美容エディター注目の次世代のパイオニア! Find a STAR☆第1回・AFLOATスタイリスト/ナイリー×美容エディター/桑名真理子
bangs特集記事の編集担当にして、1000名以上の人気美容師を取材してきた美容エディターの桑名真理子が、今後の美容業界を担うNextStar美容師を直撃! 美容師としての歩みやこれからの野望、美容業界に対して伝えたいことや改革したいことを聞きます。記念すべき第1回目はAFLOATの人気スタイリスト/ナイリーさん。代表の宮村浩気氏のアシスタントを経て、昨年5月にスタイリストデビューしたナイリーさんですが、現在、スタイリストとしての勤務は月に数回に抑えているといいます。一体なぜ? ナイリーさんが今、考えていることを伺いました。
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2021.09.21
ナイリーさんってこんな人!
大阪府出身。大阪ビューティーアート専門学校を卒業後、新卒でAFLOATへ入社。入社後1年で同社代表の宮村浩気氏のアシスタントを務め、’18年からメインアシスタントに。親しみやすいキャラクターから、アシスタント時代からお客さまから信頼を集める。2020年5月にスタイリストデビューを果たし、そのカリスマ性と確かな技術で一躍人気スタイリストに。現在は美容師の傍ら、自由な働き方を模索中。
絶対にミスはせず完璧な仕事をしたい! ど根性で働いていた代表・宮村さんのアシスタント時代
桑名 真理子(美容エディター 以下、桑名):ナイリーさんと私のファーストコンタクトは3年前。当時、ナイリーさんがアシスタントにつかれていたAFLOAT代表・宮村浩気さんに取材させていただいたときでした。
ナイリーさんはとても華やかな雰囲気をまとっていて、最初は「モデルさんかな?」と思ったんですよ。一方で宮村さんとときどき交わすアイコンタクトなどから、とても信頼されているんだなということがわかったり、編集スタッフにも気遣いをしていただいたりと、その働きぶりがとても印象に残っていました。
ナイリー(AFLOATスタイリスト 以下、ナイリー):ありがとうございます。でも、実はわたしはそのときどんな行動をしたのかを覚えていないんですよ(笑)。
桑名:そうなんですね。それくらいナチュラルに気遣いができる方ということなのかもしれませんね。取材が終わったあとも、ナイリーさんのことはすごく記憶に残っていたので、その後、何回か取材をさせていただいている感じです。
ナイリーさんは華やかさを持ち合わせる一方で、ど根性というか何事にも正面からぶつかっていくような印象があるのですが、美容師として大切にしていることを改めて伺ってみたいです。
ナイリー:アシスタント時代は、宮村の外の仕事についていくことが多かったので、とにかくミスがないように完璧に仕事をするというのを命題にして、朝から晩まで働いていました。
ナイリー:そのときは、私の他にもうひとり、先輩である間嶋(崇裕)が宮村のアシスタントについていました。彼がアシスタント業務を完璧にこなしていたので、私ができることはなんだろう?と考えて。それで行動したのが、宮村の撮影用のハイレベルなモデルさんを押さえることを始めました。
桑名:そうですよね! モデルさんを探すだけでなく、事前にそのモデルさんと直接会って絆を深めてから本番に臨むというのを聞いたときは感激しました。
ナイリー:そのモデルさんを探すのも、SNS上だけじゃなく、自分で足を運んで探すこともあって。ときには夜にクラブに行ったときに探すこともありました。それに加えて朝晩は自分の技術の練習もして……だったので、おっしゃるとおり、ど根性な毎日を過ごしていましたね。
そんな風に忙しく過ごす中で、2017年くらいにひとりでロサンゼルスに行ったことがあって。メルローズにある人気の美容室に行ってみたくて訪れたのですが、そこの美容師さんたちは予約がないときはお店にいなくて自由なんです。こうやってゆっくり美容師として働ける国もあるんだなぁと記憶に残りました。
しばらくはまたがむしゃらに日本で美容師として働いていましたが、その自由さがどうしても忘れられず……「日本で同じような働き方ができるかはわからないけど、自分の人生だから」とダメ元でAFLOATの事務所に相談したんです。
自分が理想とする美容師像を実現するために!2021年は新しい世界を知りたい
桑名:現在はサロンには月8日程度の出勤に抑えていると聞きました。
ナイリー:はい。私には、自分が求める自由な働き方があって、理想の女性像があります。それを叶えるためには、今、さまざまな人と出会ったり知らない世界を知る必要があると思っています。その時間を割くために、フルで出勤する美容師でいると時間がたりないんです。
AFLOATで働きたくないというわけではまったくなくて、お世話になっている会社なので、わたしがビッグになったときには、例えば、シャンプーや化粧品を一緒に作ったりとか、必ず恩返しがしたい。
それを包み隠さず話したら「わかった。ぜひがんばって」と言ってもらえました。だから、今のわたしが美容師として、人間として大切にしていることは「自由に生きること」なんです。
桑名:美容師として働く月8日以外の時間は、どうやって過ごしているんですか?
ナイリー:好きな時間に起きて、好きな本を読んだり、英語の勉強をしたりジムに行ったり……まるで富裕層みたいな生活を送っています(笑)。
先日は、新型コロナの対策をしっかりして、九州へ行ってきました。自分で直接足を運ぶと、それこそいろいろな働き方をしている人に出会います。海の近くだと、釣ってきた魚をそのまま料理にしてくれるおばちゃんや、サーフィンを教えている女の子……どの女性も自分の意志で仕事や生き方に誇りをもって生きているのが印象的でした。
これは自分で時間を作って直接足を運ばなければ見れないことだったと思いますし、「どこに行っても自由に暮らしている人がいる」というのを体感しますね。
桑名:そんな中で月8日、美容師に戻ったときにどんなことを感じていますか?
ナイリー:美容師って本当にいい仕事だと、心から思います。ほかを探しても、お金をもらって「ありがとう」と感謝される仕事ってそんなにないですよ。しかも、遠方から足を運んでくれるお客さまもいて……誇りが持てる仕事ですよね。下積み時代に努力して培った技術には自信があるので、腕がなまることもありません。
ナイリー:それに、やっぱり実家のような安心感はありますね。限られたサロンワークでは後輩のことはよりかわいいと思うし、先輩と会えるのも楽しい。美容師としての時間をより噛みしめるようになりました。
ナイリー:ただ、一方で美容師以外の仕事もわたしはしてみたいんです。
ハイブランドも高級ホテルも自分の稼ぎで手に入れる!―私の求める働き方と女性像
桑名:「美容師以外の仕事も」と思う理由はなんですか?
ナイリー:もっともっと自由に生きたいんです。実は、わたしはVIENNAちゃんというインフルエンサーに憧れていて。同い年というのもあるし、彼女の存在がなかったら、こういう働き方にシフトはしていなかったかもしれません。
彼女はタイ人なのですが、ビザを取って日本で働いていて。それだけですごいのに、YouTubeのチャンネル登録者は38万人もいるくらいバズっていて。彼女が身に着けているハイブランドのものも海外の高級ホテルの宿泊も、ぜんぶ自分の稼いだお金で支払っているんです。
すごくきれいな女の子なのに、金銭面では他人頼みにならず、自立している――それがめちゃくちゃかっこいいな、と思っていて。お金持ちになりたいというわけじゃなくて、彼女みたいな自由な仕事や自立した生き方をしていきたいんです。
ナイリー:私も単純に女性こそ自分で稼げるようになるべきだと思います。自分自身で稼がないと、ダサいですよ。それが、自分が自由に生き方を選べるということでもあるんですよね。
そういう意味では、これまでステータスのある刺激的な人には数多くお目にかかっていましたが、今の美容師以外の時間では「自分に素直で自由に生きる刺激的な人」に触れ合うことができます。
桑名:知らない世界に触れて、新しい価値観に出会うのは楽しいですよね。今のナイリーさんの野望はなんですか?
ナイリー:難しいですね……具体的な野望はなくて、「本当になりたい自分像」を追い求めている気がします。あとは、人生って人対人なので、優しくありたい、そして人から愛される存在でありたいというのはいつも考えています。
あと。実はVIENNAさんと一緒に海外に行くことになりました! 憧れの女性と海外に一緒に行けるなんて今からワクワクしています。
桑名:尊敬する人にアタックして、チャンスをゲットするなんて…さすがナイリーさん!私も、いろいろな女性美容師さんにお会いして、ナイリーさんのように「本当に理想とする自分らしい働き方」を実現したい人もいるなと感じています。常識を型破りしてくれるナイリーさんに今回も取材ができてよかったです。今日は本当にありがとうございました。
ナイリー:ありがとうございました!
Nailey
大阪府出身。大阪ビューティーアート専門学校を卒業後、新卒でAFLOATへ入社し、AFLOAT RUVUAへ配属。入社後1年で同社代表の宮村浩気氏のアシスタントを務め、’18年からメインアシスタントに。親しみやすいキャラクターから、アシスタント時代からお客さまから信頼を集める。’20年5月にスタイリストデビューを果たした。現在は美容師の傍ら、自由な働き方を模索中。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。
Writer須川 奈津江(すがわ なつえ)
フリーランスの編集・ライター@東京東側。お仕事は美容師さんメディアでの執筆、教育、健康、レシピ本などの実用書・ライト文芸の編集などなど。