

25歳でサロンをオープン!代表として、一人の女性として豊かな美容師ライフをおくる『vajra』代表/風夏の魅力に迫る!『next door』12 vajra
美容師として独立し、新しい扉を開いたオーナーに取材する『next door』。bangs編集部が注目する「新星ヘアサロン」の魅力に迫る企画です。
第12回は、2021年3月にオープンしたvajraが登場!『可愛くなりたい、綺麗になりたい、美人になりたい、垢抜けたい』を叶えるサロンとして誕生したvajra(バサラ)は、今注目のサロンです。
今回は代表/風夏さんの美容師ストーリーと共になぜお店を開く道を選んだのか、サロンづくりのこだわりや技術・接客への想いをたっぷりお伺いしました!
SPECIAL CONTENTS
2025.01.15
vajra代表の風夏さんをご紹介!

vajra代表
風夏(ふうか)
大阪府出身。関西美容専門学校卒業後、都内にある有名サロンに新卒入社。3年の下積み時代を経てスタイリストデビュー後、歴代最速でトップスタイリスト昇格を果たす。fuka式レイヤーカットに定評があり、似合わせカット&カラーでお客さまから絶大な支持を集める。2021年3月、25歳で青山に『vajra』をオープン。現在はサロンワークのみならず、セミナーや雑誌撮影などでも活躍中。
vajraの意味は『ダイヤモンド』。一人ひとりのご希望に寄り添って、お客さまを輝かせるサロンでありたい

ー デビューして瞬く間に人気美容師としての地位を確立した風夏さん。デビューまでの道のりはいかがでしたか?
新卒で入社した前のサロンは約5年間お世話になり、美容師としての基盤を全て教えていただきました。
カリスマ美容師ブームを牽引し業界トップクラスの有名サロンでしたので、アシスタントのころから1日に担当するお客さまの数は二桁が当たり前。そのおかげで技術を身につけるスピードは早かったように思います。サロンワークを通して実践から経験値を積むことができ、順調にカリキュラムも進んで3年でデビューしました。

デビュー直後は顔まわりや前髪、レイヤーカットなど大幅にレングスを変えずにイメージチェンジできるスタイルを武器に、着々と指名の方が増えていきましたね。
スタイリスト時代は1日に平均15人から多くて19人ほど担当する日々。そのサロンでは350万円の売り上げを3ヶ月連続で達成するとトップスタイリストになれるのですが、当時の歴代最速で昇格することができました。昔から目標があるととことん追求するタイプなんです。

ー 順風満帆にキャリアを形成していた中で、独立を決めた理由は?
もともと独立願望は全然なかったんですよ。ただコロナの時期に自分と向き合う時間があり、真剣にキャリアを見つめ直してみたんです。当時は分刻みでお客さまを担当していましたので、長く美容師を続けていきたくためにもう少し自分のペースで働きたいことに気づいて…それがきっかけですね。美容師を経営する両親にも相談して、2020年の夏ごろサロンを出そうと決意しました。ちょうど24歳の年でしたね。

ー 24歳で決意した風夏さんの決断力がすごい! 周囲の反応はいかがでしたか?
25歳以下の女性が独立ということもあり、やはり珍しがられました。「早いんじゃない?」と心配する声もあったり…。ただ私自身は「今しかない」と迷いがなかったんですよ。両親が経営者でしたので、色々な相談ができたのも恵まれていましたね。
ー 出店準備では何からアクションしましたか?
まずは物件探しからスタートしました。4〜5件ほどまわって、運命的にピンと来たのが今の物件です。渋谷と表参道のちょうど真ん中でどちらの駅からもアクセスしやすいんですよ。
決して広い空間ではないのですが、だからこそ床は大理石にするなどできる限り高級感のあるデザインにしています。客層に合わせて白を貴重に曲線的で柔らかい内装に仕上げました。

ー サロン名はどのようにして決めましたか?
『vajra』は両親が30年経営している大阪の美容室の名前を引き継いでいます。vajraは『ダイヤモンド』という意味。お客さまの可愛くなりたい、綺麗になりたい、美人になりたい、垢抜けたいなどの希望を叶えてダイヤモンドのように輝かせるサロンでありたいと考えています。

ー vajraならではのサロンの魅力とは?
現在はスタッフが全員女性ですので、細やかな気遣いや居心地の良い空間を作り出せるように心がけています。表参道・渋谷エリアで小規模サロンは珍しいので、プライベート空間をたっぷり味わって安心して施術を受けてもらえるのがvajraのよさですね。
また、スタッフの働きやすさも大切にしています。給与面や労働時間などはもちろん、現在は月・火曜日を完全休日にしているので仕事とプライベートのバランスが取りやすい環境を整えています。
カルテに記入しなくても、お客さまとの会話は全て頭の中でインプット

ー 風夏さんのお客さまはどんな方がいらっしゃいますか?
20〜50代のお客さまを中心に顧客さまが8割、新規の方が2割の割合で担当しています。最近は髪の長さを活かして動きを出す、艶やかで女性らしいヘアが人気です。
とはいえ、ショートやパーマなどもやりますしラフなスタイルも好きです。メンズの方もいらっしゃるんですよ。お客さまの希望にできる限り応えながら一人ひとりの骨格や髪質を見抜いて似合わせヘアを施しています。同じことをずっとやるよりもちょっとしたスタイルの変化をお客さまと楽しめるように毎回工夫していますね。

ー 風夏さんのイチオシヘアを教えてください!
このヘアは、お客さまからも評判のスタイルです。リーフグレージュカラーで赤みを抑えて柔らかい透明感が出る爽やかなカラーに仕上げています。ヘアアイロンが苦手な方でも簡単に巻けるように、毛先のワンカールだけで立体感が出るようにカットを計算しています。
もう一枚はしっかり顔まわりにレイヤーカットを入れてストレートアイロンを通すだけででもスタイルが決まるように仕上げています。このヘアのようにひし形のシルエットにすることで、立体感と小顔効果が期待できるんですよ。カラーは今季おすすめのパープルを入れています。

ー お客さまとのコミュニケーションで大切にしてることは?
アシスタントのころからの特技があるのですが、カルテに記録しなくてもお客さまの背景や特徴、会話のやり取りを覚えているんです。お顔を見ると不思議とパッと思い出せるんですよ。「忙しいのによく覚えてくださってますね」と喜んでいただけているようです。

ー 話したことを覚えてくださってるのはとても嬉しいポイントですね。人気美容師であり現在は代表としても活動されていますが、大変だったことはありますか?
大変だったことはなぜか忘れちゃうんですよ(苦笑)。代表になってから対内外でいろんな方との関わりや試練がありましたのでもちろん大変なときもあります。ただ、そういった状況は自分のせいでもあると捉えているんです。そのときどきは必死になってるんですけど、ネガティブなことは寝るとリセットできますね。
ゴールから逆算したスモールステップで、前向きに夢を叶え続ける

ー 風夏さんのようにどんなときもポジティブに行動するにはどうしたらいいですか?
目標をハッキリさせることでしょうか。例えばアシスタントのときはカリキュラムの内容をもとにデビュー日を決めて、月にいくつチェックを受ければいいのか目標を細かく分けてスケジュールを逆算していました。
今は経営の課題や問題点を現状から抽出し、来期や中長期的にどうするを考えて動いていかないといけない立場。サロンを継続していきスタッフが豊かに過ごせるゴールを目指して、父と長い時間をかけてどんなプロセスを歩むか話し合いをしています。

ー 美容師でありサポートしてくださってるご両親は、偉大な存在ですね。
そうですね。父は30年会社を続けてきて紆余曲折あって今があるので、両親からのアドバイスは深みがあります。ちょっとやそっとじゃ動じない、大きな心でvajraを見守ってくれていますね。自分一人だったらvajraの4年間を歩んで来れなかったかもしれません。心から両親をリスペクトしてます。

ー サロンワークのみならず、業界内外から注目の風夏さん。今後力を入れていきたいことは?
今年から大阪でスタッフを雇用する予定なので、人材育成を強化していきたいですね。今こうして自分がスタイリストとしてお客さまに必要とされているのも、技術があってこそ。仲間には惜しみなく技術を伝授していき、豊かで潤いのある美容師ライフを過ごしてもらえたらいいですね。
併せてアシスタントのデビューに向けた教育やマネージメントにも注力し、活躍するスタイリストを輩出していきたいですね。スタッフの成長の助けになるように愛を持って指導し、寄り添いながら見守ることを日々心がけています。

ー 最後に独立を考える女性美容師さんへ一言メッセージをお願いします!
私が独立を決意した理由は、プライベートと仕事のバランスが取れて長く美容師を続ける居場所を作ること。現在は、毎日19時には営業を終えて夕飯や家族との団欒、睡眠の時間が確保でき健康的な毎日です。また月に一度は旅行に出かけていて、この取材の一週間前は沖縄でリフレッシュしてきました。
ただ女性はさまざまなライフステージがありますから、キャリアプランとのすり合わせが大事になってきます。例えば会社勤めだと産休育休を取得できるなど安心できる面がありますし、独立するとそうもいきません。まずは現在地から将来のプランをしっかり検討して、本当に独立するか否か、もしする際はタイミングを見極めてみてはいかがでしょうか。
vajraは女性スタッフが多く在籍していますので、やはり各々のライフステージに合わせて課題が出てきます。その一つひとつを解決していって、公私ともに潤う魅力的なサロンに成長できるよう、代表としてまた一人の女性として私も一歩ずつ前進していきます。
◾️「next door」バックナンバーはこちらからcheck!

風夏(ふうか)
大阪府出身。関西美容専門学校卒業後、都内にある有名サロンに新卒入社。3年の下積み時代を経てスタイリストデビュー後、歴代最速でトップスタイリスト昇格を果たす。fuka式レイヤーカットに定評があり、似合わせカット&カラーでお客さまから絶大な支持を集める。2021年3月、25歳で青山に『vajra』をオープン。現在はサロンワークのみならず、セミナーや雑誌撮影などでも活躍中。

Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。

Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。