人気サロンの“らしさ”を紐解く! 堀江昌樹×米澤香央里の新鋭クリエイティブサロンHank.に迫る【後編】
常に業界をリードする堀江昌樹さんと米澤香央里さんがタッグを組み、2024年4月に誕生したHank.。クリエイティブに定評のあるお二人の新鋭サロンはオープン前から業界内外で注目され、圧倒的な存在感を放っています。今回はそんなHank.が誕生した背景や魅力にフォーカス!
インタビューは前後編の2本立てです。後編では、お二人の一押し作品やHank.スタッフの魅力、今後の展望をお伺いしました! 前編と併せて、ぜひご覧ください。
SPECIAL CONTENTS
2024.07.31
Hank.インタビューメンバー紹介
Hank.代表
堀江 昌樹 (ほりえ まさき)
ル・トーア東亜美容専門学校を卒業後、新卒でapishへ入社。早くから頭角を著し、サロンのクリエイティブディレクターを担いながらJENOの代表へ。2023年12月に独立し、2024年4月3日Hank.を立ち上げる。ナチュラル・シンプルなスタイルからモードなクリエイティブスタイルまで幅のあるデザイン力で雑誌、セミナー、ヘアショーなどマルチに活動。カミカリスマ二つ星、JHA、THAなど有名コンテストでの受賞歴多数。
Hank. Artdirector
米澤 香央里 (よねざわ かおり)
千葉県出身。日本美容専門学校卒、資生堂SABFA卒。都内3店舗、ヘアメイクアシスタントを経て、Hank.立ち上げに参加。 女性像をトータルバランスで考えるデザインに定評があり、業界内外で注目される女性美容師。業界誌、アパレルLOOK、セミナー、写真展、アクセサリーブランドを立ち上げるなど幅広いフィールドで活躍。
お互いの世界観をハイブリット。Hank.だから生み出せるデザインとは?
ー お二人から生み出されるヘアスタイル作品が注目されるHank.さん。サロン内でデザインの共通テーマはありますか?
米澤:各々のやりたいことや得意を大事にしつつ、裏テーマとして『ナチュラルモード』を掲げています。堀江さんはタイトで直線的なスタイルを中心に幅を利かせてさまざまなクリエーションをしていますし、私は柔らかい世界観の中にスパイスを入れて違和感を持たせるなど、それぞれの得意があるので、一緒にやるなら二人の良さをミックスしようとなり、そのテーマになりました。
堀江:その他にも僕はヘッドショットが多いのでフォーカスする力強さを、米澤さんはファッションやメイクとリンクしたデザインで引きの構図が得意なので、それぞれのおもしろさをスタッフに教えつつ、一人ひとりのオリジナルを磨いていってもらえたらいいですね。一年目からいろんなデザインに触れて、自分はどんなことを一番やりたいかを早めに掴んでもらえるといいなと。
ー お客さまはどんな方がいらっしゃいますか?
米澤:30代〜40代の同世代を中心に、アパレルの方だったり、保育士さんや看護師さん、学校の先生など幅広く来店してくださっています。表参道という土地柄、トレンドやオシャレ感度が高いので、私たちから情報を集めて美容の知識をアップデートしたいと思っていらっしゃる方も多いように感じます。
ー お二人それぞれのビジュアルのこだわりやイチオシヘアは?
米澤:これはHank.のファーストビジュアルで、とても思い入れのある作品。モデルさんの可愛らしい雰囲気や表情に合わせて、猫っ毛を生かして抜け感のある柔らかいヘアに仕上げました。この黄色の衣装、実はキャミソールを被しているんですよ!春のたんぽぽのようなひたむきさや芯の強さ、これからHank.がはじまっていく心境が反映されています。あえて未完成な女性像にしまいます。
私たちは業界誌やビジュアル撮影も担当させていただいておりますが、サロンワークの延長線にあるリアルスタイルも大切にしていてます。このヘアもその一枚。
米澤:モデルさんのすっとした表情やクールな感じと、小顔で首が長い骨格にあわせてスッキリしたストレートラインのボブに仕上げています。これまでは絶対と言っていいほどスタイリングで巻いていましたが、最近は堀江の刺激を受けてタイトな作品も増えました。ヘアで強さを出している分、メイクはオレンジカラーで柔らかくナチュラルにして印象のバランスを見ています。
シューティングの際は、ファッションとメイクとのトータルバランスでデザインすることを大切にしています。モードっぽいクールでインパクトのあるものから柔らかくてアンニュイなものまで表現できるように、日々センスを磨くようにしてますね。これは、一枚目とは対照的にウェーブ感のあるフワッとした柔らかい雰囲気の作品撮りです。
堀江:僕の手がけるスタイルの中では特に反響があるのは、コンパクトで丸みのあるショート・ボブ。でそれを象徴したのがこのボックスボブです。
堀江:重さの中に軽さを作り、ナチュラルでありながらちょっとモードな印象にしています。全体的には女性らしい丸みや柔らかさを出し、ワイドな前髪とぱつっとした直線的なラインを顔まわりに入れてポイントでシャープさを入れました。
Hank.のオープン前から米澤さんとコラボして作品撮りをしていて、この写真もその一つ。
堀江:洋服とメイクを米澤さんに担当していただきました。切りっぱなしボブをベースに顔まわりをディスコネクションカットで短くして軽やかにしたのがポイント。ボブの毛先をすとんと落とすとシャープさが出ますが、あえてほんの少し外に向けてカールし、抜け感を出しています。細かいところほどセンスが出ますので、全体を見て表現に合わせてバランスを大切にしていますね。カラーはオレンジブラウンです。
今年は二人ともJHAの推薦に入り、そこに向けて撮影により力を入れています。クリエイティブなものからサロンワークの延長上にあるリアルスタイルまで月に何本か定期的にシューティングをして、サロン全体で感性を磨いていきたいですね。
デザインを通じで、感動を追求し、笑顔の連鎖を広げていきたい
ー 経営者になってみて、新たな発見などはありましたか?
堀江:去年から経営の勉強会を初めて、この一年で言葉のチョイスや発言の仕方がずいぶん変わりました。こうった取材などを受けると、伝え方がずいぶん変わったなとお互いに発見がありますね。
米澤:技術に関しても、二人でやっている良さを実感します。堀江さんのアドバイスをもらうと、自分の世界観に堀江さんのエッセンスがプラスされ、撮影のデザインだったりやサロンワークがいい方向へアップデートしていますね。
ー オープニングから素敵なスタッフさんが加入されていますが、どんなご縁で入社されたんですか?
米澤:女性アシスタントの優光に関しては、一目惚れ。彼女の持つ可愛らしい雰囲気やピュアさがHank.に必要な人材だとピンときました。男性アシスタントの竹下くんは堀江さんに「一緒に働きたいです」と最初にDMを送ってきたんですよね。
堀江:サロンがオープンするまでの2ヶ月半、面貸しサロンで美容師をしていて、そこで竹下くんが一緒に働いてくれていました。待たせてしまっているのに「一緒に働かせていただくことが嬉しい」と言ってくれて。その前向きな姿勢に惹かれましたね。
米澤:二人と一緒に働いてみたら、お客さまからの評判が想像以上に良くて。とても丁寧で真面目、いい意味で今時っぽくないところが愛される秘訣なんでしょうね。
堀江:僕は人に対しての礼儀を重んじているので、お世話になった人には必ず自分からお礼をするのですが、二人とも礼儀正しくて実直です。
米澤:私たちもメンバーの直向きな姿に、心が洗われたり勉強になることがいっぱいあります。
ー 今後、お二人が考える展望をぜひお聞かせください。
米澤:今後さらに力を入れたいことは、内部セミナー。第一優先はアシスタントの成長です。月に1回、堀江がカット、私はシューティングやヘアメイクなど交互に担当して教えています。また、外部講習もしていて現在はNOOSの代表・岩屋 真さんにデザインカラー講習をしていただいてます。
堀江:僕たちはカラーサロンに勤めた経験はないので、時代にフィットしたケミカル知識やスキルをみんなで勉強してレベルを上げようと思ったのが狙いです。今後もできるだけ教育に投資していく予定です。
米澤:また今年はスタッフがコンテストにチャレンジするので、完全サポートしています。なんでも全力で吸収するアシスタントのころからデザインに触れて、感覚を磨いていってほしいです。この挑戦を機に、一歩前に出る勇気も培えるかなと期待しています。
堀江:サロンコンセプトに「デザインを通じで、感動を追求し、笑顔の連鎖を広げる」を掲げて活動しているので、そこにつながるものなら柔軟にチャレンジしていきたいですね。
たとえば僕たちがデザインを発信することで、全国の美容師さんたちが目の前のお客さまを幸せにしようと刺激を受けたら、笑顔の連鎖になります。僕たちが作ったプロダクトが世に広がることも、笑顔の連鎖になるなと。プロダクトは現在計画中で、この夏始動予定です。
米澤:私は、富山にあるサロンのOSAGEさんでメイクイベントをやる予定です。その前日に一日働かせてもらうんですが、今からワクワクしています。日曜なのでHank.の営業を一日抜けることになりますが、ぜひ行ってきてと送り出してくれました。
堀江:「出張Hank.」も、コンセプトの活動につながるいい活動ですから。僕も大阪の美容学校の友達の店でサロンワークできたらいいなとチャンスを狙っています。
こんなふうに自分たちが楽しくてワクワクしながら、周りをハッピーにできることは色々あるので、それを一つひとつHank.のみんなとやっていけたらいいですね。
堀江 昌樹(ほりえ まさき)
ル・トーア東亜美容専門学校を卒業後、新卒でapishへ入社。早くから頭角を著し、サロンのクリエイティブディレクターを担いながらJENOの代表へ。2023年12月に独立し、2024年4月3日Hank.を立ち上げる。ナチュラル・シンプルなスタイルからモードなクリエイティブスタイルまで幅のあるデザイン力で雑誌、セミナー、ヘアショーなどマルチに活動。カミカリスマ二つ星、JHA、THAなど有名コンテストでの受賞歴多数。
米澤 香央里(よねざわ かおり)
千葉県出身。日本美容専門学校卒、資生堂SABFA卒。都内3店舗、ヘアメイクアシスタントを経て、Hank.立ち上げに参加。女性像をトータルバランスで考えるデザインに定評があり、業界内外で注目される女性美容師。業界誌、アパレルLOOK、セミナー、写真展、アクセサリーブランドを立ち上げるなど幅広いフィールドで活躍。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。