どのヘアスタイルもパーフェクト美容師! NOT Ginza代表 長門政和の作るヘアスタイル図鑑!【前編】
顧客だけで数ヶ月先まで予約が埋まる超人気美容師の長門政和さんが、銀座に立ち上げた「NOT」。深い商品知識、プロ目線での分析、リアルトレンドをつかむ感度の高さなど、多彩な実力を持つ長門さんは、YouTubeチャンネルも登録者数約14万人のインフルエンサー。さらに、その技術とセンスで、どんなスタイルもハイクオリティに仕上げてしまう“パーフェクト美容師”です。
今回は、そんな長門さんが提案するスタイルを、独自のブランディング戦略や、独立した経緯などのお話を踏まえて教えていただきました。ぜひ最後までご覧ください!
SPECIAL CONTENTS
2023.10.18
長門政和さんってこんな人!
東京都出身。山野美容専門学校卒業後、有名美容室にて店長を経て、2021年4月に『NOT』をオープン。深い商品知識、プロ目線での分析、エッジの効いたフォトテクニックやリアルトレンドをつかむ感度の高さなど、多彩な実力で活躍するマルチプレイヤー。業界誌やメディア出演多数。活躍は海外にも広がり、現在依頼の絶えない講師として人気を集める。サロンワークではナチュラルスタイルを軸に、エレガントで上品さを加えた女性像を提案している。
BIGGESTよりもBESTを追求するサロン
サロン名の「NOT」には、既存の枠組みに当てはまらない活動をしたいという意味が込められています。アルファベットの字面がキレイでも読み方がわからないサロン名にしたくなかったので、誰でも覚えやすい名前にしたかったことも決め手でした。
美容室は、店舗と人を増やして事業を拡大するのが王道だと思います。ただ、いまは一人ひとりが情報を発信して、ブランドを確立できる時代なので、規模を追求しなくても事業を発展させられると考えたんですよね。
前社には、極上の技術で女性を美しくする先輩もいましたし、SNSのインフルエンサーの先輩もいました。僕が実践しているのは、これまで学んだ技術とSNSの掛け算なんです。
体は一つしかないので、お客さまを切れる人数には限りがあります。でも、SNSなどのメディアを使えば、全世界のユーザーに価値ある情報を発信できます。サロンを大きくしなくても、売上も影響力も高めていけると思うんです。そのことを証明するために、独立しました。
卓越した技術とブランディングで一人ひとりのパフォーマンスを最大化
今、NOTのメンバーは僕も含めて3名です。サロンは居抜きで、もともと10席あったのを8席に減らして使っています。マンツーマンで完全予約制の営業スタイルなので、どんなに忙しくてもフロアにいるのはお客さまを含めて6名。銀座にあるフロアを、こんなに贅沢な使い方をしている美容室はほかにないと思っています。お客さまにも、土日でどこも混雑しているとき、一番安らげる場所ですとアピールしているくらいです。
また、自社ブランドのホームケア商品など、プロダクトをECで販売しています。
YouTubeチャンネルも登録者数が約14万人まで増えて、美容師としてはかなり大きな規模に成長しました。技術向上とブランディングを徹底して、一人ひとりのパフォーマンスを限界まで高めているのがNOTの特徴なんです。
コロナ禍でスタートしたYouTubeがサロンの売りに
YouTubeチャンネルを開始したのは、コロナでセミナーの仕事が激減したことがきっかけでした。もともと僕はセミナーの仕事が得意だったので、どこかでノウハウを生かせないかと思っていたのです。
もちろん最初から上手くいくはずがなく、30本くらい動画を出してようやく反響がありました。ただ、今もどういう動画がバズるのか、掴みきれていません。最初にバズったのは、スタッフにロングヘアの切り方を教えるカット解説動画でした。
髪質改善+カットで劇的に変身させる動画も再生数が伸びやすい傾向です。僕のお客さまはすでに髪がキレイなので、劇的なビフォーアフターを撮れないんですよ。だから、希望者に応募してもらい、動画に出演していただいています。関西など遠方からいらしてくださることもあるんですよ。
動画制作のこだわりは、最高級の機材を使って音声と映像のクオリティを上げること。テレビの制作会社のように面白い企画ができないから、自分たちができるところで最高のものを届けたいと思っています。
ナチュラルを軸にエレガントさを加えた、女性らしいヘアを生み出す
僕が得意としているのは、ナチュラルを軸にエレガントで上品さを加えたスタイルです。例えば上のスタイルは、ナチュラルで、色気のあるロングレイヤー。顔にかかる髪の毛など、すべて計算してつくっています。カラーは8レベルくらいのブルーを基調としたアッシュブラウンを入れて透明感を演出しています。
カット技術的には、均等に切るのではなく、あえて「ずれ」をつくることによって、束感や抜け感をつくっているところがポイント。スタイリングでは、32ミリのカールアイロンで、ランダムに巻いて動きを出しています。あとは、 アローディア デンスオイルを全体に馴染ませています。
このオイルは低温で抽出されているため、夕方や夜まで嫌な香りがしないといううれしい特徴があります。
実はメイクも自分でやっています。ナチュラルでヌーディーなメイクを基調とし、ヘアに合わせて艶っぽい感じを出すため、鼻筋にクリーム状のハイライトを入れています。
こちらのハンサムショートは、モデルさんのお顔が一番キレイで小さく見えるように切っています。お顔周りの髪の毛をある程度残して、襟足を引き締めることで、丸みを出しているところがポイントです。
普段もお客さまの骨格を見極めて、シルエットを調整するようにしています。例えば面長さんの場合は、ひし形のシルエットになるようちょっと重めに残すなどして、バランスを整えます。
ヘアカラーのベースはアッシュ系ブラウンで、そこにハイライトを入れています。ハイライトを入れることによって、毛流れがキレイに見え、立体感も出るのでショートスタイルには特にオススメです。
レイヤーにしろ、ハンサムショートにしろ、気を衒うことのない王道のスタイルだからこそ、技術の差が出やすいと思います。どこから見ても美しく、周りから褒められるスタイルをつくり続けたいです。
長門 政和ながと まさかず
東京都出身。山野美容専門学校卒業後、有名美容室にて店長を経て、2021年4月に『NOT』をオープン。深い商品知識、プロ目線での分析、エッジの効いたフォトテクニックやリアルトレンドをつかむ感度の高さなど、多彩な実力で活躍するマルチプレイヤー。業界誌やメディア出演多数。活躍は海外にも広がり、現在依頼の絶えない講師として人気を集める。サロンワークではナチュラルスタイルを軸に、エレガントで上品さを加えた女性像を提案している。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Writer外山 武史(とやま たけし)
SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。