますか?
現在は美容師が10名、カフェスタッフが6名在籍。多様性のある会社を目指しているので、サロン以外のことも応援できるような環境を用意しています。
実際にインテリアのお皿や小物を販売しているスタッフや、モデルやってる子もいますし、海外生活の経験を活かして活動をしている子もいるんですよ。美容師の枠を越えてやりたいことがあるなら、その取り組みをサポートしていきます。
ヘアスタイルもいい意味でデザインの統一性を持たせず、スタッフそれぞれが得意としているものを楽しんで表現してもらっています。
実は昨年、僕とディレクターの中島が事故をして、1ヶ月半ほどお店に立てない時期がありました。「ああ、やばい。人生が終わった」と思うほどの衝突でしたので、今こうして仕事を復帰し、取材を受けているのが奇跡に感じます。
不在の間スタッフも不安だったはずですがサロンを支えてくれて本当に感謝しています。whyteの絆が強固になりましたし、僕の人生にとっても大きなターニングポイントになりました。
ー 人生観を変える大きなできごとだったと思いますが、心境の変化などはありましたか?
最初は落ち込んでいたのですが、この状況をポジティブに考えたくてスポーツ選手が怪我をしてから復帰する動画を見ていたんですよ。すると、尊敬する選手たちはリハビリを懸命にして、今まで以上にパワーアップした姿になっていて。そこから刺激を受けて、僕も普通に戻るのではなくパワーアップして帰ろうと決意したんです。
まず僕が取り組んだのは、事故が起きて一週間後くらいからSNSで英語の投稿を始めました。気持ちは前向きなものの、全身打撲で両手首骨折して体調面が良くなかったので、その状況でできることを考えていたら、英語の勉強だ!と。
グローバルに活動の幅を広げる夢のためでもありますし、コロナが明けてきたときにインバウンドが復活してくる予想をしていたので、日頃から英語のスキルを上げたいと思っていました。美容師ができないこの状況は、絶好のチャンスでしたね。
事故から日常を少しずつ取り戻していくと、僕は生かされているという思いが強くなる日々です。だからやりたいことを先延ばしせずに、やっていきたい。
いつかやろうと思っていて行動を躊躇している矢先に、事故や天災などが起きるかもしれません。それは一番の後悔につながります。今まで以上にやりたいことを実際に行動していこうと感じたターニングポイントです。
マインドチェンジを起こせるきっかけを。新プロジェクトが始動
ー whyteさんは、日本にヴィーガンビューティの必要性を広めた伝道師。常に活動が注目されていますね。
おかげさまで少しずつヴィーガンやサスティナブルな知識は社会に浸透してきましたが、美容業界では一部の人が取り組んでいる印象があります。僕がその必要性を伝えていけたらいいですね。
実際、気候変動により気温が上がったり、異常気象の影響で食べ物の収穫が減るなど、すでに身の回りで実感している方も多いはず。また資源は有限ですから社会が持続していく上で、サスティナブルなライフスタイルも視野に入れてもらえるよう動いていけたらと思います。
今まで僕は美容業界外に向けた発信や企業とのコラボレーションをしてきて、お客さまやメディア関係者の方々に評価をいただきました。今後は美容業界に目を向けた活動をしていこうと動いています。
美容室は全国に約25万軒で美容師は55万人ほど、そこに通ってるお客さまの数も考えると、美容師や美容室が社会に与えるインパクトってすごく大きい。
美容業界にアクションを起こすことで、結果的に社会全体へ影響を与えられる可能性を感じ、「project one」というチームを立ち上げたんですよ。
ー なんと! 具体的にどんな活動を考えていますか?
いくつかあるプロジェクトの一つに、海洋保全に向けた取り組みを検討しています。
船の事故により石油が大量に海へ流れたり、産業から油を廃棄され海が汚染された際の処理に、実は髪の毛が利用されています。
もともと廃棄される髪の毛が海洋保全に貢献できるなら美容室も始めやすいですし、サスティナブルな取り組みへの大きい波紋が広がるかなと。
ヘアドネーションなどで髪を寄付する場合、一般的には31センチ以上とされていますが、オイルフェンスはもう少し短い髪も利用できます。ドネーション先として新しい選択肢につながるはずです。
ボランティアやドネーションというと少し固い印象になりがちですので、ポップにオシャレなトーンで打ち出したいと考えています。
こういったプロジェクトをやり始めることで、美容師さんがサスティナブルに興味関心を持ってくれたらいいですね。きっとサスティナブルの重要性を説明して回るよりも、プロジェクトを通してアクションしていただく方がマインドチェンジのきっかけになるのではないかと期待しています。 意識が変わるきっかけさえあれば、美容室もサスティナブルな商品を扱ってみようなど、自主的に変わっていくはず。このプロジェクトを通して意識改革のきっかけづくりになれたらいいですね。
浜本 忠勝(はまもと ただかつ)
神奈川県出身。国際文化理容美容専門学校渋谷校卒業。都内有名サロンに勤めながら海外コレクションでヘアメイクを担当。2018年8月にヴィーガンビューティーサロン&カフェ「whyte」をオープン。100%VEGANのノンフライドーナツ「VENUTS」を立ち上げる。環境のことだけでなく、心も身体もサスティナブルに、より自然に生きていくためのライフスタイルをさまざまな形で提案している。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Photographerトカジ ショウタ
人気美容師として活動する一方で、写真&映像クリエイターとして活躍中。サロンのIV/CM/コーポレートビデオ、芸能事務所のMVなども手掛け、業界から注目される。