髪の悩みを解決し、お客さまが描く楽しい未来へ向かう再出発地、『en LiLY』!代表/Miyakoshiさんの魅力に迫る!『next door』13 en LiLY
美容師として独立し、新しい扉を開いたオーナーに取材する『next door』。bangs編集部が注目する「新星ヘアサロン」の魅力に迫る企画です。
第13回は、2025年7月に完全マンツーマンサロンをオープンした『en LiLY』が登場! 圧倒的クオリティーのハイトーンカラーに加え、髪質改善・縮毛矯正を武器に幅広い層の女性から支持を集めるMiyakoshiさんが代表を務めるen LiLYは、今注目のサロンです。
今回は代表/Miyakoshiさんの美容師ストーリーと共になぜお店を開く道を選んだのか、サロンづくりのこだわりや技術・接客への想いをたっぷりお伺いしました!
SPECIAL CONTENTS
2025.11.26
『en LiLY』代表/Miyakoshiさんのプロフィールをご紹介!
enLiLY/代表
Miyakoshi
栃木県出身。資生堂美容技術専門学校卒業。都内2店舗を経て2018年にハイトーンカラーを得意とするトレンドサロンでスタイリストデビューし、1年目で指名売上450万円を達成。2021年にフリーランスに転身し、ハイトーンに加え髪質改善・縮毛矯正を武器にその圧倒的なクオリティで幅広い層の女性から支持を集める。2025年7月、完全マンツーマンのサロン『en LiLY』を渋谷にオープン。
楽しいと心が動く生き方を選択をし、「今」の行動に没頭する
ー Miyakoashiさんが美容師になったきっかけは?
高校のときにさまざまな大学や専門学校が集まる校内のオープンキャンパスがあり、美容専門学校の話を聞いたのがきっかけです。母親が薬剤師なので、もともとは医療系や医学療法士に興味があったんですよ。
ただ勉強が好きなタイプではなかったのと、そのとき唯一興味があったのが「髪」のこと。その後、実際に学校を見に行って「美容師っておもしろそう」と感じ、資生堂美容技術専門学校を受験しました。楽しそうなキャンパスライフがイメージできたこと、また家から近かったのが入学の決め手ですね。
ー 学生時代はどんな生徒でしたか?
わりとコツコツ真面目にやるタイプでしたね。志のある仲間にも恵まれて、学ぶうちにどんどん美容にのめり込んでいきました。後輩に向けてのパンフレットの表紙を担当するなど充実した日々でしたね。
ー 学生のころから「いつかお店を持ちたい」など、独立を視野に入れていましたか?
それが全く考えてなかったんですよ。僕は将来のビジョンを掲げて突き進むというよりは、「今」にフォーカスして自分が楽しくて幸せなことを選択していきたいんです。有名美容師になりたいとか、独立願望なども全くなかったですね。ただただ髪に触るのが好きという気持ちを原動力に技術を磨いていました。
ー 一瞬一瞬を全力で走り、その過程を経て今こうして注目される美容師さんになってらっしゃるんですね。
継続的な行動ができるのは、僕の強みですね。人にも環境にも恵まれて運がいいなと思う日々ですが、それは行動してるからチャンスを掴めているのかな、と。
ただ最初から順風満帆だったわけではないんですよ。新卒で入社した銀座の有名店は、1ヶ月で退社。その後専門学校の先輩に勧めていただいたサロンで1年下積みを経験し、美容師2年目で入社したトレンドサロンで、やっと自分の長所や美容師としての本質を高められるようになったと思います。
僕がこれまでお世話になったサロンは、周りの人をすごく大切にするんですよね。お客さまはもちろん、スタッフのことも分け隔てなく接していて、その思いやりに感化されました。
感謝を持って人と接することは、今も変わらず僕の美容師としてのスタンスになっています。スタイリストデビュー以降は、特に後輩に対してしっかり向き合いたいと思うようになり、物事を客観的に見て余裕のある柔軟な姿勢で寄り添うようになりました。
ー 正社員とフリーランスの両方を経験されたMiyakoshiさんですが、それぞれの学びは?
会社に所属することでブランド力や集客面・待遇など守られている分、サロンのルールに従わなければいけない面はあります。そこは自分なりに縛られすぎないようにしたり、スタッフとご飯に行くなど息抜きを見つけて過ごしていました。
2021年にフリーランスとして活動をスタートし、全ての決断を自分が背負う変化はありましたが、それがすごく苦労したとかはないですね。自分で選んだ人生の選択にきちんと責任を取れることの楽しさの方が強かったです。
もちろんそれぞれのメリット・デメリットがありますが、どちらの働き方も実際に経験したこと自体が美容師としての財産ですね。コツコツ継続するのが得意ですから、どちらも途中で投げ出したりせず、自分が満足するまでやりきってよかったです。
お客さまが抱える悩みを解決し、新しい未来に再出発できるサロンでありたい
ー 新サロン『enLiLY』を立ち上げようと思った経緯は?
美容師としてのキャリア形成や資金面など複合的にタイミングが合ったのが、今年だったんですよ。2021年からフリーランスを4年半続けてみて、そろそろ独り立ちして新しい挑戦がしたい気持ちが強くなったのが年始ごろのことでしょうか。
フリーランスになってからずっとお世話になっているシェアサロンの会社から、2〜3席の独立したプライベートサロンを設けるモール型のフロアができると知ったのが大きなきっかけになりましたね。今は独立の仕方はいろんなプランがあって、今回のモール型のような好条件でありながら低コストでプライベートサロンができるのは、理想的な出店イメージでした。
僕は過去にお世話になった人や良くしていただいた方に「恩返し」することを大事にしています。先ほども話したようにこれまでお世話になったサロンや会社は周りの人へ敬意を示す文化が強く、その影響から言葉だけはなく行動で示していくことは僕のポリシーです。今回、フリーランスになってからずっとお世話になっている会社さんでお店を構えることができたのは、とても嬉しかったですね。
ー 今年に入ってから本格的に独立に向けて動いたとのことですが、何から着手しましたか?
まずは立地です。渋谷と原宿のちょうど真ん中のエリアに新しいビルが立ち、そこにフロアができると声をかけていただいたんです。
渋谷より雰囲気が落ち着いていて、原宿よりも年齢層が高くスタイリッシュな街。大通りから一本入ると人通りが少なくゴミゴミしていません。建物のコンセプトが「ストリート」なのですが、ちょうど僕のお客さまの層ともマッチしました。
お客さまからも今の場所は大変好評ですね。最寄駅の明治神宮前からお店までの道幅が広く、徒歩4〜5分とアクセスがいいのも利点です。
ー サロン名「en LiLY」への想いは?
今年30歳になり、第二の美容人生が始まるタイミングでの独立だったので『新しい出発』という花言葉を持つゆりの花『LiLY』がふと頭に降ってきました。LiLYにはもう一つ『純粋』という意味があり、自分やこれから関わってくれるスタッフが常に初心を忘れずお客さまに向き合っていたいという思いも込めています。
また、お客さまが抱える髪の悩みをサロンを通して解決し再出発して欲しいという願いから、終わりの意味を持つ『end』をつけて『en LiLY(アンリ)』にしました。
ー 今後スタッフさんを増やす予定は?
9月にSNSでリクルートをして、お陰さまで同世代の美容師さんから沢山の反響がありましたね。セット面3席のプライベートサロンなので同じ空間で働くなら互いに気を遣わず、僕とは違った技術を得意とする人が理想だなと、知り合いの女性スタイリストをフリーランス雇用で採用予定です。
そのスタイリストはブリーチなしのミルクテティー系のカラーを武器にしていて、その技術へのこだわりに刺激を受けます。また客層も違うのでより幅広くサロン展開できるなと考えています。
心が一定で凪の状態でいることが、人とのご縁やチャンスに繋がる
ー Miyakoshiさんが担当されているお客さまの層は?
新規の方はインスタを見て来てくださることが多いですね。また紹介が多くて、来店してくださった方がご友人や身内の方を連れてきてくれるんですよ。全体の約8割がリピーターの方です。
前社で培ったハイトーン技術は今も大きな武器で、学生さんから同世代の方が多くいらっしゃるのですが、最近は客層の幅がグッと広がったんですよ。というのも有名店を退職する際に、会社のブランドネームを脱ぎ捨てて個人で戦うには、ハイトーンだけで勝負するのは厳しいと思ったんです。
フリーランスとして個人で戦うにはこれまでやってない技術に挑戦しようと『髪質改善』『縮毛矯正』の勉強をはじめメニュー化したところ、今では20〜60代まで幅広い世代の方がいらっしゃいます。
ー Miyakoshiさんならではの、誰にも負けない武器は?
スタイリストになってからブリーチカラーを推していますが、今はブリーチ毛に対して髪質改善・縮毛矯正を施すのが僕の最大の武器です。やはりこの組み合わせはどんなにテクニックや薬剤が進化しても、難易度の高い技術。コツコツ追求するのが好きなので、ハードルが上がれば上がるほどのめり込んでしまいますね。
ー 髪質改善や縮毛矯正はいつごろから特化されたのですか?
2023年の夏に基礎を勉強して、そこから独学でブリーチ毛に対して髪質改善や縮毛矯正の施術を独自の理論を練り上げました。
当時からカラー市場は飽和状態でしたし、ただブリーチカラーが上手いだけでは埋もれてしまいます。そこで別の技術も特化しようと髪質改善や縮毛矯正の勉強を始めた矢先、ちょうど業界全体でもブームが来ました。昔からトレンドの流れを予想するのは得意かもしれません。
今ではお客さまの半数がオーダーしてくださってますね。一人あたりおおよそ3時間ほどの施術で、1日Max三名ほどマンツーマンで担当しています。
ー 思い描いた美容師人生を着実に叶えていますね。
何事も「なんとかなるっしょ」精神が強いんですよね。考えてみると僕は大きな挫折や忘れられないほどの後悔が残ってるできごともありません。過去は戻れないし変えられない、他人のこともコントロールできないじゃないですか。解決できないことには、気持ちを手放すことも大事だなと。
人と関わる職業ですから、常にテンションが一定なのも良いのかもしれません。感情的にならないし、気分のムラがない。心が凪の状態でいること、「今」にフォーカスしていることが人とのご縁やチャンスに繋がっています。
ー 今を大切にするMiyakoshさんが、いま興味のあることだったり、自分の人生を潤すための習慣や毎日のルーティンは?
独立してから特に健康には気を使っていますね。4年前からキックボクシングを続けています。体を動かして汗をかくのは、ストレス発散になりますね。またジムにはいろんな職業や年齢の方がいらっしゃいますので、その方々とのコミュニケーションを通して良い刺激をいただいてます。
あとは、毎日3食自炊してるんですよ。大好きなゴーヤチャンプルーだったり、この前はレバニラ炒めを作りました。昼ご飯も自炊してサロンに持ってきてます。
今は、朝10時から夜20時までの勤務時間で、営業後にプライベートの時間も確保できています。
ジムだったり誰かとご飯を食べに行くなど自分を潤す時間もめちゃくちゃ大切。正社員時代はガムシャラに働いていましたが、今は美容師を楽しむためにプライベートも充実させたいですね。
ー サロンやMiyakoshiさんの今後の展望は?
en LiLYの出店が大きな区切りであり一つのゴールでしたので、今後のことはその時々の状況で考えていきたいですね。お客さまの状況やスタッフの出入り次第ではセット面をもう2〜3席増やすなど、サロンを少し広くしできたらいいなと考えてます。
僕個人の夢としては、死ぬまで現役のプレイヤーでいること。今は経営にも携わっていますがやっぱり僕は髪の毛を切ってお客さまと向き合っている瞬間が一番楽しいですから。
ー サロンワーク以外の活動などは視野に入れていますか?
お客さまを第一に考えたいので、僕はサロンワークを一番大事にしていますね。美容師としての本来の仕事をしっかりできていなければ、それ以外の仕事を全うすることはできません。セミナーなどのお仕事もしっかり責任を果たせるよう100%で向き合っていますが、根本はプレイヤーとしてお客さまと向き合っていたいです。
僕は今この瞬間が常に最高のコンディションであるように整えています。常に自分がベストでいる状態を継続していけるように行動していますね。100%の自分で仕事をしてますし、周りもそうあって欲しいですから、そのためにもen Lilyのコンセプトであり僕自身の指針である【初心でいること】を大切に、これからも突き進んでいきます。
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Miyakoshi
栃木県出身。資生堂美容技術専門学校卒業。都内2店舗を経て2018年にハイトーンカラーを得意とするトレンドサロンでスタイリストデビューし、1年目で指名売上450万円を達成。2021年にフリーランスに転身し、ハイトーンに加え髪質改善・縮毛矯正を武器にその圧倒的なクオリティで幅広い層の女性から支持を集める。2025年7月、完全マンツーマンのサロン『en LiLY』を渋谷にオープン。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。