もしも、あのとき美容師さんがいたら?【vol.01】-パーティースタイル編- ビューティの最前線を走るJE SUIS HEUREUSEが提案!
普段とは違う装いをしたいスペシャルな日、プロのヘアメイクさんにお願いできたら一体どうなる!? セルフスタイリングとプロのスタイリングを比べれば、その偉大な力に改めて気付かされるはずです。ヘアメイクアップアーティストを中心とするクリエイティブ集団JE SUIS HEUREUSE(ジェシーウール)のみなさんに協力していただきました。今回は【結婚式のパーティーお呼ばれ編】です。プロの力をとくとご覧あれ!
SPECIAL CONTENTS
2021.10.28
JE SUIS HEUREUSEとは?
ヘアデザイナー、メイクアップアーティストが集うクリエイティブ集団。メンバー一人ひとりが唯一無二のアーティストとしての個性を発揮し、サロンワーク、クリエイティブワークを展開。美容の枠にとらわれない作品を生み出しています。
本企画では、全体のディレクションとヘア・撮影はRyo Ishiyama、メイクはRie Yoshizawa、トータルバランスを見るキュレーターはRisa Okochiが担当。3名のアーティストがプロならではのお呼ばれスタイルを提案します。
セルフスタイリングとJE SUIS HEUREUSEが提案するパーティースタイリング
■セルフでのパーティースタイルの特徴とは?
Risa Okochi(以下、Risa ):上品で洗練されたセミフォーマルなファッションをセレクトする傾向にあります。結婚式参列の場合、ネイビーやブラックなど落ち着いたカラーが定番。パールのアクセサリーで程よい輝きや華やかさをプラス。セルフでヘアアレンジは思った以上に難しく、特にパーティーシーンのように華やかに仕上げるのは至難の業。簡単にかわいく仕上がる『くるりんぱ』などが人気です。
■JE SUIS HEUREUSEが発信するパーティースタイル
Ryo Ishiyama(以下、Ryo):ファッションやビューティ感度の高いお客さまを想定し、コーディネートしました。今回私たちが提案するパーティースタイルの、メイク・ヘア・ファッションをそれぞれ解説します。
依頼者の期待にただ応えるだけなら、プロの仕事とはいえない
Ryo:結婚式のお呼ばれなどの、パーティーファッションやヘアって無難にコーディネートする「暗黙のルール」みたいなものがあったと思います。でも最近ではあまり気にしない人が増えてきて、考え方の幅が広がってきた気がしますね。僕たちは今回「暗黙のルールなんてあんまり気にしないよ」というファッショナブルな人に向けて考えました。なので、本人がやりたいイメージに僕たちプロの視点を放り込んでいった感じです。
Ryo:僕らはファッション誌や業界誌など多角的に活動しているので、仕事柄たくさんのイメージソースを持っているんですよね。直球でモデルさんに似合うものというよりは、新しい発見や驚きがあるものを出していきたい。その人が「これまで見たことがない自分」をつくるから、やや攻め気味な表現になるんですよね。おのずと創作要素も強くなる。でもこれが、僕たちのようなプロのヘアメイクを頼むメリットだと解釈しています。
Ryo:今回も「これも似合うと気づいていなかったでしょ?」というものを出していきたいと思いましたし「自分が求めていたものとは違うけれど似合ってよかった」という体験をしてもらいたかった。作品を通じて、この想いがみなさんに伝わってくれたらうれしいです。
「新しい自分の魅力」を引き出して、最高の1日を過ごしてほしい
Rie Yoshizawa(以下、Rie):「せっかく依頼いただいたのだから、ご自分では思いつかないデザインを施したい」と考えるのは私も同じです。少し冒険するというか「こんなものも似合うんですよ」という提案をしたいと考えました。
一般的なパーティースタイルって、ある程度のイメージがつくと思うんですよね。レースなどのエレガントなドレス、セルフアレンジでくるりんぱや巻き髪、アクセサリーはパールなどで無難に…みたいな。TPOにあうメイクや服があるからそれも仕方がないことではあるんですけれど、私たちはもっと楽しんでもらいたいんです。
Rie:今は、ウエディングドレスだってパンツスタイルやミニスカートなどスタイルが多様化しているので、招待される人ももっと楽しんでいいはず。なので、普段のおしゃれとはまた違う、新しい自分の魅力を引き出すメイクができると、その日がよりスペシャルな日になるだろうなと思っています。だから、メイクもお顔のパーツに普段とは違う主張を持たせてみました。
Rie:たとえば、アイメイク。私は目と眉が一体となって目元が強調されるものだと考えています。最近では眉毛が印象的なメイクにするのがトレンドになっていますが、眉に色を引くのではなく、アイブロウ専用のワックスを使用して毛を立たせてボリュームを出すことで目立たせています。
Rie:目元はブラウンなどのベーシックな色を使わず、華やかさを出すためにshu uemuraのグリッターでラメ感のみで仕上げて、眉と目元のバランスをとるデザインにしました。お肌に関しては赤みがあるところは消すくらいで、基本的にはナチュラルに仕上げています。
コレクションのバックステージで使われる技術と美学を注入
Ryo:ヘアに関していえば、ハーフアップのボリューム感ではあるんですけど、オールダウンスタイルなんですよ。ストンとしたダウンスタイルだとカジュアルすぎるので、「くびれ」をつくることでメリハリのあるフォルムにしました。これは、くびれを出したい部分にヘアネットで押さえてカーブをつくり、そこにハードスプレーをかけるとできます。
Ryo:ヘアピンを使ったアレンジもポイントです。ウェットな髪に太めのコームを通して、毛束の間から地肌が少し見えるような感じにしたあと、ピンを左右から挟み込んでいます。ちなみに使っているのは市販されている普通のゴールドピンです。
Ryo:また、今回はファッションコレクションのバックステージで使われるような技術や美学でつくっています。たとえば、ヘアにピンをたくさんつける手法などは、実際にハイエンドなブランドのステージでも使われていたりするんですよ。
ヘアとメイクに合わせて、かっこいい女性像を打ち出した
Risa:今回のファッションは私がメインで決めています。基本的にヘアとメイクに合わせるので、昨日の時点でイメージは固めていました。当日、実際にモデルさんが着たときの印象と、あらためてヘアとメイクの感じを見ながら、足したり引いたりして調整しています。
Risa:一般的なお呼ばれスタイルはシンプルで、パールのネックレスをつけて…という感じだと思いますが、今回はもっと遊び心を出したいと思いました。ドレスがキャミソールとチェーンだったのですが、それだとあまりにも肌見せ感が強いかなと感じたので、ベストのジャケットを合わせてみたり…。あんまりやらない組み合わせだけれど、このヘアとメイクならいけるんじゃないかとか、みんなとコミュニケーションしながらつくっていきました。
Risa:お呼ばれではふわっとした女の子らしい格好をするものっていう固定観念があると思うんですけれど、そのスタイルに抵抗がある女性も少なくないと思うんですよね。今回のようにかっこいい女性像があってもいいんじゃないかなと。スカートとパンツの組み合わせなどにも、今回のスタリイングのこだわりを込めています。
Rie:特別な日に、自分の新しい魅力をみつける。これは人の手を借りたりすることでできることだと思います。だからこそ私たちは、新しい魅力をみつける手助けをしたい。髪の毛がサラサラになるとか、キレイなスタイリングをするとか、それだけでは不十分です。期待を100%満たすのは当然で、200%で返せるくらいの仕事を、私たちはしていくべきだと思っています。
Ryo Ishiyama
神奈川県出身。kakimoto arms、フリーランスを経てJE SUIS HEUREUSEを立ち上げる。自らサロンワークとヘアメイク業を行いながらプレイングオーナーとして活動。ヘアに特化したスタイリスト。サロンワークの傍ら、ヘアメイクに関わる仕事をチームで承っており、アートディレクターとしてビジュアルの企画構成を含む監修も行う。
Rie Yoshizawa
神奈川県出身。外資系化粧品ブランド所属アーティスト、フリーランスを経てJE SUIS HEUREUSEに参画。現在、メイクアップアーティストを育てるMake Up Artist HEROESのメイク講師としても活動しながらTVやCM、広告 セミナー等でメイクを行っている。
Risa Okochi
10年以上のサロンワーク歴とヘアの経験を持つヘアデザイナー。主にビーチテクスチャーを得意とする。ブレイズヘアやロングヘアのデザイン力に定評があり、NEW YORK COLLECTIONやTOKYO COLLECTIONのバックステージ参加経験を有する。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Writer外山 武史(とやま たけし)
SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。