どのヘアスタイルもパーフェクト美容師! unplugged紺野善仙ヘアスタイリスト図鑑!【後編】
「紺野ショート」で人気を集め、くせ毛や髪の量が多い方にも独自のカット技術で似合わせデザインが注目される紺野善仙さん。2019年9月にunpluggedをオープンし、枠にとらわれないサロン展開も目が離せません。今回はそんな紺野さんに、これまでのキャリアやヘアデザインへの思いを前後編でお届け! 後編では、紺野さんのイチオシヘアスタイルや、今後の展望をお伺いしました。ぜひ前編とあわせてご覧ください!
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SPECIAL CONTENTS
2024.06.26
紺野善仙さんってこんな人
unplugged代表 紺野 善仙(こんの よしのり)
北海道理容美容専門学校卒。都内有名サロンで10年間勤務したのち、2019年に武藤希実彦さん前田伸一さんと共同代表で『unplugged』をオープン。独自カット理論で特にショート・ボブが秀でている。くせ毛など髪質に悩まれている方からの支持を集め、予約は3ヶ月待ち。大井町にunplugged COFFEE STAND、今年5月には福岡にも出店し、動向から目が離せない注目のカリスマ。
予約は3ヶ月待ち。圧倒的人気の理由とは?
ー 紺野さんがスタイルづくりでこだわっていることは?
僕は『似合っていること』『もちがいいこと』『手入れが簡単であること』この3つを大切にしています。ショート・ボブの収まりがいいのは大前提として、その人に似合っているかを一番こだわってデザインしていますね。
これまでどういう髪型をしていたか、顔の骨格や首の長さなどお客さまの特徴を捉えて似合わせていきます。世間的にはショートとボブを担当しているイメージがありますが、最近はウルフレイヤーも同じくらい切っていて、とても人気です。この軽やかなウルフレイヤーボブは僕もお気に入り。
unpluggedの前に努めていたサロンは一流美容師がたくさんいて、自分の強みを活かして活躍されている先輩ばかり。その姿に刺激をもらい、朝から晩まで美容に打ち込んでいた日々でしたね。元々の性格はガツガツしたタイプではありませんが、10年いたサロンの環境とカリスマたちの背中が美容に対する姿勢を形成してくれました。
ショート・ボブを長年切っているお客さまが、これから伸ばしていきたい場合やイメチェンを検討している際に提案しています。最近レイヤーを切るのが楽しい日々です。
カラーはブリーチなしのカーキ色で細いハイライトを入れて立体感を出しています。カラーはできるだけシンプルな施術を心がけていていますね。
ー インスタを拝見すると予約は3ヶ月待ちだとか。人気の理由は?
くせ毛や多毛でショートやボブが似合わないと思っている方が、僕のところへ駆け込んでくれますね。
実は美容師になる前、僕自身がくせ毛で髪が多いことを悩んでいたんです。同じことで困っている人たちを救うために美容の道へ進みました。
くせ毛や髪の量が多い人の救世主になれるように活動していたところ、髪質で悩んでいるけどショート・ボブをしてみたいお客さまが自然と来店されるようになったんですよ。一人ひとりの悩みに寄り添いながら似合わせの技術を極めたところ、今では3ヶ月先まで予約がいっぱいになっていますね。
お客さまの気持ちに寄り添う、細部まで美しいヘアデザイン
ー ヘアデザインのアイディアは何をヒントにしていますか?
インプットをしないと上質なアウトプットはできないので、本を見たり、海外の写真を見ています。最近はアメリカやヨーロッパ系のコレクションをよくチェックしています。
というのも、最近は海外の方からインスタの反響が多くて!さらに意識するようになりました。国を超えて評価していただけるのは、技術者として嬉しい限りですね。
日本・海外のどちらからも反響がいいのはこのスタイル。クセを活かしたラフさが人気の理由です。日本人は毛の量が多いので、海外の方のようなラフさを出すにはコツが入ります。このヘアは髪質を活かしながら、コテでスタイリングしています。いきなりパーマをかけるよりも、まずはそのままのクセをを活かすようにしてますね。
ワンレングスをベースにカットし、ストレートで楽しむこともできる2wayヘア。顔まわりに少しレイヤーを入れているので、動きを出せるように仕込んでいます。お風呂上がりの乾かした状態だけでまとまるようにカットしてますね。
ー 収まりを良くするために大事なことは?
ドライカットのセニングには特にこだわっています。海外ではセニングを使わないケースがあるようですが、日本人は髪の量が多いので仕上がりを意識してドライカットすることで似合わせることができます。
基本的に性格がキッチリしてるのでコンパクトにまとまったボブスタイルはずっと好きですね。
ー どんな教育をされていますか?
週に2回は勉強会を開いています。カリキュラムに沿って学ぶだけでなく、営業ベースで教えるのが特徴です。カウンセリング内容の意図やお客さまとどのように向き合うことが大切なのかを伝えています。
このモデルさんは特に量が多いので、収まりよく仕上げるために中にセニングを入れてストレートに仕上げています。このヘアは特にオーダーが多いスタイル。カーキブルー系のカラーでつや感や品の良さを演出しました。
このヘアでも使用した、SUNCALL(サンコール) スクリム モイストヘアクリームは、昔からスタイリング剤としてヘビロテしています。オイルより自然なツヤ感とキレイに束間が出て扱いやすい逸品。50円玉くらいの量を1度全体に乗せて、足りないところやポイントで二度付けします。
ロレッタエメ ロックホールドスプレーもおすすめ! 程よいセット力で広がりを抑えることも可能です。色々使っても結局この2つの商品に行き着くほど使いやすいですね。
ー 紺野さんがより力を入れていきたいことは?
直近は、次の世代を強化するためにスタッフの成長にコミットしています。現在売り出し中のスタイリストが一人いて、アシスタントも日々奮闘中です。
unpluggedは大体2〜3年でカリキュラムを進めて、デビューチェックはリアルサロンワークが最終課題。実際にカウンセリングして、お客さまの希望に沿ったヘアスタイル提案と接客ができているかをみます。一発ではなかなか受からないですが、デビュー前に実践形式の経験を積むことで、本人の自信に繋がりますから。
売上がついてくる人気の美容師さんは、誰よりもお客さまの気持ちに寄り添えてるんですよね。もちろん技術も大事ですが、お客さまはその人に会いたくて来てくれています。
僕もデビューしたばかりのころはお客さまに寄り添う方法がわからなくて、とにかく実践の数を増やして鍛錬し、経験の積み重ねで今のステータスまで登り詰めました。僕は生涯現役で「その人だけの日本一」を目標に掲げているので、スタッフと共に美容師としてさらに極めていきます。
unpluggedはこの5年間でカフェをオープンし、今年5月には地方出店を果たすなどいい意味で美容室の枠にとらわれずやって来れたことが誇りです。これからも常識にとらわれず、自由な発想でやりたいことを貫く仲間を増やし、各々が描く夢を一つずつ実現していけたらいいですね。
紺野 善仙(こんの よしのり)
「紺野ショート」で人気を集め、くせ毛や髪の量が多い方にも独自のカット技術で似合わせデザインが注目される紺野善仙さん。2019年9月にunpluggedをオープンし、枠にとらわれないサロン展開も目が離せません。今回はそんな紺野さんに、これまでのキャリアやヘアデザインへの思いを前後編でお届け! 後編では、紺野さんのイチオシヘアスタイルや、今後の展望をお伺いしました。ぜひ前編とあわせてご覧ください!
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。