次世代美容師のパイオニア!SUNVALLEYゆきや×美容エディター/桑名真理子-Find a STAR☆第30回-

1600名以上の人気美容師を取材してきた美容エディターの桑名真理子が、今後の美容業界を担う NextStar美容師を直撃 !

第30回目は、表参道の一等地に佇み、上質な大人が訪れる実力派サロン『SUNVALLEY』の副店長ゆきやさんが登場!清潔感のある再現性の高いメンズヘアを武器に、サロンワークのみならずヘアメイクでも大活躍中のゆきやさん。今回はそんなゆきやさんのこれまでの美容師としての歩みやストロングポイント、これからの展望を伺いました。

SPECIAL CONTENTS

2024.11.27

INDEX
目 次

ゆきやさんってこんな人

SUNVALLEY 副店長

ゆきや

東京都出身。四年制大学で水泳選手として活動後、日本理容美容専門学校へ進学。2018年5月SUNVALLEYのオープニングスタッフとして新卒入社。2022年8月にデビュー後、美容師とヘアメイクの二足の草鞋で幅広く活動をしている。清潔感のあるメンズカットを得意とし、再現性の高い確かな技術力でお客さまから支持されて一躍人気スタイリストへ。2023年6月から副店長に就任し、サロンの統括やスタッフ教育にも力を入れている。

「やりたいことは、全部やりなさい」。母の助言もあり大学で水泳選手をした後、美容の道へ。

桑名真理子(以下、桑名):ゆきやさんとの出会いは、代表の朝日光輝さんと私がお仕事でご一緒した際に、アシスタントとしていらしゃったんですよね。

ゆきや:はい。ヘアカラー剤の案件で桑名さんの髪にカラーを施すことになっていて、朝日と一緒に塗布させてもらいました。

桑名:ゆきやさんに施術していただいたとき、すごく安心感がありました。業界の二大巨頭である代表の朝日さんと渋谷謙太郎さんの元で磨かれたゆきやさんの確かな施術、今も覚えています。現在は副店長とのことですが、美容師キャリアは何年目ですか?

ゆきや:今年で7年目になりました。オープニングスタッフとして入社してから、SUNVALLEY一筋です。

桑名:ゆきやさんは実力派サロンでしっかり鍛錬されて、順当な道を歩まれている印象があります。手仕事人として必要なスキルやキャリアをコツコツと積み上げている姿に魅かれて、今回オファーしました。そもそも美容師になろうと思ったきっかけは?

ゆきや:小学生のころ水泳の選手コースで頑張っていて、コーチに紹介された練馬の美容室がきっかけですね。母と一緒に行っていたのですが、ふと「美容室から帰るとき、みんな笑顔でお店を出ていくな」と気がついて。子どもながらにやりがいのある仕事なんだろうなと、美容師に興味を持ちました。小学4年生のころですね。

桑名:水泳も真剣に取り組まれていたようですが、美容師の夢との葛藤はありましたか?

ゆきや:高校3年生のころ進学先を美容専門学校にするか大学にするか、すごく迷いました。小学生で水泳の全国大会に出場してから常にある程度の成績を残していたので、節目となる大学まではやりたいという思いがありました。

その気持ちを察したのか「やりたいことは全部やりなさい」と親から背中を押してもらって。学費は自分で払うことを約束し、大学に行ってから美容の道へ進むことを決めました。今は、働きながら大学の奨学金を払っています。

桑名:やりたいことが2つあるなら、どちらも全力で追うゆきやさん。素敵です! 

ゆきや:応援してくれる周囲の方に恵まれましたね。平泳ぎを専門として日本代表選手たちと切磋琢磨できた経験は、財産です。あと、とにかく体力がつきました。始発で大学へ向かって朝練して、授業受けた後も練習してをずっと繰り返す水泳漬けの日々でしたから。体力勝負の美容師の仕事を、フルスロットルで頑張れているは水泳のおかげです。

実は水泳と美容師って、共通点があるんですよ。それは、『結果がすぐ出て、わかりやすい』ところ。美容師はお客さまが帰るまでにキレイに仕上げることができたのか、満足していらっしゃるのかはっきりしますよね。水泳もタイムがはっきり出るので、すぐに結果が出ます。そういったことにモチベーションが上がる性分なのかもしれません。

美容師とヘアメイクの2本柱で、両方の良さを仕事に活かしていきたい

桑名:水泳をやり切って美容の道へシフトしたゆきやさん。学生時代はいかがでしたか?

ゆきや:練馬の美容室のオーナーが日本美容専門学校の卒業生だったので、僕もそこへ行こうと受験して入りました。

学生時代は真面目だったと思います。自分で学費を払っていたので、授業をサボるのはお金を無駄にすることになりますから。もともと勉強も嫌いじゃなかったので苦ではなかったですね。

昼間は学費を稼ぐため専門は夜間に通っていました。幅広い年齢層の同級生がいたり、マツエクをやるために来ている方などいろんな目的の人たちがいて楽しかったです。

桑名:新卒でSUNVALLEYさんに入社されていますが、どんなきっかけで?

ゆきや:表参道エリア一択でいろんなサロンをみていたのですが、なかなかピンと来なかったんです。給与や休日などの条件よりもフィーリングを優先して探していたのですが、なかなか見つからなくて…。

すると、SUNVALLEYがオープンすると友だちから教えてもらったんですよ。お店の場所は表参道の一等地、高級感のあるサロンの雰囲気や代表たちの活躍など直感的に魅かれて応募しました。ただ、オープンが卒業後の5月を予定していて、実際のお店はまだできていなかったのでスリリングな選択でしたね。

桑名:究極の決断!それだけ魅かれるものがあったんですね。どんな面接をしたか覚えてますか?

ゆきや自己PRを聞かれたときに、僕は生花をしたんですよ。母がお免状を持っていて、僕も小さいころからやっていました。

ゆきや:そう考えてみると生花を通してハサミを使うのが好きになったのかもしれません。水泳で鍛えた大きな体格で生花をするのはギャップがあるかなと。後から代表たちに聞いてみると印象は残っていたみたいなので、成功だったのかなと。

桑名:面接で生花はインパクトありますね! 新卒で入社してすぐお店がオープンするなど、いろんなことが一気にスタートしたと思います。下積み時代はいかがでしたか?

ゆきや:オープンしたばかりのころは、お店としてのやり方を確立するために、毎日のように話し合いをしましたね。中途で入ってきたスタイリストたちは、それまで培ってきたやり方があります。意見を擦りあせてより良くしていくことにみんな必死でしたね。新卒入社は僕一人だけ。右も左もわかりませんでしたが、その日1日のベストを尽くして頑張っていました。

桑名:オープン時からいるゆきやさんからみた、SUNVALLEYの魅力は?

ゆきやヘアメイクでしょうか。スタッフ全員が必須で学び、腕を磨いています。第一線で活躍している代表二人からベーシックなものからトレンドまで直で学ぶことができる環境は恵まれています。クール、フェミニン、エレガント、ナチュラルと4つの基礎を学んだ後、創作性のあるものから旬を取り入れたメイクまで学びます。カリキュラムがしっかりしているので、どんな現場にいっても通用する技術力が身に付きますね。

あとはブローです。今はブローをしない美容室もあるようですが、僕たちは必ずやります。お客さまからも「ブローをしてもらうと美容室に来た特別感が味わえる」と喜んでいただけていますね。

桑名:私もSUNVALLEYさんでブローをしていただいて、まとまりのある髪にしていただき、とても感動しました! ゆきやさんが理想とする働き方は?

ゆきや:美容師とヘアメイクの2本柱で活動できる美容師でありたいです。サロンワークと現場、どちらの楽しさもあるのでその両方の良さを活かしていけたらいいですね。今はメンズヘアを打ち出していて、ヘアメイクでは俳優さんをメインに担当しています。

「自分以外の人は、お客さまだと思え」。コミュニティーを開拓したデビュー時代

桑名:スタイリストデビューはいつですか?

ゆきや:デビューは2022年の8月1日です。もう少し早くデビューしたかったのですが、ちょうどコロナの時期と被りカリキュラムが進められない空白の期間がありました。4年2ヶ月の下積み時代を経てデビューしてからは、割とテンポよくステップアップできています。

桑名:SUNVALLEYさんは、オールマイティーに施術されている美容師さんが多い印象ですが、ゆきやさんはメンズヘアに特化されているんですね。

ゆきや:デビューするとき、メンズヘアをメインに活動しようと決めました。特化することで強みがわかりやすく、SNSなども目にとまりやすくなるのが狙いです。その当時の店長からも「一つの分野で振り切った方がいい。売上に関しては回転率をあげていこう」などアドバイスをもらいました。今は、3割ほど女性の方も担当させていただいてます。

サロンの中では、僕みたいに振り切っている人は珍しいですね。師匠たちもいつかメンズサロンを出すのもありだよねと応援してくれています。

桑名:デビュー時の集客はどうしていましたか?

ゆきや:集客サイトやSNSを利用しつつ、一番力を入れたのは口コミです。地道な作戦ですが、定着しやすくリピートにつながりやすいんですよ。友だちがまたその友だちやご家族を紹介してくれて、感謝しています。

また、代表たちからは「いろんなコミュニティーを持とう。自分以外の人は、お客さまになりゆる存在だから大切にしなさい」とアドバイスをもらいました。その言葉の通りいろんなところへ出向いて、友だちを作っていましたね。

桑名:心に響く助言ですね。美容師として軌道に乗ったのはいつごろですか?

ゆきや:デビューして一年経ったくらいでしょうか。ヘアメイクは、アシスタントから付き合いのある雑誌社の方やマネージャーさんにデビューの連絡をしたところ、お仕事をいただきまして。そのつながりを大切にして今もご依頼いただいてます。ヘアメイクの仕事を始めてからは、雑誌のクレジットを見て指名してきてくださる方もいますね。

サロンワークは、デビューしてから一年目はドキドキしながら新規のお客さまを対応していましたが、少しずつ慣れてきて今では堂々と接客できるようになりました。お客さまの層は、20代後半から30代後半ぐらいの方が多いです。

ゆきや:最近は訪日外国人向けのサイトから、海外の方よく来てくださっています。実際に海外から来たお客さまがよかったと伝えてくださって、それを聞いた方が来てくださったりしています。

桑名:グローバルに愛されているサロンさんなんですね。言語はどうされているんですか?

ゆきや:大学で英語を学んでいたので、流暢ではありませんが英語で会話しています。「ニュアンスが伝わって嬉しかったです」「楽しく過ごせました」と言ってくださる方が多いのは嬉しいですね。グローバルの波が来ていますから、より英語力を高めていきたいです。

桑名:ゆきやさんのイチオシスタイルをぜひ紹介してください。

ゆきや:メンズヘアで大切にしているのは、男らしさがありながら清潔感を出すこと。また仕事やプライベートなどその時々のシチュエーションに合わせて、前髪をあげても下げてもスタイルが決まるように考えてカットしています。男性はセットの再現性も重視しているので、そこは徹底していますね。

桑名:ヘアメイクのお仕事もされていますが、男性のメイクで気を付けることは?

ゆきや眉毛がすごく大事なパーツなので、整えつつ綺麗にしすぎて不自然にならないようにバランスを見ています。元々の素肌が美しいようなシークレットメイクを心がけてますね。メイクをしていることがバレないように、ナチュラルに仕上げます。

桑名:現在は副店長とのことですが、いつごろ就任されましたか?

ゆきや:昨年の6月、沖縄へ社員旅行に行った際に「発表があります」と突然の抜擢でした。全く予感もしていませんでしたね。僕で務まるのかと動揺しましたが「役職が人を育てる」と代表たちに言っていただき、とりあえずやってみようと決心しました。

桑名:役職が人を育てる。やってみようと前向きになるお言葉ですね! 具体的に副店長はどんな役割ですか?

ゆきや:店長と共にお店の統括したり、スタッフ教育やカリキュラム作りなどをしています。代表とスタッフ間のパイプ役ですね。お互いスムーズにいくように潤滑湯のような存在です。店長の土田は同期なので二人で協力してやっています。代表が2人の大きい背中についていきながら、自分たちの背中も後輩たちに見せていけたらいいですね。

桑名:スタッフ育成で気をつけていることはありますか?

ゆきや:これまでのやり方を見直して、今の時代に合わせる部分を見極めています。カリキュラム面では必要のないものを減らしたり、デビューを早めるために練習の見方などを工夫していますね。僕たちの経験から「こうなったら、もっと良くなる」といったアイディアやスタッフからの要望も柔軟に吸い上げて、後輩たちのキャリア改善に活かしています。

桑名:すでにご活躍中のゆきやさん。今後やってみたいことは?

ゆきや:サロンワークに限らず振り幅の広い美容師でありたいですね。今やっているヘアメイクもそうですし、子供たちやお年を召されている方へに向けてアプローチできる活動に興味があります。また、いずれ都内だけでなく海外など一箇所に固執せずに働いてみたいですね。

仕事の幅を増やすことはお店やスタッフたちの可能性にも広がるはず。いろんなところで活躍できる美容師のロールモデルに僕がなって、その背中を見せていけたらいいですね。

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PROFILE
プロフィール
ゆきや
SUNVALLEY 副店長

ゆきや

東京都出身。四年制大学で水泳選手として活動後、日本理容美容専門学校へ進学。2018年5月SUNVALLEYのオープニングスタッフとして新卒入社。2022年8月にデビュー後、美容師とヘアメイクの二足の草鞋で幅広く活動をしている。清潔感のあるメンズカットを得意とし、再現性の高い確かな技術力でお客さまから支持されて一躍人気スタイリストへ。2023年6月から副店長に就任し、サロンの統括やスタッフ教育にも力を入れている。

EDIT
編集
桑名 真理子

Director桑名 真理子(くわな まりこ)

メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。

菊池 麻美

Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)

多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。