ヘアカラーのパイオニア! みやちのりよしが語るベストマッチカラーリングvol.01 【お客さま編】
2016年前後から長く続くヘアカラーブーム。トレンドカラーは日々変化するけれど、 本当にお客さまが叶えたいベストカラーってどうしたら見つけられるの? 今回は、『SHACHU』の代表であり、デザインカラーの先駆者でもあるみやちのりよしさんに、カラーリングのベストマッチング法について前編はお客さま目線で、後編
は美容師視点から教えてもらいました。前編は、【お客さま目線でのカラーを成功させる秘訣】について伺います。
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2021.07.27
自分のしたいカラーリングの「トーン(明るさ)」をすり合わせておくことが大事!
―「カラーしよう!」と決めて美容室に行き、カウンセリングを受けているときに、伝えておいた方がいいことはありますか?
色ももちろんですが、僕は、トーン(明るさ)をすり合わせておくのが大事だと思います。よくある話なのですが、グレージュやグレーにしたいというときに、お客さまからすると「真っ黒にされちゃった」みたいなすれ違いが起こることが結構あって。
それはお互いの考えているトーンが異なっているから起きてしまうんです。アッシュだったら暗いアッシュもあるし、透明感のあるアッシュも両方ありますから。
カラーで一般的に使われるのは4〜16トーンの領域なのですが、例えば「7トーンってどれくらいですか?」って聞いて、実際の写真や、できればカラーチャートを見せてもらった方がいいですね。そのうえで、「今日はこのくらいの色になって、色落ちするとこの色になります」って、すり合わせておく。
それができていた方が美容師さんもやりやすいし、お客さまも安心できますよね。特にカラーって、塗られているときにはどうなるかがまったくわからないから、行き先をちゃんとわかるようにしておいた方が楽しいはず。
―ちなみに、たくさんの美容師さんがSNSで発信を行っている今、カラーが本当に得意な美容師さんを見つける良い方法はありますか?
例えばInstagramで見つけるならば、やっぱりある程度カラーに偏って打ち出している人を探すというのはマストかもしれませんね。
カラーの中でも、自分がやりたいカラーで「グレージュの写真ばかり上げている人」「ピンクの写真ばかり上げている人」「ハイライトの写真ばかり上げている人」みたいに専門性のある美容師のインスタをまずはチェックしてみて。
これはカットも同じで、ボブばかり切っている人はボブが得意なように、毎日ブリーチを塗りまくっていたら、うまくなるはず。息をするように自然と毎日くり返しやっている人を選ぶことから始めてみるのがいいかも。
―「このカラーにしたい」って決めたらハッシュタグとかで探すと選びやすいかもしれないですね。
「次はどんな色にしよう」この10年でカラーがよりポジティブに捉えられるように
―今はカラーブームということにも加えて、SHACHUの場合はほとんどのお客さまがカラーメニューの施術を受けると思うのですが、カラーがもたらす効果って何だと思われますか?
まさしく、生活の彩りですよね。
洋服にはいろいろな形と色があるけれど、特に女性は「色」で服を選ぶことも多いように思います。「春だからこの色の服を着たいんだな」とか「もうすぐ夏だから、この服おろしたんだろうな」って。
ヘアカラーも同じように、「春になって大学生になったらこの色にするんだ!」とか「夏になったらヘアカラーをこうしよう」とか、ポジティブに決める人が増えてきている気がします。
前までは、「根本が黒くなってきちゃったから染めないと」っていう人が大多数だったけれど、「次は何色にしよう」っていうテンションになってきた。バッサリとカットするのは勇気がいるけれど、カラーって気に入らなければ戻すこともできるから、気分転換にもいいですしね。
それに、世の中での認められ方も変わってきていると思います。テレビにもいろいろなヘアカラーの人が出ているし、アニメのキャラクターのヘアもカラフルで、それがパーソナリティになっている。一般の人でもそれを取り入れ始めたから、街を歩いている人の髪の色って、10年前とはまったく違っていると思います。
―今やブリーチをしないという選択肢の方が少なくなってきている感じすらしますよね。お客さまにとっても新しい自分を見つける幅が広がっているのかも。
カラー大好きな美容師・美容学生も本当に増えましたからね。
―最後に、2021年夏のヘアカラーのトレンドやおすすめのカラーを教えていただけますか?
今年の夏は洋服のトレンドもイエローが多いので、上級者には夏らしいイエローがおすすめです。前頭となるとハードルが高いので、インナーカラーやポイントカラーでイエローを入れる。
もう少し控えめに楽しみたいという場合は、ワンブリーチで入るベージュが良いと思います。ミルクティーというよりは、ブロンドっぽい感じやくすませすぎないクリーミーベージュみたいなカラーがトレンドになると思います。
次回は、美容師スタイリストさんへ向けてベストマッチングに導く方法をみやちさんが伝授します! お楽しみに!
みやち のりよしNoriyoshi Miyachi
岐阜県生まれ。2014年4月、渋谷にSHACHUを設立。グラデーション・ハイライト・デザインカラーなどを用いたハイトーンカラーが圧倒的な支持を集めている。2018年3月、女性モード社より『SHACHU 秘伝のヘアレシピ』を出版。サロンワークに加え、国内外のセミナー、ヘアショー、ヘアメイクと幅広く活躍中。2021年からは、新会社CS Beauty & Productsを設立、「Agu.グループ」と事業提携し、全国展開に向けヘアカラー専門店「CS made by SHACHU」を渋谷にオープン。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。
Writer須川 奈津江(すがわ なつえ)
フリーランスの編集・ライター@東京東側。お仕事は美容師さんメディアでの執筆、教育、健康、レシピ本などの実用書・ライト文芸の編集などなど。