人気サロンの“らしさ”を紐解く! 2023年の空気を纏うクリエイティブスタイルが大集合。nenenの世界観はこうしてつくられる!【後編】

数々のクリエイティブコンテストで存在感を発揮し、美容業界に止まらない活躍をしているイッシキケンタさん。2022年に独立を果たし、原宿に「nenen」を立ち上げました。

「流行るものではなく、自分のつくりたいものをつくる」というスタンスでありながら、しっかりとお客さまにも支持されている稀有な存在であるイッシキさん。どんなサロンを、どんな思いでつくったのか聞きました。

今回はそんなnenenのスタイリスト3名にインタビューを敢行。人気サロンの“らしさ”に迫ります。インタビューは前後編の2本立て。後編では、nenenのイチオシのヘアデザインを紹介します!

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SPECIAL CONTENTS

2023.05.11

INDEX
目 次

【nenen STYLE 01】black×blood イッシキケンタ

こちらのモデルは、僕のお客さまです。もともとハイトーンヘアだったのですが、就職活動のために「髪の色を暗くしていきたい」という話をしていたんですね。そこで「もう少しだけ、髪で遊ぼうよ」と僕から提案して、このヘアにしました。中間を黒く染めて、根元と生え際、毛先を赤くしています。

カラーが黒も赤もディープでコントラストが強く出るので、カットとスタイリングはヘアの質感が軽くなるように意識しました。

【nenen STYLE 02】white×blood イッシキケンタ

シルバーよりのホワイトカラーと深みのあるレッドを組み合わせたロングヘアスタイルです。

ポップでかわいいというよりは、シックで上品にという方向性でつくりました。モノトーンやモードな服が似合うスタイルかなと思います。 顔まわりや毛先にほんの少し動きを出して、ディープなヘアカラーに柔らかさが出るようにスタイリングしています。

【nenen STYLE 03】 簾スタイル イッシキケンタ

こちらはフォトシューティング用の作品としてつくったヘアスタイルです。簾のように見えるのは、僕がつくったイヤリングなんですよ。黒糸をイヤリングにしてショートカットと連動させてみました。ラフに動いた毛先をイメージして、質感にこだわってカットしています。

自分の世界観を込めた作品を継続的につくっていて、おかげさまで美容業界内外からたくさんの反響をいただいてます。興味がある人はぜひInstagramで見てもらえたら嬉しいです!

PROFILE
プロフィール
イッシキ ケンタ
代表

イッシキ ケンタ

京都府出身。大阪府内の美容室で働きながら高津美容専門学校通信課程で美容師免許を取得。業界誌を賑わすクリエイティブな美容師を目指し、上京。La familia に入社し、サロンワーク、クリエイティブワークの技術を磨く。目標だった業界誌掲載やヘアコンテスト入賞などを実現。トレンドを取り入れつつ、オリジナルの世界観に落とし込む作品が人気で、同業者からの評価も高い。2022年11月にnenenオープン

【nenen STYLE 04】レトロ&ポップアレンジ  久野詩津香

モデルさんの髪のレングスはミディアムです。ミディアムは、普通に巻いたらキュートに、ストレートだとナチュラルな雰囲気になりやすいので、実は作品としての味付けが難しいんですよね。そのまま活かすのも可愛いのですが、今回はアレンジをすることで、魅力的なキャラクター、表情を出せるように意識してつくっています。

ポイントは、髪の動かし方。ラフに結んでいるように見えるかもしれませんが、毛先のハネは計算しています。写真では少し見えにくいですが、正面から見て左にもう一つお団子があります。お団子が二つあるだけだと、オーソドックスなアレンジになってしまうので、あえて違和感を加えることで、ただナチュラルなだけじゃない、新しいニュアンスを出しました。

【nenen STYLE 05】モード&ナチュラル 前上がりボブ 久野詩津香

カットラインが切りっぱなしで重めな印象にしていますが、実はグラデーションカットを入れて毛先を軽くすることで、収まりがよくなるボブスタイルをつくっています。

狙っているのは、モード寄りだけれど、透明感、抜け感があって、ナチュラルにも見えるスタイル。スタイリングで顔まわりもちょっと遊べるようになっているのもポイントです。

人とちょっと違うおしゃれショートにトライしたい人に、おすすめのスタイルです!

ハッシュタグにも使っている、扱いがラクでオシャレな似合わせヘアが得意です。お任せも大歓迎なので、ぜひお待ちしています!

PROFILE
プロフィール
久野詩津香
店長

久野詩津香ひさの しづか

福島県出身。パリ総合美容専門学校卒業。新卒で都内の大型サロンに就職。一人ひとりとじっくり向き合い、お客さまにキレイを提供する働き方をしたいと考えて、La familia に入社。イッシキ ケンタ氏に師事する。nenenのオープニングメンバーとしてジョインし、現在は店長を務めている。

【nenen STYLE 06】snow×blue 下岡悠太

僕のお客さまは、アパレル関係の方や、美容専門学校生が多いです。Instagramで新しいヘアを披露してくださるお客さまも多いので、思わずタップして見てもらえるヘアを作りたいと思っています。

こちらのsnow×blueはそれぞれのカラーが際立って、上品な雰囲気におさめることができました。ホワイトカラーは滲みやすいので慎重に施術して、鮮やかなブルーと溶け込ませています。

青にしたいと言われたからといって単純に青にするだけではなく、「こうしたらバランスがよくなるし、素敵に見えますよ」とカラーのバランスや動きの出し方などを提案していきます。一緒に、理想の髪をつくってイメージを共有するようにしていますね。

わざわざnenenにきて、僕を指名してくださるお客さまには本当に感謝しているし、それだけの価値を提供したいと心から思っています。

【nenen STYLE 07】インディゴブルーヘア 下岡悠太

根元を残して黒が入っていることで、インディゴブルーの深い色を肌馴染みよくし、上品な印象に仕上がっています。根元から明るい青を全頭にのせると、少しポップだったりアニメっぽい表現によってしまうこともあるんですよね。全体的にラフな動きを出して、深みのあるカラーとのバランスを取りました。

2023年はダークトーンカラーが支持されていく予感がありますし、黒を生かしてカラーを楽しむデザインを推しています。

【nenen STYLE 08】ファッションシューティング(作品) 下岡悠太

ヘアだけにとらわれない作品撮影をしているので、番外編としてその一部を紹介します。ファッションとヘアをリンクさせて、ただ可愛く撮影するだけではなく、空気感や世界観が伝わる作品づくりにもチャレンジしているところです。

この作品でもいろんなポーズ、いろんな構図で撮影し、モデルさんとファッション、メイクとヘアがひきたつ一枚を目指しました。美容業界の外へも発信して注目していただけるように、nenenで力を養っていきたいと思っています!

PROFILE
プロフィール
下岡悠太

下岡悠太しもおか ゆうた

広島県出身。15歳から大阪にうつり、美容室で働きながら大阪美容専門学校の高校併学コースで学び、約5年間の美容師生活を送る。その後、イッシキケンタ氏の活動や、作風に惹かれてLa familia に入社。nenenのオープニングメンバーとしてジョインし、主にカラーリングで存在感を発揮している。クリエイティブコンテストのファイナリストにもノミネートする注目のルーキー。

EDIT
編集
桑名 真理子

Director桑名 真理子(くわな まりこ)

メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。

外山 武史

Writer外山 武史(とやま たけし)

SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!

トカジ ショウタ

Photographerトカジ ショウタ

人気美容師として活動する一方で、写真&映像クリエイターとして活躍中。サロンのIV/CM/コーポレートビデオ、芸能事務所のMVなども手掛け、業界から注目される。