200k超の大人気TikToker美容師・岩本桂弥さんに聞く「人生が変わる！」ヘアスタイルと人生の歩み方

岩本 桂弥さんって、こんな人！

EMANON 岩本 桂弥（いわもと けいや）

福岡県出身。福岡美容専門学校福岡校卒業し、都内の有名メンズサロンに新卒入社。2020年7月にフリーランス美容師に転向。SNSでの集客やブランディングに特化し、10〜20代から圧倒的に支持を受け、美容業界内外から注目を集めている。『EMANON』新宿店と福岡店を行き来しながら活動中。2022年REY合同会社設立し事業を法人化。サロンワークのみならず、撮影やセミナーなど多岐に活躍中。

有名メンズサロンに入社するも、「勝ち目なし」。活路を見出したのがSNSだった

美容学生時代は、「地元の福岡で就職しよう」と思っていたんです。実は…今だから話せるんですけど、当時めちゃくちゃ好きだった彼女がいて。福岡で就職が決まっていたのでそれなら僕も…と考えていたんです。そしたら彼女に「美容師になるなら、日本一にならないとかっこ悪くない？」と言われて、上京を決意。

そうして当時、日本で指折りの有名メンズサロンに内定が決まり、美容師人生がスタートしました。

有名サロンに受かるのは名誉なことなので、美容学校の中でも僕は特別視されていました。自分も多少自信はあったのですが、いざ入社すると実力のある同期たちから差をつけられるばかり…。各学校から指折りの学生が入社してきているので、面食らいました。シャンプーテストは最後から2番目にやっと合格する感じでしたね。

高いポテンシャルを持つ同期と同じように時間を過ごしたら、僕にはまったく勝ち目がありません。どうすればいいのかと考えたときに、当時アシスタント指名がダントツ１位だった先パイは、絶対に毎日SNSを更新していたんです。

その背中を追って僕も努力量で勝負しようとSNSを始めたのですが、1日でも更新しなかったら、先パイにコテンパに言われましたね。

それが悔しくて、絶対に続けてやろうと腹を括り、Instagram、Youtube、Tik Tokの個人アカウントとサロン全体のアカウント、店舗アカウントの3つにそれぞれ3投稿を毎日続けました。1日合計約10投稿と言うと驚きますよね。でも毎日やっているとその習慣が染み付いて、アイデアも浮かんでくるし、勝手に手が動くようになるんですよ（笑）。

フォロワー数0からの再スタート。フリーランスで窮地に追い込まれる

そんな中で、入社3年目を迎えようとしていたのですが、ある美容師さんから「福岡にサロンを出すから一緒に働かないか」と声をかけていただきました。

「地元に帰れるのは嬉しいな」とお引き受し、退職してフリーランス美容師として働きつつ準備を進めていました。その1ヶ月後にその美容師さんが退職して、同じタイミングで福岡に戻ろうと決めてお店を開こうといたのですが…。

なんとその計画が頓挫してしまい、僕はそのサロンで働くことができなくなってしまったんです。

新しいお店では働けない、もちろん元のサロンに「やっぱり戻ります」とも言えないし、途方に暮れましたね…。

僕は、福岡に行くまでの繋ぎとして、一時的にシェアサロンで働いていただけで、フリーランスになろうとはまったく考えていませんでした。

でも、行くあてを失ってしまった以上、新たな場所を見つけてお客さまに来ていただかなくてはいけません。

それからは、やれることは何でもやりました。日中と夜は練習をしながらお客さまをハントして、家に帰ったらSNS用の素材を撮影するというのを毎日繰り返し。SNSも元々運営していたアカウントを消去していたので、新たにつくり、フォロワー0人からリスタート。

寝ようと思って布団に入っても、「予約の通知が来ていないかな」と気になって眠れないんですよ。体が資本ということはわかっていたので、寝なきゃいけないと頭ではわかっているのですが、あまりに不安で何かをやっていないと気持ちが落ちつかなくて…。だから結局動画を撮って編集していました。

僕のSNSで一番バズった投稿も、泣きながら撮ったくらいなんですよ（笑）今となっては笑って話せますが、当時は相当追い込まれていました。

SNSに投稿するにあたって、まず最初に素材にしたのが僕自身です。例えば、TikTokであれば今の構成が完成するまで4年かかっていて、始めは15秒の動画を撮影するのにも3時間はかかっていました。

普通、美容師さんのセルフスタイリングなどの動画はインカメラで撮影していることが多いですが、僕は鏡越しにアウトカメラで撮影しているんです。アウトカメラの方が画質がくっきり取れますし、斜め下から撮影することで、二重の部分がきれいに、幅広く見えるんです。

これは、僕自身をよく見せるための手法なので、みなさんも120%魅力を引き出すことができる撮り方を研究してみると、オリジナリティーな動画に仕上がると思います。

僕だけがお客さまを変えるんじゃない。来店を重ねるごとにお客さま自身が変わっていく

お客さまのBefore&Afterの変身動画を撮り始めたのは、フリーランスになりたてのお客さまが少なかった時期です。リアルなお客さまを「雑誌に載るモデルのようにカッコよくできる！ 」というクオリティーを発信したくてはじめました。

僕は『人生変えちゃう系美容師』と名乗っていますが、若い男女が美容室に行く目的って、「魅力的な自分に変わりたい」というのが少なからず絶対にあると思います。

例えば、下の動画のお客さまは、「なぜ僕のところに来てくれたんですか？」と聞いたところ、「好きな女性にフラれてしまって…。どうしたらかっこよくなれますか？」と、ものすごくストレートに打ち明けてくれました。

オーダーはお任せだったので、くせ毛でボテッと丸い感じのシルエットを、男らしさが出るようにシャープなセンターパートヘアにしました。スタイリングのときにアイロンでツイストっぽく動きを出すとなおシャープな印象になりますね。このときは長さが足りませんでしたが、パーマをかけるのもオススメです。

ちなみに彼は、新しい自分になったら、もう一度好きな女性にアタックしたいと教えてくれました。ヘアで自信を生み出せたようで嬉しかったですね。

二つ目の動画は、僕の高校時代の同級生と10年ぶりに再開したときのカットですが、Beforeの毛量がすごいですよね（笑）。メンズは毛量が多くてセットが決まらないと悩まれる方もいらっしゃいます。

高校生のころずっと坊主だったので、僕は彼の髪の毛の質とかはまったく知らなかったんですよ。Instagramで僕を見つけてくれて「岩本くんみたいな髪型になりたいんだけど」と、来店してくれました。

ちなみに、来店してくださるお客さまはほぼ全員、お任せか僕のような髪型にしたいとオーダーしていただくことが多いです。

「仕事でヘルメットをかぶったときに目にかからないスタイル」ということだったので、僕ほどの長さは出せません。そのため、レングスを少し短く設定して1〜2ヶ月経って伸びるとウェイトが下がって、僕のスタイルに近づくようにカットしました。

最後は、こちらのお客さまです。

このお客さまは、それまで床屋に行っていて、美容室に来たのが初めて！　カットラインが前髪が不揃いだったので、一番短いところに合わせて切りました。襟足の毛を刈り上げて清潔感を出し、サイドからトップにかけて動きを出したメンズショートです。

この3名を含めてなのですが、一度僕に髪を任せていただけると、その後もリピートしてくださる方が本当に多いです。

ただ、初回でカッコよくなって満足していただいても、同じことを2回、3回繰り返しているとそれが当たり前になってしまい、満足度は上がりません。前回よりもカッコよさを必ず更新していくというのは、徹底しています。

お客さま自身も来店を重ねるごとにどんどん変化していくんですよね。1年間定期的に通ってくださっているお客さまを動画に撮っていると、とても顕著に感じます。

岩本さん直伝！ トレンド感のあるメンズスタイルの作り方

最近のメンズカットのトレンドは、刈り上げすぎないウルフですね。襟足をがっつり刈るのではなく、伸びるとすぐにマッシュに戻せるようなウフルヘアです。

カラーは断然ネイビー推しです。退色の過程でグレーになるので、長く楽しめますよ。

モテを意識したスタイリングでは、毛先をはねさせたり、遊びを効かせたスタイルがおすすめです。チャラい、と思われるかもしれませんが、女性って結構ヤンチャな男性が好きだったりするので（笑）。

まずは、ワックスを手に取り、髪全体になじませます。

例えば、前髪を上げるには、眉頭にあたる部分の毛束を取って元の位置に戻すようにします。額が見えすぎると、清潔感は出るのですがトレンド感は出ません。

そうすると、前髪の部分に隙間ができるので、この部分に無造作に毛束を落としていきます。同じ方向じゃなくて、無造作に、振り下ろしてクシャっとした感じで留めるとナチュラルに仕上がります。

耳からトップを繋ぐシルエットが三角形になることを意識してください。トップを潰して四角くしてしまうのは絶対にNGです。

スプレーで全体を固めて完成です！

自分の現状を変えたい！ と思っているけどどうしたらいいかわからなくて足踏みしている方はぜひ、僕にお任せください。僕のモットーは“愛を持って、愛を制す”です。技術力やクオリティーはもちろん、お客さまの気持ちに全力で寄り添い、カットを通して人生を変えるほどの時間を提供できたらと思っています！