どのヘアスタイルもパーフェクト美容師! LONESS片山良平のヘアスタイリスト図鑑!【後編】

サロンワークのみならずセミナーやヘアショー、コンテスト審査員など幅広く活躍するLONESS代表の片山良平さん。ハイプレイヤーが多く所属するLONESSの組織力や経営眼も注目の的です。今回はそんな片山さんに、これまでの美容師キャリアやヘアスタイルへのこだわりを前後編でお届け! 後編では片山さんのイチオシスタイルや、今後の展望をお伺いしました。前編と合わせてぜひ最後までご覧ください!

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2025.01.29

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目 次

片山良平さんってこんな人

LONESS

片山 良平 (かたやま りょうへい)

名古屋美容専門学校卒業。都内有名店に入社し、抜け感のあるやわらかいスタイルや、クセ毛を生かすカットを武器に一躍人気スタイリストへ。クリエイティブディレクターとして活躍後、本田治彦氏と共に独立。2016年の3月にLONESS表参道店、2019年3月にLONESS銀座店をオープン。サロンワークのみならずセミナーやヘアショー、コンテストの審査員など幅広く活躍しながら、代表として経営やマネージメントにも注力している。

違和感を生み出すことで、唯一無二の可愛さを引き出す

ー 片山さんのスタイルづくりのこだわりは?

スタイルを作るときは、ちょっとした『違和感』を必ず作っています。毛先の質感だったりウェイトバランスなど、違和感の作り方は毎回違うのですが、そのポイントが可愛さに繋がるようにしています。

このミディアムロングスタイルはお客さまからも好評です。顔まわりに丸みをもたせたナチュラルなレイヤースタイル。前髪を柔らかく巻いて、毛先に抜け感とアンニュイな質感を出したのがポイントです。カラーはブラウンに赤みを加えたショコラブラウンでまろやかに仕上げました。

スタイリングするときに愛用しているのが『ボタニカル リッチオイルスプレー(oggi otto)』。

このヘアオイルはスプレー状に出るのでムラにならずに満遍なくウェットな質感が出せる優れ物! 撮影のときも重宝しますし、お客さま自身のセルフスタイリングでも使いやすい万能なプロダクト。ありそうでなかったLONESSで売れ筋の商品です。下のヘアスタイルでも使用しています。

こちらのヘアは、サロン全体で人気の外ハネをベースに、顔まわりと前髪で抜け感を出しています。リップラインから顎下にかけて入れたレイヤーがポイントで、骨格や輪郭にあわせてカール感を調節。カラーはグレーをベースに入れて上品に仕上げました。カラートーンが暗めなので、耳を出して陰影と抜け感を出しつつウェットな毛束感で軽さを出しています。

ー どの作品も写真が洗練されていますが、どのように撮影していますか?

今年に入ってからは、一眼レフで撮影しています。子供が生まれたのをきっかけにカメラに興味が湧いて本格的に始めようと『ライカSL3』を購入。奥行きが出て独特の風合いが出るので、お気に入りのカメラです。雑誌の撮影の際に何度も撮っていただいた大先輩のカメラマンさんにサロンへ来ていただいて撮影方法などを教えてもらい、今は自分で撮影しています。

写真のフィルターを通すとヘアスタイルは2Dになってしまいますが、よりリアルに見えるようにスタイリングや撮影方法を工夫していますね。撮影では3Dのように体感できるよう立体感や質感を出すようにしています。

問題がゼロになることはない。だからこそ意見を融合して第三のアイディアを生む

ー 現在は表参道と銀座の2店舗で運営されていますが、スタッフ間のコミュニケーションの取り方はどう工夫していますか?

アシスタントは2店舗を行き来し、僕は2・4週目の週に銀座へ出勤して交流を図っています。一つの方向性をスタッフ全員で目指すためにコミュニケーションを取るようにしています。ただスタッフの人数が増えるほど、ちょっとした意思疎通の相違が問題を大きくすることがあるので、一昨年から組織化を目指しています。

例えば、ミーティングなどで意見を吸い上げた際、その場にいないスタッフや上層部へ報告するときに言葉だけだとニュアンスが変わって伝わることがありますよね。そういったことをなくすために書面化することで全員で共通認識ができ、幹部人もスピード感を持ってジャッジできます。

一人ひとり年代やポジションも違いますから、人のフィルターを通すとどうしてもニュアンスが変わって当然。その上でスムーズなコミュニケーションの取り方を工夫してます。こういったスタッフ間のやりとりが徹底されることで、結果的に接客にも活きてきてお客さまの満足度につながるんですよ。

また、感覚的に伝えてしまう部分を具体性のある言葉に置き換えるようにしています。「ちょっと長めにシャンプーして」と指示されたとき、長め=何分なのか人によって変わってしまい指示の幅が広すぎます。当たり前のように伝達してしまうことほど、細かい定義を決めるようにしてますね。

LONESSもオープンして8年目に突入し、20歳で入ってきた新卒生も28歳になっていますから、年齢やポジションで価値観も変わってきます。僕もこの8年で結婚して子供が生まれ、もうすぐ40歳になりますのでオープニング時とは心境の変化がありますね。

特に子どもができたことで、教育を見直すことが多くなりました。子育ては全てがゼロベースからのスタートじゃないですか。生まれたばかりのころは目も見えないし、言葉も通じない。そこから5年間育ててきて教える楽しさと大変さを体感することで、スタッフをどう伸ばしていくといいのかまたそのスピード感などを考え直しましたね。

ー 子育てが大きな転機とのお話がありましたが、具体的にはどんな変化がありましたか?

見える視点が広くなって、キャパシティが大きくなったように感じます。何かあったときに昔の自分なら動揺していたことも、今はどう対策するのか冷静に向き合えるようになりました。

今後も試練は絶対にあるし、問題がゼロになることはありません。家庭や仕事もそうですが、誰かと何かをやるときに一人として同じ人間はいないので話し合いが必要。それぞれの考えや答えの妥協点を取るのではなく、意見を融合して第三のアイディアを探すことで、関係性は良い方へ変わっていくと感じています。

LONESSも来年5名の新卒生が入りますし、どんどん下の子達も増えてきますので、新しいやり方や感覚を取り入れて進化していこうと思っています。

ー ますますLONESSの勢いが加速する一年になりそうですね。今後の展望は?

これまではスタッフの成長に合わせて仲間を増やしてきましたが、今後は会社の目標に対して人員や店舗のシェアを広げていく予定です。目標は2035年までに10店舗、年商15億を掲げています。

これまでもお客さまに向けて満足度を高めて生涯顧客になっていただけるよう奮闘してきましたが、これからはもっと視野を広げてまだ出会えてないお客さまも幸せにしていきたいですね。

同時にスタッフの夢も叶えていきたいですから、そのためにも会社としてしっかり期限を決めて大きな挑戦にコミットしていきます。LONESSがこれまで培った技術と経験を生かして、より日本の幸せ度数を上げていきますのでぜひ注目してください!

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PROFILE
プロフィール
片山 良平(かたやま りょうへい)
LONESS

片山 良平(かたやま りょうへい)

名古屋美容専門学校卒業。都内有名店に入社し、抜け感のあるやわらかいスタイルや、クセ毛を生かすカットを武器に一躍人気スタイリストへ。クリエイティブディレクターとして活躍後、本田治彦氏と共に独立。2016年の3月に表参道店、2019年3月に銀座店をオープン。サロンワークのみならずセミナーやヘアショー、コンテストの審査員など幅広く活躍しながら、代表として経営やマネージメントにも注力している。

EDIT
編集
桑名 真理子

Director桑名 真理子(くわな まりこ)

メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。

菊池 麻美

Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)

多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。