どのヘアスタイルもパーフェクト美容師! ALBUMプロデューサー/NOBUの作る4ヘアスタイル徹底図鑑! <スタイルづくりのコツ編>【後編】
お客さまからも美容師からも常に注目を浴びる人気美容師、ALBUMのプロデューサー/NOBUさん。その巧みな技術は、どんなスタイルを作り出してもクリエーションを発揮する、いわば“パーフェクト美容師”といえます。
前編の【ヘアスタイル紹介編】
では、ショート、ボブ、ミディアム、ロングそれぞれぞれのイチオシのヘアスタイルをご紹介しました。後編の今回は、【スタイル作りのコツ編】! どんなものからスタイル作りのインスピレーションやクリエイティブのヒントを得るのか、またモデルさん選びのポイントなどについて伺いました。年内にオープン予定のNOBUさんプロデュースサロンの情報も解禁します♪
SPECIAL CONTENTS
2021.10.21
『NOBUといえばコレ!』というスタイルを知ってもらえるようになりたい
サロンワーク以外での作品撮りは、最低でも月に9スタイルくらいは作るようにしています。加えて、雑誌の撮影があると、誌面用の撮影が終わったあとに、外に出て追加でInstagram用に自分で撮影することも。
今は、数をたくさんこなすということはあまり意識していませんが、撮りたい瞬間や場面というのはたくさんあるので、量は自然と増えていってしまうんですよ。「やらなければいけない」というより当たり前の習慣という感じです。
例えば、YouTuberやインスタグラマーなどのインフルエンサーは、毎日投稿したいと思えば、それこそ習慣的に日常の場面を切り取っているはずですよね。それと同じです。「素材さえあれば撮る!」という意識です。
Instagramの投稿は、お客さまもモデルさんもどちらの写真も混合してアップしています。
実は今、Instagramのフォーメーションを変えようと整理しているところなんです。反響が大きかったものは定期的に再投稿しつつ、とにかく自分が納得のいくヘアスタイルを見てもらえるようにしようと思って。
今まではいいねやフォロワーなどの数字を上げること、バズることを考えていたのですが、フォロワーさんの数も投稿数も増えるところまで増えましたし、これからはNOBUのコンテンツとして楽しんで見てもらえるようにしたくて。
なぜかというと、これからは『NOBUといえばコレ』というデザインを周知していきたいんですよ。今は、ビジュアルがいいモデルさんを用意してヘアセットする…とかでもファンは増えていく時代ですが、やっぱり技術力や本質が感じられるデザインで真っ向勝負したいという気持ちがどんどん芽生えてくるようになったんです。
そういう風に上げていった作品を「こんなのもあるんだ」と、NOBUのヘアカタログ作品として見てほしいです。
モデル選びのコツは“猫目”ということだけ!? NOBUさんが瞳にこだわる理由って?
モデルさんはInstagramで探すほかに、来店いただいたお客さまの中から撮影のイメージに近い人がいたらお願いすることも多いです。たまに、他のスタッフのお客さまでも「撮影させてください!」とお願いすることもありますね。
僕の打ち出しが、“オンナカッコイイ”なので、モデルさんのタイプは猫目ですっきりしたお顔立ちの方が多いです。マリリン・モンローみたいにフェミニンでセクシーなタイプより、ブリジット・バルドーのような小悪魔っぽいタイプのカッコよさを表現したいんです。
こだわりはそれだけで、ヘアスタイルや髪質で選ぶことはほとんどありません。ショートでもロングでもかまいません。どんな人でもオンナカッコよくする自信があるし、ガラッと違うスタイルにするのが好きです。
写真などの静止画ではなく、動きのある立体的なものがインスピレーションの源泉
スタイル作りのインスピレーションは、街を歩いているおしゃれな人や映画、雑誌などから得ますが「髪の毛だけ見る」というのはあまりないんです。髪の毛と表情、動きみたいなのを総合的に見ることが多いですね。
例えば、コーヒーショップで店員さんがドリンクを作っている姿を見て「この人の前髪いいな」とか、ウエイトレスさんの去り際のさらっとした毛先がキレイに感じるなど、動いている姿、もっといえば働いている姿からインスピレーションを得ることがほどんどかもしれません。だから、静止画じゃなくて、立体的に、全体像を捉えて美しいと感じるのかも。
考えてみれば、僕は、建築物などスクエアで奥行きのあるものをじっと観察するのが好きなんですよ。美術館や博物館に飾られているものにはあんまり興味はないけれど、その建物自体に興味があるというか…。
写真集とかも、山をくり抜いた中に家があるとか、海と部屋がそのまま繋がっている家など空間がつながるトリッキーな建築物をよく観察するのが好きなんです。他には『ウォーリーを探せ』がとっても好きです。ただ、ウォーリーは探しません(笑)。周りにいる人たちが何をしているのかをつぶさに見ていき、イメージを膨らませています。
NOBUプロデュースサロンは、美容師として第2章のスタート!
年内を目標に、僕がプロデュースする新しいコンセプトのサロンを青山にオープンする予定です。
僕の場合、Instagramからの入客が多いこともあり、サロンに足を運んでくれる方は20代の若い方が中心。ALBUMでは、1日に40人を担当する日もあります。その中で、顧客として年齢を重ねても長年通ってくださるかたもたくさんいて。新しいサロンは、これまでお世話になったお客さまにじっくり向き合い、恩返しができるようなサロンにしたいんです。
『オンナカッコイイ』は僕の永遠のテーマなので、もちろん継承してスタイルを作っていきます。
もともとALBUMというサロンが認知を広めたのも、女の子が少し背伸びしたようなおしゃれなデザイン、外国人風やグラデーションカラーなどのトレンドをいち早く発信したから。トレンドスタイルを毎月通える価格で提供するというのを大事にしたい一方で、年齢を重ねたお客さまには表参道や青山といった落ち着いたエリアで自分の作りたいデザインを提供し、極めていきたいという思いがあります。
僕はこれまで、1日にたくさんのお客さまを担当することにこだわりを持ってやってきたのですが、ALBUMの中にはハイトーンを打ち出して、じっくり時間をかけてお客さまと向き合うというスタッフもいて…実はそれもうらやましかったんです。
新しいサロンがオープンしたら、第2章が始まる気持ちで、今までやってみたかった働き方にチャレンジしていこうと思います。
僕は、“粋”という言葉が好きで、自分自身も粋な人間でありたいといつも考えています。粋って、気配りや心遣いのその上をいく、あり方だと思っているので。新しいサロンのコンセプトも『粋なスタッフがいるサロンで、お客さまとの絆を作っていくサロン』。まずはそこを目指してやっていきます。
NOBU
大阪府出身。ル・トーア東亜美容専門学校卒。大阪と東京のサロンで経験を積み、2014年よりALBUMのプロデューサーとして活躍。美容学校生のころから既存のルールにとらわれず、独自の手法で技術を高め、売り上げ、集客ともに伸ばしてきた実力者。サロンワークのほか、雑誌の撮影やショーのヘア・メイクの仕事も数多くこなしている。インスタグラムのフォロワーは23万9千人。11月には自身初となるスタイルブックNOBU STYLE BOOK(主婦の友社)が発売予定。年内には青山に新たなプロデュースサロンもオープン予定。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。
Writer須川 奈津江(すがわ なつえ)
フリーランスの編集・ライター@東京東側。お仕事は美容師さんメディアでの執筆、教育、健康、レシピ本などの実用書・ライト文芸の編集などなど。