人気サロンの“らしさ”を紐解く! 4人でInstagramフォロワー数8万3000人以上! iLe.を代表する美容師たちが織りなすカラーマジック【前編】

お客さまはもちろん、同業者である美容師からも常に注目を浴びる人気サロン「iLe.」。代表の酒井元樹(さかいもとき)さんと西村涼(にしむらりょう)さんをはじめとして、スタッフ一人ひとりがスペシャルなカラーを生み出す美容師です。
そこで今回は、代表2人と人気急上昇中の2人のスタッフを交えて、「iLe.」のカラーの魅力を語っていただきました。インタビューは前後編の2本立て。
前編では、4人が現場で感じているカラーのトレンドや、理想のカラーにするための美容師への伝え方、カラーを維持する方法についてアドバイスをいただきました。

SPECIAL CONTENTS

2021.11.30

INDEX
目 次

iLeのカラー四天王! メンバープロフィール紹介

左から樗沢郁美さん、酒井元樹さん、西村涼さん、小林隼人さん
左から樗沢郁美さん、酒井元樹さん、西村涼さん、小林隼人さん

代表 酒井元樹(さかいもとき)さん

都内サロン勤務の後フリーランスとして活動。iLe.を立ち上げる。極力ダメージレスでお客さま一人ひとりに合わせたデザインを提案。カラーセミナーの依頼多数。

代表 西村涼(にしむらりょう)さん

都内サロン勤務を経て、表参道を拠点にフリーランスでの活動を開始。iLe.立ち上げに参画。バレイヤージュが大人世代の女性からの支持を集める。海外で活躍する美容師とも親交が深い。

スタイリスト 小林隼人(こばやしはやと)さん

西村涼さんのフリーランス時代からアシスタントをしていた。iLe.の創業メンバーのひとり。外国人風カラーに定評がある。バレイヤージュ・シャドールーツが得意。

スタイリスト 樗沢郁美(ぶなさわいくみ)さん

酒井元樹さんがフリーランスの時代からアシスタントをしていた。iLe.の創業メンバーのひとり。ファッションにあわせたトータルコーデの提案が得意で若い女性からの支持を集めている。

4人のカラーの匠が得意分野を持ち寄ってできたサロン

bangs編集部(以下、編集部):今日はよろしくお願いします。早速ですが、サロン名の「iLe.」ってどんな意味なんですか。

酒井元樹(以下、酒井)iLe.の語源はフランス語の「島」です。僕は島めぐりが好きなのですが、どの島にも温かい空気が流れていて、そこで助け合いが繰り広げられています。このサロンもそういう場所にしたいと思いました。スタッフやお客さまと心を通わせながら、素敵なヘアスタイルを提案していけたらと願っています。

iLe.のメンバーはそれぞれ得意なカラーが違います。ひとつの技術に特化せずに、それぞれスペシャルなカット、カラーを提案できるのがウチの強みです。僕は極力ダメージレスで、ツヤツヤなカラーカットを提供しています。

西村涼(以下、西村):もともと僕はフリーランス美容師をしていて、お店を出すつもりはなかったんですよ。でも、アシスタントについてくれていた小林くんがいるので、彼がデビューする場所をつくってあげたいと思い、iLe.の共同代表になりました。ちなみに僕は、ライフスタイルに合わせたバレイヤージュ・ハイライトが得意です。

小林隼人(以下、小林):西村さんが提案している日本人の雰囲気に似合うバレイヤージュなど、細やかな技術をもっと学びたいと思いましたし、「気づき」をくれる方なので一緒についてきました。西村さんから学んだバレイヤージュとシャドールーツをウリにしています。

樗沢郁美(以下、樗沢):私は酒井さんのつくるヘアのどれを見てもかわいいから、この人についていけば間違いないと思ってこれまでやってきました。私は酒井さんからの学びを生かして、お客さまのファッションや感性にあわせた、ブリーチヘアを提案しています。

「最近増えたのは緑系カラー。おしゃれな人たちが注目しています」【酒井】

編集部:4人それぞれ得意分野が異なるところが、サロンの魅力にもつながっているわけですね。では、みなさんが考える「この秋冬に人気が出そうなカラー」を教えてください。

樗沢:私のお客さまはブリーチカラーが多いのですが、中明度の暖色系が増えてきそうだなと思っています。ベージュだけれどちょっとピンクを入れたり、ラベンダーを入れたり、遊びを入れる提案が喜ばれることも多いです。

酒井:最近増えたなと思うのは緑系ですね。ちょっとくすみのある緑系、青系が今のトレンドだと思います。

僕のお客さまには美容師さんがすごく多いんですよ。トレンドに敏感な人たちが選ぶカラーだし、美容系のインフルエンサーや芸能人、モデルさんなども緑系が目立つから、それを見て試したくなる人が増えてくるんじゃないでしょうか。緑ってファッションとも相性がいいし、意外とハマりやすいカラーなんですよ。

西村:僕のお客さまはあんまりシーズントレンドってなくて。色が落ちてもきれいなグラデーションになるようにバレイヤージュをつくっているので、来店周期も半年から8カ月くらいなんです。なので、短期のトレンドというよりは、お客さまに寄り添って長期計画でキレイな髪をつくっています。

小林:僕はシャドールーツという、根元は暗めで毛先は明るめのカラーを提案しています。西村さんのバレイヤージュほどではないけれど、キレイな髪が長持ちします。湘南スタイルというか、海辺の雰囲気が好きな人に人気です。

個人的には、中明度のピンクとシルバー、ベージュ…などがミックスしたようなオリジナルのカラーを推しています。お客さまには「これ、何色ですか?」って聞かれるんですが、そうやって尋ねられること自体が、自分的にとって正解って感じです。

「なぜその髪にしたいんですか? と聞いてから計画を立てます」【西村】

編集部:みなさんがデザインをする上で、強く意識していることを教えてください。

酒井:僕はデザインカラーとカットをリンクさせることですね。特に顔まわりの髪の毛の動きや柔らかいフィルムと、カラーとの相性が大切。カット技術を磨いて引き出しを増やすことで、一人ひとりにオンリーワンのデザインを提供していきたいです。

西村:僕はまずお客さまに「どうしてその髪にしたいんですか」と尋ねて、お客さまの目的やライフイベントに合わせて計画を立てて進めていきます。サロンにこなくてもカラーを維持して楽しめるのがいいのか、それともサロンで定期的にメンテナンスしながらキレイな髪をつくるのか、それによって施術内容も異なるので。

お客さまはInstagramを見て、「この髪にしたい」というイメージを持ってきてくださるんですが、話を聞いた上で「もしかしたら似合わないかも」「おうちで維持できないかも」と感じたら、お客さまの希望と違う提案することもあります。

小林:僕が提案しているシャドールーツは根元が暗めなので、全頭カラーと比べるとさまざまな色に挑戦しやすいと思うんですよね。だから、お客さまがこれまでやったことがなさそうな色を提案したりしています。

樗沢:私はお客さまの気分に合わせた提案にこだわっています。お客さまは大学生や専門学校生など、比較的若い方が多いので、「就活が終わったので、今のうちしかできないカラーをやりたい」「夏なのでハイトーンにしたい」とか、イメージを持ってきてくれるんです。

話を聞き出した上で、それを具現化するイメージですね。わかりやすいところで言うと、ライブに行きたいなら「推しと同じカラーにしましょう」とか。お客さまは具体的にどんな風に変えたいのか、言葉でうまく伝えられないと思うんですよ。なので、カラーも顔まわりの雰囲気も、お客さまの気持ちを引き出してあげる。お客さまと同じ目線でつくるようにしています。

「『これはやりたくない』というカラーも教えてほしいです」【樗沢】

編集部:お客さま側は、やりたいカラーを伝えたいときどんな伝え方をしたらいいですか?

西村: 画像を見せてほしいです。

樗沢「これはやりたくない」というものをあえて見せてもらうのも大事かもしれないです。たとえば、ベージュと言ってもいろいろな種類があるので、「このベージュは嫌です」という感じで伝えてもらえると外しにくくなるので。なので、「やりたい」と思う画像と、「やりたくない」と思う画像の両方があるといいと思います。

西村:あと僕は、ライフスタイルに合うかどうか確認しますね。例えば、見せてくれた画像が、レイヤーの入っている「巻かないときまらないスタイル」なのに、お客さま自身はおうちでは全然巻かないというパターン結構多いんですよ。

西村:だから、普段どういうライフスタイルをしているのかによって合わせていきます。場合によってはお断りすることもありますね。やっぱり、お客さまがやれる範囲のヘアにしないと楽しめないと思うので。

「ごまかしが効かない『動画』をあげている人は信頼できます」【酒井】

編集部:InstagramなどのSNSでカラーの上手な美容師さんを見極めるコツを教えてください。

酒井:基本的にみんな自分が100%実力を出せた作品しかアップしていないんですよ。なので、同じ作品が何度も上がっているケースもあります。そうではなくて、作品のレパートリーがたくさんある人は上手だと思いますね。それだけ日々良いものをつくることができている証拠なので。例えば、1日の投稿が2つ、3つくらいあってそれが全てかわいい人は絶対に上手いですね。

あとは施術動画をあげている人は間違いないです。動画はごまかしが効かないですから。

西村僕はハッシュタグを使っていないのにフォロワー数が多くて、「いいね!」も多い美容師さんは上手いと思いますね。どうしてかというと、フォロワーのみなさんは本当にその美容師さんの作品が好きでフォローしているからです。

「サロンにくるときは髪に何もつけないでください!」【西村】

編集部:では最後の質問です。髪をキレイに染めてもらい、それを長く楽しむためにお客さま側でできることを教えてください。

西村:僕はサロンにくるときは、「絶対に髪に何もつけて来ないでください」とお願いしています。そうしないとダメージの判断ができず施術をしにくいんです。何もつけなかったらバサバサな髪も、オイルがついていたらある程度ツヤツヤに見えるし。素の状態でないと、正しい施術の組み立てができませんから。

樗沢:極論ですけど、髪を洗いすぎないことも大事です。毎日、刺激が強いシャンプーで洗って、ドライヤーで乾かしていたらどうしても髪が痛みます。カラーも流れていってしまいます。シャンプーもいいものを使って、できるだけ優しく洗ってほしいですね。

西村:うちは「ALORB」を勧めています。

酒井:ハイダメージ用で、どんな髪も結構サラサラになりやすいです。お客さまにもキレイな髪を維持してもらうために勧めているホームケア商品です。

編集部:「ALORB」は要チェックですね。みなさん、今日はありがとうございました!

-後編は、実際にiLe.のみなさんが生み出す、カラーヘアスタイルを紹介! 作品に込めた思いやiLe.の魅力について、うかがいます!お楽しみに!

PROFILE
プロフィール
酒井 元樹
iLe. 代表

酒井 元樹さかいもとき

都内サロン勤務の後フリーランスとして活動。iLe.を立ち上げる。極力ダメージレスでお客さま一人ひとりに合わせたデザインを提案。カラーセミナーの依頼多数。

PROFILE
プロフィール
西村 涼
iLe. 代表

西村 涼にしむらりょう

都内サロン勤務を経て、表参道を拠点にフリーランスでの活動を開始。iLe.立ち上げに参画。バレイヤージュが大人世代の女性からの支持を集める。海外で活躍する美容師とも親交が深い。

PROFILE
プロフィール
小林 隼人
iLe. スタイリスト

小林 隼人こばやしはやと

西村涼のフリーランス時代からアシスタントにつき、iLe.の創業メンバーとして参加。外国人風カラーに定評がある。バレイヤージュ・シャドールーツが得意。

PROFILE
プロフィール
樗沢 郁美
iLe. スタイリスト

樗沢 郁美ぶなさわいくみ

酒井元樹のフリーランスの時代からアシスタントにつき、iLe.の創業メンバーとして参加。ファッションにあわせたトータルコーデの提案が得意で若い女性からの支持を集めている。

EDIT
編集
桑名 真理子

Director桑名 真理子(くわな まりこ)

メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。

外山 武史

Writer外山 武史(とやま たけし)

SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!

菊池 麻美

Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)

多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。