どのヘアスタイルもパーフェクト美容師! NOT Ginza代表 長門政和の作るヘアスタイル図鑑!【後編】
有名タレントや俳優御用達の美容室の元店長で、現在は同じく銀座に立ち上げた「NOT」を営んでいる長門政和さん。顧客だけで数ヶ月先まで予約が埋まる超人気美容師であり、YouTubeチャンネルも登録者数約14万人というインフルエンサー。さらに、その技術とセンスで、どんなスタイルもハイクオリティに仕上げてしまう“パーフェクト美容師”です。
今回は、そんな長門さんが提案するスタイルを、独自のブランディング戦略や、独立した経緯などのお話を踏まえて教えていただきました。ぜひ最後までご覧ください!
SPECIAL CONTENTS
2023.10.19
長門政和さんってこんな人!
東京都出身。山野美容専門学校卒業後、有名美容室にて店長を経て、2021年4月に『NOT』をオープン。深い商品知識、プロ目線での分析、エッジの効いたフォトテクニックやリアルトレンドをつかむ感度の高さなど、多彩な実力で活躍するマルチプレイヤー。業界誌やメディア出演多数。活躍は海外にも広がり、現在依頼の絶えない講師として人気を集める。サロンワークではナチュラルスタイルを軸に、エレガントで上品さを加えた女性像を提案している。
サロンワークもセミナーも予約で一杯
前編でもご紹介したYouTubeチャンネルの狙いは集客ではありません。というのも、すでに顧客様で予約がいっぱいなので、新規のお客さまはなかなか受けられないんですよ。
どちらかというと、確かな技術と上質なプロダクトを知ってもらうことで、NOT全体のブランディングをしたいし、僕の解説を見てくださった方からセミナーの依頼をいただけたらと期待しています。
ありがたいことに、セミナーの仕事が増え続けています。よく美容師向けのセミナーは人を集めるのが大変と言われますが、僕のセミナーはいつも満員御礼です。受付をスタートするとすぐに応募が殺到し、抽選になります。特に若い男性美容師さんに人気があるようですね。
お客さまが求めるものを五感で受けとめ、美に落とし込む
ここまで、ブランディングやセミナーの話が中心でしたが、それらが機能するのはサロンワークの技術がしっかりしているからです。口だけ上手くても、実際に切ってもらったらダメだったとしたら、全て失敗ですから。
僕のサロンワークの強みは、『空気を読む』ことですね。お客さまが何を求めて自分の元に来てくださったのか読み取る力があると思っています。
僕よりカットの技術が上手い人はたくさんいるけれど、お客さまが求めるものに応えられているかどうかは別の話。その日の体調や気分を、お客さまの表情や言葉の端々から感じとります。
そして、提供するのはベーシックな技術です。真っ直ぐ切るとかしっかり乾かすとか、基礎的な技術を大切にしています。最近だと特化型美容師が増えて、デザインカラーなどで尖った発信をしていますよね。発信をする上ではそれが正しいと思います。
けれど、僕はもう40代ですし、お客さまも大人女性が多いので、美しいフォルムで扱いやすいヘアを提供していきたい。結局それが、お客さまに長く愛していただく秘訣だと思うのです。
ありがたいことに、20年近いお付き合いのお客さまもいます。年齢を重ねて、髪の悩みが増えてきたお客さまも多いですけれど、しっかりとキレイにして帰すことが僕の仕事なんです。
これからも美容師として表現の幅を広げていたい
僕は、「作品」としてきちんと形に残すためにフォトシューティングを定期的にしています。ヘア、メイク、ファッション、撮影構図など、総合的にビューティーを極めることができるので、美容師としての幅も広がります。
こちらで紹介しているスタイルのベースは一般的なワンレングスのカット。顔まわりを切り込むことによって遊びをつくっています。これまで、マスクで顔が隠れていたから、あんまり顔周りの髪の毛を意識しなくても大丈夫だったんですよ。でも、マスクを外す人がほとんどなので、魅力的な表情をつくるために、顔まわりの髪の毛の重要性が増してきていると思います。
髪色はモデルさんの地毛なんですけれど、真似をするとしたらブルー系のブラウンのカラーを入れるといいですね。
このヘアに限らずですが、スタイリングにはLINCというブランドのバームを使っています。香りがとても良いのでオススメです。
また、このインナーカラーを際立たせたイエローブラウンのミディアムスタイルも好評です。インパクトのあるクール系のスタイルをつくりたいと思い、チャレンジしてみました。
立ち上げた前髪がポイントです。これは、ハイライトやローライトを入れる時に、髪の毛束をスライス状に薄く取って染めていくカラーリング手法であるスライシングをつかいました。前髪をおろしたときは、ブリーチの明るいカラーが際だつスタイルになります。2WAYで楽しめますね。
メイクは髪色に合わせてオレンジのシャドウを選びました。リップはイエローグロスです。ヘアに合わせて、ちょっと遊び心のある印象に仕上げています。
やっぱりちょっと遊び心のあるスタイルをつくっていかないと、美容師として衰えてしまうので。美容師として表現の引き出しを増やすためにやりました。自分の手を動かして新しい技術やデザインを入れないと感性が凝り固まってしまうんですよ。年齢を重ねても、古臭くない美容師でありたいです。
長門 政和ながと まさかず
東京都出身。山野美容専門学校卒業後、有名美容室にて店長を経て、2021年4月に『NOT』をオープン。深い商品知識、プロ目線での分析、エッジの効いたフォトテクニックやリアルトレンドをつかむ感度の高さなど、多彩な実力で活躍するマルチプレイヤー。業界誌やメディア出演多数。活躍は海外にも広がり、現在依頼の絶えない講師として人気を集める。サロンワークではナチュラルスタイルを軸に、エレガントで上品さを加えた女性像を提案している。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Writer外山 武史(とやま たけし)
SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。