美容エディター注目の次世代のパイオニア! Find a STAR☆第2回・sand Scene店長/あびる しょうた×美容エディター/桑名真理子

bangs特集記事の編集担当にして、1000名以上の人気美容師を取材してきた美容エディターの桑名真理子が、今後の美容業界を担う NextStar美容師を直撃! 美容師としての歩みやこれからの野望、美容業界に対して伝えたいことや改革したいことを聞きます。
第2回目はsand Sceneの店長、あびる しょうたさん。
中途採用でsandのメンバーになり、アシスタント時代からInstagramでも注目されていたあびるさんは、現在25歳という若さでsand Sceneの店長を任されています。急成長を続けるあびるさんに、今、考えていることを伺いました。

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2021.10.19

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目 次

あびる しょうたさんってこんな人!

高津理容美容専門学校卒業。都内のサロンでアシスタント経験を経て、sandへ入社。アシスタント時代からInstagramで積極的に自ら手掛けたスタイルを売り出し、ボブスタイルや『天使の羽根バング』で人気を集める。2020年1月にスタイリストデビュー。順調に顧客を増やし2021年4月にsand Sceneの店長としてセミナーや撮影など多方面で活躍中。

「チャンスじゃないことをチャンスに変える」美容エディターがハマったsandの作戦

桑名 真理子(美容エディター 以下、桑名):初めてお目にかかったのは、2019年のとあるパーティーの席でしたよね。当時、あびるさんはアシスタントで、sandのCEO島崎 譲さんと代表の絹村 友也さんお二人に連れられて来た場だったかと思います。

美容業界で活躍するサロンオーナーがたくさんいる中で、物怖じしない立ち振る舞いのあびるさんのことを覚えていて。お酌をしながら、ぐいっと先輩方の懐に入り、会話を盛り上げているのが印象的でした。

桑名:その後、先輩のへぎしょうたさんをはじめsandさんに取材へ伺った際、あびるさんがいつもお店の扉を開けて出迎えてくださり、取材をしている隣で練習や撮影をしていたんです。だから、努力されているというのは存じ上げていて、デビューを迎えるころにはすでに大活躍していたので、他のメディアと同様、私も大注目で取材をさせていただきました。

あびる しょうた(sand Scene店長 以下、あびる):ありがとうございます!

桑名:今日は、今のあびるさんがどんな志をもって活動されているのかを知りたいです。早速ですが、あびるさんの美容師としてのストロング・ポイントはどんなところだとお考えですか?

あびる:僕が一番大切にしているのが『チャンスを掴む』ということなんです。チャンスを掴むためには準備が必要だと思うんですけど、さきほどのお話にもあったように、先輩の取材や外部の仕事のときに、その場に居合わせるようにしています。今だから言えるのですが、僕は桑名さんがいらっしゃるときに必ずその場にいようと狙ってやっていたんですよ。

爪痕が残せるかわかりませんでしたが、とりあえずその場にいることで何かチャンスがあるかも、と考えたんです。最初にお会いしたパーティーのときも同じで、その日僕は休日だったのですが、大御所の方も集まるということで、代表についていったんです。

あびる:sandでは、『チャンスを掴めないのは二流、チャンスを掴めるのは一流、チャンスじゃないことをチャンスに変えるのは超一流』ということがよく言われているので、自分の中ではすごく意識してやっています。こういう取材のお話をいただけるのも、そういうことが積み重なって叶ったことなのかな、と。

今は店長という役職もつきましたが、いまだにチャンスに対しては貪欲に掴み取っていく、というのは、一番大事にしています。

桑名:じゃあ私はすっかりその術中にハマったわけですね(笑)。とはいえ、先輩であったり外部の人であったり、いろいろな人がそれぞれの立場であびるさんのことを応援したい、という気持ちになるんだと思います。

あびる:そう言っていただけるとありがたいです。お客さまや外部の人への気遣いというのも、アシスタント時代から先輩の姿を見てきたからできることだと考えています。僕は、へぎに憧れてsandに入社して、サロンワーク以外の仕事にもたくさん同行させてもらうことができたので、そういう経験が活かせているんだと思います。

サロンワークでの気遣いも同じで、メッセージカードを添えたり、雨の日は傘の水滴を拭くようにしたり、そういった細やかな気遣いの部分でも、僕は人間力を高められたし、美容師として、人としてのベースを作ることができたのが、アシスタント時代でした。

今回の取材時も、あびるさん直筆のウェルカムメッセージが!
今回の取材時も、あびるさん直筆のウェルカムメッセージが!

朝礼ひとつで営業が変わる!? 自分ひとりのブランディングからお店全体のマネージメントへ

桑名:2020年1月にスタイリストデビューされて、現在はsand Sceneの店長を務められています。プレイヤーとは異なる視点が生まれたのではないでしょうか。

あびる:今年の4月に店長になり約半年、自分の中で変わったことがたくさんあります。

お店のマネージメントを意識して一つひとつのことに取り組むようになりました。例えば、オープン前に掃除と朝礼をやるのですが、その朝礼の空気感でその日の営業が盛り上がるのか、落ち着いた雰囲気になるのかが変わるんですよ。

あびる:朝礼の雰囲気で『今日はちょっと盛り上がりが足りないな』と感じたら、モチベーションを上げるために僕が今まで聞いた話や経験した話を添えたりしています。逆に『ここは少しピリッと言っておいたほうがいいかも』というときもあります。みんなのモチベーションをコントロールする立場になったというのは、店長になって成長した部分ですね。

桑名:今までは、自分自身のコントロールだけだったのが、店長になってからは、チームのモチベーションを踏まえるようになったんですね。

あびる:そうですね。スタッフの表情と空気感を見ればわかるんです。スタッフと掃除をしながら、「ちょっとこの掃除の雰囲気大丈夫かな? 今日はどう盛り上げようかな」って考える日もあったり(笑)。日々、勉強中です。

あびる:Instagramも、これまでは一般のお客さまに僕のことを知っていただくきっかけとして発信してきましたが、今はスタッフに関する興味喚起という意味でも役立っていると思います。

僕はストーリーにお店の雰囲気を投稿することが多いのですが、これは意識的にやっていることです。例えば、トイレを写して「トイレ、こんなにキレイにしているんです! ピカピカに掃除してお客さまをお待ちしています」という投稿。お客さまには「トイレきれいに磨いているんだ」と好意的に受け取ってもらえますし、sandグループのメンバーには「こんなに掃除を徹底して、キレイにしてくれるスタッフがいます! そのおかげで、お店が盛り上がっています」ということが伝わります。

担当したアシスタントからすると、これはご褒美なんです。ほかの店舗の人たちにも頑張りを認めてもらえるので、モチベーションが上がるし自己肯定感も高まります。スタッフに対しての発信があると「あびるさんはこういうお店にしていきたいんだ」ということも伝わりやすいんですよね。

反響の大きい『天使の羽根バング』と『チームで接客』で、お客さまの満足度がアップ!

桑名:スタイリストとしてのあびるさんについてお伺いしたいのですが、今、どんどんファンを増やしているあびるさんの「これぞ、あびるならでは!」というヘアデザインが知りたいです。

あびる:レングスはボブです。それにバングやサイドをお客さまの骨格に合わせて小顔カットにした『天使の羽根バング』が今の僕が作るスタイルの特徴です。『天使の羽根バング』は、顔まわりをスッキリさせて頬骨を隠し、小顔効果もバツグン! お客さんからもめちゃくちゃ好評で、かなりオーダーが多いです。実は、ショートヘアをメインに打ち出していたころからやっていたんですが、最近とくに人気が出てきて、今はより大々的に推しているところです。

天使の羽根バングヘアスタイル
天使の羽根バングヘアスタイル

桑名:あびるさんはお客さまからも、とっても愛されている印象があるのですが、お客さまと向き合うときにどんなことを大事にしていますか?

あびる:僕は、今同じ時間に同時に4人のお客さまを担当させてもらっています。僕とアシスタント2人を含めた3人で回していますが、チーム単位でお客さまを担当し、最大級のおもてなしをする、ということは強く意識しています。実際に、4人のお客さまを同時にとなると、僕だけでリピートに繋げるのは、弱い部分もあります。それが、チームになると、僕だけの接客よりも満足度がぐんと上がるはず。自然と、僕だけじゃなく、アシスタントのファンも増えていきます。

あびる しょうたさんチーム。左:柴田 恵里さん 右:酒井 恒輔さん
あびる しょうたさんチーム。左:柴田 恵里さん 右:酒井 恒輔さん

桑名:急成長するsandの中で、25歳という若さで店長を任されているあびるさん。同年代の美容師さんと比べるとキャリアアップが速いかと思いますが、これからの美容業界で思い描くことがあれば、教えていただきたいです。

あびる:僕自身はもちろん美容師をずっと続けていくつもりですが、美容師って、アイデア豊富で発想力豊かな人が多いと思うので、美容業界以外にもアパレルや飲食など多面的なチャレンジができるんじゃないかと考えています。例えば、僕は香水が好きなので、それを作れたらいいな、とか。

あびる:同時に、sand を日本一の美容室にしたいという思いもあるので、よりマネージメントに力を入れていきたいですね。具体的には、売上が伸び悩んでいるスタイリストに対してコンサルできるようになりたいので、そういった理論も勉強したいです。

桑名:それは、適任だと思います!楽しみにしてます。 最後に、急スピードで成長を続けているあびるさんから、同世代や若手の美容師さんに、「こういうことをやるといいよ」というアドバイスをいただけますか?

あびる:意外に思われるかもしれませんが、僕は、結構流されやすいタイプなんです。そして、人間って流されやすい人の方が案外多いのかもしれません。

でもそれは悪いことじゃなく、周りの環境が良ければ、そちらに流されるというポジティブな面もあるはず。「自分って流されやすいタイプかも」と思っている人は、思い切ってそれを利用して、素直に周りのアドバイスに耳を貸してみるのがいいと思います。

あびる:Instagramにしても、自分の世界観をアピールするのもいいけれど、それで結果が出なかったらまずは流行っているものをマネしてみるとか。僕たちはまだまだ、たくさんのことを吸収できる世代だと思うので、まずは何色かに染まってみて、その次に自分の色を考えてみるのもいいかなと感じます!

PROFILE
プロフィール
あびるしょうた
sand Scene 店長

あびるしょうたShota Abiru

高津理容美容専門学校卒業。都内サロンでアシスタント経験を経てsandのメンバーに。アシスタント時代からInstagramで積極的に自ら手掛けたスタイルを売り出し、ボブスタイルや『天使の羽根バング』で人気を集める。20年1月にスタイリストデビュー、順調に顧客を増やし21年4月にsand Sceneの店長として多方面で活躍中。

EDIT
編集
桑名 真理子

Director桑名 真理子(くわな まりこ)

メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。

須川 奈津江

Writer須川 奈津江(すがわ なつえ)

フリーランスの編集・ライター@東京東側。お仕事は美容師さんメディアでの執筆、教育、健康、レシピ本などの実用書・ライト文芸の編集などなど。

トカジ ショウタ

Photographerトカジ ショウタ

人気美容師として活動する一方で、写真&映像クリエイターとして活躍中。サロンのIV/CM/コーポレートビデオ、芸能事務所のMVなども手掛け、業界から注目される。