人気サロンLECOの代表/内田聡一郎・店長/小林賢司の師弟関係 二人の性格は正反対…だけど凸凹がハマっているから強い!-LECO師弟対決-【前編】
次々と生み出されるハイクリエーション作品に業界から常に注目されるサロン「LECO」。代表の内田聡一郎(うちだそういちろう)さんは2020年のJHAを制した一流美容師です。その内田さんにとって今気になる存在がLECO内にいます。それが愛弟子の小林賢司(こばやしけんじ)さん。意外と間近にいるからこそ、じっくり話し合う機会がないという二人。せっかくなのでbangsがお膳立てして、お互いの魅力を話し合ってもらいました。
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2021.09.24
「面接で内田さんに『できるの?できないの?どっち?』と迫られた」【小林】
小林 賢司(LECO店長 以下、小林):僕は2011年にveticaに中途入社したんです。そのときの面接担当が内田さんでした。
内田 聡一郎(LECO代表 以下、内田):そうだっけ?
小林:面接で「できるの? できないのどっち? やる気があるならやってよ」みたいな感じで言われました。
内田:その当時はアシスタントが足らなくて人がほしかったし、一旦採用してみて様子を見るのもいいかな、みたいな感じだった気がする。
小林:僕はVeLOとvetica(内田さんの前職のサロン)のVeLOに入る予定だったんですよ。veticaの代表だった内田さんからすると、僕の採用はあんまり関係なかったからかもしれないですけど(笑)。
内田:そっかぁ。俺、正直あんまり覚えていないかも(笑)。しばらくコバと一緒に働いていなかったし、俺のアシスタントをしてもらったのもveticaを辞めるまでの2、3年くらいだったからね。
小林:内田さんのすごいところっていっぱいあるんですけれど、当時感じていたのは仕事量が半端ないってこと。ほんとに毎週、全国のセミナーを一緒に回らせてもらっていましたもん。で、行った先々で「内田さんのアシスタント」というだけでチヤホヤされていました。気分よかったです(笑)。
小林:ただ、「スタイリストはそんなに簡単じゃないよ」って内田さんに言われていました。「技術とかヘアスタイルにもうちょっと興味を持ったほうがいいよ」とか。
内田:そういう時代もあったね。で、結局俺はコバを LECOに誘うわけだけど…決め手はコバの人間くさいところだった。ある意味、俺とコバは対極だと思う。
俺はどっちかというと前衛に構えて、先陣きっていろんなことをバリバリやるぞっていうタイプ。道を切り開くためには後衛をしっかり見てくれる仲間が必要で、後輩の面倒見がいい兄貴肌のコバはぴったりだった。だからコイツを連れて行くべきだなって。
内田:あと俺、意外とお客さまの名前などをド忘れしちゃうタイプだから。コバは絶対に覚えているよね。
小林:そうですね。こうやって改めて話してみると、確かにお互い近いところがあんまりないかもですね。
内田:休みの日に一緒に遊びに行くようなこともないし、その距離感も俺的にはいいんだけどね。
「クリエイティブに関しては、絶対にコバに負けたくない」【内田】
小林:ソウさん(内田さん)に勝てるところは全然ないんですけど、お客さんに勝っているところを教えてもらったことがあります。
内田:え、そうなの? なんて言ってた?
小林:あるとき、内田さんのお客さまが予約の電話をしてきたんですが、そのときソウさんは仕事があって都合がつかなかったんですよ。そうしたら「コバケンいる?」という話になり、髪を切らせてもらうことに。
で、施術しているときに「俺、内田さんに勝てるところありますかね」とか話していたら、「コバケンは心の美しさでは負けてないよ」って言っていただいて。
内田:あはは。なるほどね(笑)。
小林:ちなみにそのとき僕はこう言ったんですよ。「内田さん、ああ見えてシャイですからね」って。そうしたら「コバケン、そういうフォローするところが、人間味があっていんだよ」と言ってくださいました。
内田:いい話だね。人としての魅力満点って感じで。
小林:でも僕はソウさんの影響めっちゃ受けていますから。ソウさんの仕事のスピードとボリュームは何年も見せつけられてきたおかげで、仕事の処理の仕方が似てきたかな。その日のうちにやれることやらないと気持ち悪くて仕方がない。今はやることリストみたいなものもつくっているんですけど、元々の僕はそういうタイプじゃなかったですから。マイペースにやったら今、こんな人間になっていないですよ。
内田:人として素晴らしいコバケンの唯一のコンプレックスは、クリエイティブなサロンにいながら、自分があんまりのめり込めない時期があったことじゃないかなと俺は思ってる。そういう経験を経てLECOに入ってチャレンジして少しずつチャンスをもらって今に至るというか。だからこそ、クリエイティブに関してはコバに負けていられないんだよな。
内田:最近はさ、みんなもっと密にやっていこうってことで、話し合いを増やしているじゃん? 後輩の育成とか、LECOのismをつくるとかやりたいことがたくさんある。だから、どっちかっていうと今の俺は、外よりも内側にベクトルが向いているんだよね。
小林:あれだけ忙しく外に出ていた内田さんが、変わりましたよね。
内田:なんというか、外側にガンガン出ていくのはあんまりドキドキしないっていうか。どっちかっていうと、一番俺のことを知っている内側に向けて何かやるほうが興味あるかな。
小林:じゃあ、僕となんかやりますか。
内田:いいねそれ。じゃあ何する? せっかくだしbangsのメディア借りてなんかやっちゃう? そうだな~…今まで見たことないし、『ヘアデザインの師弟対決』はどう!?
師弟対談が思わぬ方向に流れLECOのコンビが突如、新たな企みを起こすことに…! 一体、二人でどんな対決が起こるのか!?。乞うご期待!
内田 聡一郎Souichiro Uchida
2003年より原宿のサロンでトップディレクターとしてサロンワークをはじめ、一般誌、業界誌、セミナー、ヘアショー、著名人のヘアメイク、商品開発など様々な分野で活躍。2018年 渋谷にLECOをオープン、2020年 セカンドブランドQUQUを2021年LECO öbenオープン。代表として今後一層の活躍が期待されている。著書「自分の見つけ方」(2013年)、「内田流+αカット」(2017年)、「内田本」(2018年)を発売。また、シザーやシザーケースなどのオリジナルプロダクトも発売中。2019年12月から若手美容師にエールを送るsoucutsラジオを始動。
小林賢司Kenji Kobayashi
山野美容専門学校卒業後、都内有名店を経て『LECO』にオープニングスタッフとして参加。同時に、スタイリストデビュー。2018年ミルボンフォトコンテストで優勝。イラストレーター・通称グラマス(graphicmaster_koba)としても活動している。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Writer外山 武史(とやま たけし)
SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!
Photographer松山 優介(まつやま ゆうすけ)
Chiyoda-studio所属。広告、雑誌、美容師とのクリエイション撮影、セミナー等、美容業界を中心に活動中。2015年から3年連続JHAコンテストで携わった作品がグランプリを受賞。