どのヘアスタイルもパーフェクト美容師! JENO代表/堀江 昌樹の作る4ヘアスタイル徹底図鑑! <ショート・ボブ>【前編】
木のぬくもりを感じる空間と、髪に優しいオーガニックでダメージレスなメニューを用意し、シンプル&ナチュラルかつおしゃれ感のあるヘアデザインを提供するJENO。その代表が堀江 昌樹(ほりえまさき)さんです。堀江さんは日本最高峰のクリエイティブコンテスト「JHA(Japan Hairdressing Awards)」「THA(Tokyo Hairdressing Award)」でも評価され、「KAMI CHARISMA 」にも選ばれている「ヘアデザインの匠」。その巧みな技術で、どんなスタイルもハイクオリティに仕上げる“パーフェクト美容師”です。
今回は、そんな堀江さんが作るショート、ボブ、パーマ、カラーの4種類のスタイルを、堀江さんのこれまでの軌跡と合わせて紹介します。前編はショートとボブです。ぜひ最後までご覧ください!
SPECIAL CONTENTS
2022.04.20
JENOの堀江昌樹さんって、こんな人!
JENO 代表 堀江 昌樹(ほりえまさき)
ル・トーア東亜美容専門学校を卒業後、新卒でapishに入社。早くから頭角を著しし、「apish jeno」の店長を経て、全店統括のクリエイティブディレクターに就任。2017年2月に自身が代表を務める「JENO」をオープン。ナチュラル・シンプルをベースに幅のあるデザイン力で雑誌、セミナー、ヘアショーなどマルチに活動。JHA、THAなど有名コンテストでの受賞歴多数。
美容師なのに、撮影のために氷の彫刻を用意!?
僕は一般誌や業界誌で活躍する美容師になることが夢だったので、大阪の美容専門学校を卒業後、チャンスの多い東京にきました。
アシスタントの1年目からapish代表の坂巻(坂巻 哲也さん)の撮影に同行して、撮影時にモデルさんの背景をつくる役目をもらっていたんです。例えば、撮影のテーマが氷の世界だったとしたら、氷の彫刻をつくって現場に持っていきました。秋の森の中だったら落ち葉を集めて撮影現場に持っていったりしていましたね。美容師なのに舞台の大道具さんのような仕事をしていました。
なぜそういう仕事をもらっていたのかというと、代表からおそらく「絵心のあるヤツ」と思われていたから。僕は小学生くらいのころからアートに興味があって、学生時代に抽象画を描いたりしていたんですよね。apishの面接でも自分で描いた絵を持参しました。こうした背景があって撮影に呼んでもらえたのだと思います。早くから撮影現場の空気を体験させてもらったことは自分にとって大きかったですね。
今も、初心を忘れず、アシスタントと同じ目線でいることを大事にしています。自分がつくるヘアはどうしても古くなると思いますが、そうならないようにするためには、これからの時代をつくる10代、20代の感性や目線が不可欠だからです。特に女の子がかわいいと思うものをつくることができる自分でありたいと思います。
「シンプル・ナチュラル・フラット」なヘアデザインにエッジの効いた要素を加える
今の自分の強みは「シンプル・ナチュラル・フラット」を軸にしたヘアデザインです。そこにクールさやエッジのある要素をプラスして、クリエイティブ寄りにすることもあれば、よりナチュラルにまとめることもあります。
「シンプル・ナチュラル・フラット」を軸にしたヘアデザインとは、「いつ誰が見てもかわいいと思ってもらえるもの」です。それを実現させるには、ベーシックカットを軸とする技術が不可欠。シンプルでナチュラルだからこそ「乾かすだけでもまとまるヘア」をつくることができる。基本を大切にしているから、デザインの振り幅を広げられるのです。
僕は技術力と感性が高いレベルで交わったところで、優れたデザインが生まれると考えています。技術がないとイメージしたカタチをつくれないし、技術だけだと教科書通りのヘアしかつくれません。技術と感性を高いレベルに持っていくことが大事だと考え、日々研鑽していますし、後輩に指導をするときにも、そのことを繰り返し伝えています。
堀江流【コンパクトで可愛いマッシュショート】
丸みのあるマッシュショートです。このスタイルのポイントは、柔らかさと硬さ、かわいさとクールさという要素をミックスして、デザインに落とし込んだところです。
カットは、レザーカットとシザーカットを組み合わせています。レザーカットは柔らかさや丸みを出すときに有効なカットです。一方で、シザーカットは前髪のパツっとした質感など、柔らかい雰囲気の中にシャープさを加えるためにつかいます。
基本はナチュラルなんだけど、どこかちょっと攻めていることが伝わりませんか? シザーカットで攻めすぎるとモードな雰囲気になるし、レザーだけだとかわいいだけになってしまうので、10%から20%モードな要素を加えたことが、おしゃれ感のあるデザインにつながっていると思います。
このスタイルでは、束感のあるワイドバングが攻めたポイントですね。モテ系だともう少し表面をふんわりとエアリーに仕上げて、こめかみ部分を長めにすると思います。けれど僕がつくるショートはコンパクトなんですよ。シンプルでミニマムなフォルムだけれど丸みがある。モードな要素もある。しかもそれをお客さまのライフスタイルも踏まえた上で似合わせる。そんなことを意識してつくったヘアデザインです。
堀江流【手ぐしで決まる前上がりミニボブ】
今までのボブはカットラインがフラットなものや前下がりのものが主流でした。これからは顔まわりが少し前に上がっているコンパクトなミニボブが人気になるんじゃないかなと思います。今ならまだ新鮮ですし、他の人がやっていないので「一歩先ゆくおしゃれ感」を出せるかなと。加えて、前上がりのボブは頬骨を隠す効果や小顔効果もあります。
モデルさんの髪質を活かした柔らかいスタイリングはナプラさんと共同でつくった心髪のオイルをつかっています。
また、手ぐしで決まるのもポイントです。これは「TOKIKATA」というシザーコームで生えぐせや絡まりをとって髪質改善をしているから。髪の根元を整えることで、ブローしなくても髪が決まりやすくなります。
-以上、堀江さんの2つのヘアスタイルはいかがでしたでしょうか。 「シンプル・ナチュラル・フラット」を軸にした堀江さんのヘアスタイルは、同業者のみなさんからも注目の的! この春夏のオシャレヘアとしてぜひ検討してみてください。 後編ではおすすめのパーマとカラー、そして現在の堀江さんのご活躍に至るまでのインタビューをご紹介します。お楽しみに!
堀江 昌樹ほりえまさき
ル・トーア東亜美容専門学校を卒業後、新卒でapishに入社。早くから頭角を著しし、「apish jeno」の店長を経て、全店統括のクリエイティブディレクターに就任。2017年2月に自身が代表を務める「JENO」をオープン。ナチュラル・シンプルをベースに幅のあるデザイン力で雑誌、セミナー、ヘアショーなどマルチに活動。JHA、THAなど有名コンテストでの受賞歴多数。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Writer外山 武史(とやま たけし)
SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。