サロモになりたい子、必見! 女の子の新たな魅力を引き出す大人気の美容師さんがモデルに求めていることって?【前編】

毎日のように作品を生み出す人気スタイリストにとってモデルさんはかけがえのないパートナー。美容師はモデルさんとどこで出会っているの? モデルさんのどんなところを見ているの? 美容師に愛されるモデルさんの特徴は? 「この人が切ったモデルはブレイクする」とささやかれる人気モデルのプロデューサーGARDEN津田恵(つだ めぐみ)さんに伺います。インタビューは前編・後編 の2本立てです!

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2021.07.27

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かわいい子を見つけると追いかけたくなる…!

まだ私がアシスタントだったころ、街でかわいい子を見つけたら走って追いかけたりしていましたね。ずっとかわいい子を探すレーダーを発信している状況でした(笑)。

みんな原宿の交差点でひたすら女の子に声をかけたりしていましたが、当時はそれが普通だったんですよね。その癖が抜けないので、今も電車の中でかわいい子をみつけるとじっと見てしまいます(笑)。

これまでに知り合ったモデルさんの数は…もう数えられないですね。1000人を超えているかどうかはわからないですけれど多分、500人は超えていると思います。私から声をかけた数で言えばその何十倍にもなるはずです。

ファーストコンタクトがすごく大事なので、「すみません。私美容師なんですけど…」と名刺を出しながら怪しいものではないことを説明していました。

モデルハントに慣れている子からスルーされることもあったりしましたね。でもそれが当たり前だったから凹むこともありませんでしたけれど。

Instagramの登場でモデハンのかたちがガラッと変わった

私が直接ハントしていたころは、王道のかわいらしいモデルさんを見つけることが撮影の仕事にダイレクトにつながっていたんですよ。今のようにSNSで自由に連絡を取り合うことはなくて、モデルさんと連絡をとりたいときは、そのモデルさんを見つけたアシスタントを通す、みたいな感じだったんです。

だから撮影の仕事をたくさん抱えている先輩美容師が、オファーしたがるモデルさんの連絡先を知っていると、撮影のときにも自分も同行させてもらえるんですよね。現場で撮影の仕事を見て学ぶためにも、モデルハントは重要な仕事だったんです。

私たちは常にモデルさんを探しているんですよ。撮影が入ったときに突発的に探すのではなくて、普段から素敵なモデルさんを集めています。その中から撮影のテーマに合うモデルさんに相談するという感じです。

モデル志望なら過度な写真加工はNG!

最近ではリアルでのハントよりも、SNSを使ったハントの割合が増えています。ただし、Instagramなどで探すときにちょっと怖いのはすごく加工されているケースがあること。今って簡単に肌質も骨格も変えられるじゃないですか。あとはカラコンをしている場合もありますし。

なので、私はできるだけ写真の加工をしていない、ほとんどすっぴんのようなナチュラルな姿がわかる写真を見たいですし、実際にお会いしたほうが安心ではありますよね。

撮影のときはスタイルのバランスが大事。背が高いのか、華奢なのかなど、その撮影テーマに合った体型も求められます。そういうところはInstagramだけじゃ見抜けない。だから、気になる人がお友達にタグ付されている写真も探したりします。タグ付けされている写真は、加工されていない可能性が高いので。

こんな感じでどうしても慎重になるので、Instagramで見つけたモデルさんの場合は、必ず顔合わせをしています。顔合わせをして初めてわかることがたくさんあるんですよ。例えば、モデルさんは学生なのか社会人なのか。どんなライフスタイルで、どんな人柄なのか、髪をバッサリ切っても大丈夫なのか、などなど。そういうパーソナリティーの部分が、作品に投影されます。

モデルさんの新しい魅力を発掘し、自信を持ってもらうことが私の仕事

私が大切にしているのは、モデルさんの顔立ちや骨格、内面から滲み出る魅力など、その人の素敵なところを引き出すことです。なので、モデルさんがコンプレックスだと感じているところ…例えばエラが張ってみえるだとか、ダメだと思っているところをチャームポイントに変えてあげられるようなヘアを目指しています。新しいヘアスタイルと出会って、変身してほしいんですよ。

私の撮影の仕事がきっかけで、モデルさんの本当の新しい魅力が多くの人に気づかれるきっかけになって、そこから撮影のオファーが殺到する…というような感じになるとうれしい。これはモデルさんだけに限らないのですが、女性の背中を押す美容師でありたいと思っています。

モデルさんの新しい魅力を発掘し、自分に自信を持ってもらうことが美容師の本来の仕事だと思っていますし。ヘアスタイルが変わるだけでこんなに印象が変わるんだ…っていう体験をしてほしいんですよ。

まだ磨ききれていない「原石」のような女の子が好み

そのサロンや撮影のテーマ、美容師さんの得意な技術などによって、求められるモデルさんは異なります。私の場合は、まだ見えない可能性というか、原石のようなモデルさんが好みです。言葉は悪いですが、田舎から出てきたばかりのピュアな感じが滲み出ているような子といいますか(笑)。

自分がかわいいことを知っていて、一番かわいい角度で自撮りをしているモデルさんもいいんですが、やっぱり自分の手で輝かせられるモデルさんを探しているときが楽しいんです。

撮影の内容も、ヘアカタログなのか赤文字系の雑誌なのか、それとも美容業界誌なのかでまったく変わってきます。カットする長さも衣装も毎回違うんです。

なので、モデルをお願いする立場としては、例えばギャル系とかカテゴライズされていない人のほうがありがたい。そのほうが相談しやすいですし、モデルさんの新しい一面を発見しようっていうモチベーションも上がります。なので、モデルさんのニュートラルで飾らない姿を見たいんです。

PROFILE
プロフィール
津田 恵
Laf from GARDEN Creative Director

津田 恵Megumi Tsuda

2020年2月6日 銀座新店舗 ” Laf from GARDEN”の立ち上げに参加。GARDENのクリエイティブディレクターとして多方面で活動しつつ、サロンワークでは最新のトレンドを取り入れながらも、お客様のライフスタイルにフィットするヘアスタイルを提案。再現性の高いラフでナチュラルなスタイル、特にショートやボブが得意。

EDIT
編集
桑名 真理子

Director桑名 真理子(くわな まりこ)

メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。

外山 武史

Writer外山 武史(とやま たけし)

SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!

菊池 麻美

Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)

多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。