寒い冬こそ明るめの暖色で楽しむ2WAYマッシュショート -bangs cover 2022.1月- vol.1 CANAAN 立石純也さん【前編】
bangsに登録されている美容師さんの中から、常に洗練されたスタイルで読者を惹きつけるスタイリストにフィーチャーし、2022年冬・春におすすめのスタイルを紹介していただきます!
記念すべき第一回は、CANAANの立石純也(たていしじゅんや)さんです。おすすめのスタイルを前後編の2回に渡ってご紹介します。それでは早速前編からどうぞ!
SPECIAL CONTENTS
2022.01.06
立石純也さんってこんな人!
千葉県佐倉市出身。千葉美容専門学校を卒業後、県内大手チェーン店で勤務。22歳でスタイリストデビューを果たすも脳梗塞で入院。その後、入退院を繰り返しながらも、美容師として結果を出し続ける。28歳で代表の長崎氏に憧れてCANAANに入社し、アシスタントから再スタート。現在はカラーをはじめとする美容技術に精通し、外部講師も務める。
カラーのカリスマCANAAN長崎氏のもとで学ぶ
もともと千葉県で美容師を始めました。2年でスタイリストデビューしたものの、24歳の時に脳梗塞で入院をしまして。2年間くらいは入退院を繰り返しながら仕事をしていました。
体調が戻っていよいよ美容師に全力で挑めるようになったのが26歳、27歳くらいのころ。当時からCANAAN代表の長崎のセミナーに参加して、カラー技術の説得力や、見る人を楽しませるプレゼン力に憧れていたんですよね。
人生は一度きりだし、憧れの人の近くで働きたいということで、CANAANに客として通いながら、入れるタイミングをうかがっていました。念願叶って入社し、アシスタントから学び直してスタイリストになり、今に至るという感じです。
大きな病気を経験し、働きたくても働けなかったことがあるからこそ、こうして働けることを幸せに感じています。
インストラクターとして他サロンの教育にも貢献
カラーをテーマにした外部講習やオンラインセミナーを担当しています。そのためエデュケーション・インストラクターという肩書きがついているんですよ。カラー技術のベースとなっているのは代表の長崎の理論なんですが、それをもとに僕の理論も加えることで、かなり幅広いニーズに対応できるようになりました。今はハイライトカラーやグレージュなど特定のカラーに特化している美容師さんが多いですが、僕はどんなカラーもできるし教えられる自信があります。
【2022年ウィンター・スプリングヘア①】2WAYで楽しめるマッシュショート
2022年の冬春おすすめは、後ろや首回りも短く切ったマッシュショートです。どちらも同じモデルさんでヘアカットは一緒なのですが、毛先を動かすスタイリングと、髪を寝かせるスタイリングで雰囲気をガラッと変えられます。
ファッションやメイク、撮影スタイルが違うから、全く印象が異なりますね。この作品は、お客さまだけではなく、美容師さんにも支持されました。
カラーは僕が担当したわけではないのですが、ベージュ系が入っていてこれが髪の動きをいい感じに強調しています。ちなみに、冬や春の季節感を出したいときは、明るめの色がおすすめです。そのほうが柔らかく見えるし、髪を動かしたときもかわいくなります。
反対に夏は暗めの色のほうが涼しげに見えるんですよ。夏は明るい色、冬は暗い色というのは、僕が思うに学生時代の名残りです。夏休みに明るい色に髪を染めて、新学年に備えて髪を黒くするみたいな。
真冬に真っ黒のショートヘアをするのはおしゃれな人は似合うんですが、一握りなのでおすすめできないです。それよりは明るめでボリュームあるヘアのほうがかわいく見えますよ。
【2022年ウィンター・スプリングヘア➁】「ブリーチしないハイライト」で遊び心あるボブに
ベースはほぼ切りっぱなしのボブなんですが、ちょっと遊び心を出した作品がこれです。カラーはハイライトが入っているように見えますが、明るい色だったところはホイルで巻いて保護し、それ以外のところにベージュ系のカラーを入れています。僕はこのやり方を「ブリーチしないハイライト」と呼んでいます。前髪も正面も目に入る部分は全てハイライトが入っています。
耳周りの空間で奥行きも出るようにしてあります。直毛で柔らかい髪の毛だったんですけれど、あえて、切りっぱなしにしなかったのは、やっぱりみんなと同じだとつまらないから。あえて動きを出してみました。
36mmのコテで髪を巻いています。スタイリングにはWELLAのオイルスプレーを使いました。
これを使うといい感じの質感を1日維持できますし、ベタっとしないんですよ。唯一の欠点は、オイルが床についてしまうこと。美容室で使う分にはいいんですが、おうちで使うときは汚れないように注意が必要ですね。
季節感やトレンドよりも「似合わせ」を重視
僕が一番意識しているのは「似合わせ」ですね。季節感やトレンドをとり入れることも考えますけれど、そもそもお客さまやモデルさんに似合うことを大前提にしています。だから作品撮影をするときも、ヘアスタイルよりも先に、モデルさんと衣装を決めていますね。きれいめが似合うならきれいめのヘアを考えるし、カジュアルならカジュアルにするし。その人が持つ空気感で決めることも多いです。
お客さまのお顔も骨格も髪質も異なるので、今回紹介したショートと全く同じスタイルをつくれるとは限らないのですが、お客さまに似合うように形を変えて提案するのが美容師の仕事です。
顔の形や髪質、お顔の雰囲気が違うからといって諦めるのではなく、なりたいヘアスタイルの写真を美容師に見せて相談してください。上手い美容師なら、似合わせてくれるはずですよ!
立石 純也たていし じゅんや
千葉県佐倉市出身。千葉美容専門学校を卒業後、県内大手チェーン店で勤務。22歳でスタイリストデビューを果たすも脳梗塞で入院。その後、入退院を繰り返しながらも、美容師として結果を出し続ける。28歳で代表の長崎氏に憧れてCANAANに入社し、アシスタントから再スタート。現在はカラーをはじめとする美容技術に精通し、外部講師も務める。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Writer外山 武史(とやま たけし)
SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。