どのヘアスタイルもパーフェクト美容師!C・crew桑原大貴のヘアスタイリスト図鑑!【前編】

ハイトーンカラーの技術を駆使したバレイヤージュや海外ヘアに定評があり、デザイン性の高いカラー理論でセミナー講師としても活躍するC・crew桑原大貴さん。今回はそんな桑原さんに、これまでの美容師キャリアやヘアスタイルへのこだわりを前後編でお届け! 前編 は、美容師になったきっかけやサロンの強みをお伺いしました。ぜひ最後までご覧ください!

SPECIAL CONTENTS

2024.11.14

INDEX
目 次

桑原大貴さんってこんな人!

C・crew 副代表

桑原大貴 (くわばら たいき)

新潟県出身。新潟理容美容専門学校卒業後、都内2店舗を経て2021年4月にC・crew参加。

SNSにてメイクやヘアアレンジの投稿で注目を集め、バレイヤージュなどのテクニックを活かしたカラー技術と海外風ヘアで一躍人気スタイリストへ。センス溢れるデザインや提案力、磨き上げた技術力で業界内外から支持を集めている。サロンワークのみならず撮影やヘアショー、また全国各地でセミナー講師としても活躍中。インスタグラムは現在18万人を超える(2024年11月現在)

フォロワーが伸びてもお客さまが来ない。危機感から得られた美容師としての武器。

ー デザインカラーなどのテクニックやセンス溢れる海外ヘアで業界内外から注目の桑原さん。美容師を目指すことになったきっかけは?

僕の父は理容師をしていて母は美容師。幼いころからその姿を見ていた影響が大きいですね。

ただ、学生のころはサッカー選手になりたかったんですよ。幼少からずっとサッカーをしていて、高校では地元新潟の強豪校に入って全国高校サッカー選手権大会に出場するなど本気で取り組んでいました。

ただ、高校に入るとプロになれるまでの壁の高さに対して自分の実力が見えてきてしまって。全力で頑張っていた分、三年生のころは燃え尽きた感覚になっていました。他の道を考えたときにデザイン関係の仕事に興味があったので、両親の働く姿を見て美容師を選びました。

ー 真剣にやっていたサッカーの経験が、今に活きていることはありますか?

C・crewの共同代表たちはみんなサッカー経験者で、それぞれポジションが見事に違うんですよ。不思議なことにサロン運営でもその立ち位置でバランスが取れているんです。

森田怜は、サロンでも先陣を切り開くフォワードですし、内山俊平は視野の広さや攻守両方に貢献する中間のポジション。僕は先を読む判断や冷静さが必要な最後の砦センターバックをしていたので、代表たちとの連携やチームワークをよくする動きをしています。

ー 見事なリレーションシップですね。美容師の道に進まれてみて、大先輩であるご両親のことはどんな風に感じていますか?

正直なところ、美容学生のころまでは何か特別なことを思うことはなかったんです。ただ社会人になり仕事の大変さや子育てを経験してみて、心からすごいなと尊敬しかありません。私立の高校や専門学校に通わせてもらうなど何不自由のない生活をさせてもらいましたが、それって当たり前のことではないなと。僕も美容師の妻と二人の子供を育てているので、両親と同じような生き方をしてるからこそ、リスペクトしています。

ー 地元が新潟とのことですが、いつから東京に?

新潟の美容専門学校を通っているころから「やるからには東京で勝負したい」と考えていましたね。当時はナチュラルなデザインが好きだったので、そのスタイルを得意としているサロンに応募して新卒で表参道のサロンに入りました。

5年ほど下積み時代を経験して25歳でスタイリストになったのですが、だんだんとやっていくうちに海外ヘアをやりたいと思うようになってきて。デザインカラーや海外ヘアを得意としている場所を求めて転職活動し、ALBUMへ入りました。

ー カラーはどのようにして学ばれたのですか?

海外ヘアを得意としている当時の店長からデザインの影響をすごく受けましたね。そこからバレイヤージュを独学で学びました。SNSでひたすら海外の美容師さんのスタイルをチェックしたり、サロンでカラーが上手な人のやり方を見ていましたね。

僕は器用な方ではないですが、写真で見たものを頭の中で展開図として捉えることができるので、その特技を武器に試行錯誤しながら実践で上手くなりました。自分に対して負けず嫌いなので、ただカラーをするというよりは難しい技術の方が楽しめるんですよね。ケミカルや色の勉強も好きなので、どんどんカラーにハマっていきました。

ー 転職したころには、すでにインフルエンサーでしたか?

当時は今ほどInstagramが浸透していなかったというのもありますが、入社したときは300人くらいでしたね(苦笑)。お客さんもビックリするほどいなかったのに3年目で副店長を任せてもらっていたので、どうにかしなければ…と模索する日々。しかもしばらくして店長が退職してしまったので、お店を潰さないように必死でしたね。その危機感のおかげで、本気でやろうと火がつきました。

最初に反響があったのは、メイクやヘアアレンジの投稿。ただフォロワーは伸びたのですが集客にはあまり結び付かなかったんです。メイクやヘアアレンジの動画はユーザーにとって役立つコンテンツではありますが、カットやカラーをしてもらおうという判断材料にはなりにくかったようです。

来店に直結する技術を売りにしようと思い、カラーの勉強をしたのもあります。それから、バレイヤージュやハイトーンカラーが一気に注目されて、C・crewに来るまでにはフォロワーが16万人くらいになってましたね。

仕事では攻めて、副代表としては守りに徹するバランサー

ー C・crewに入ることになった経緯は?

全社では幹部を任せていただき非常に充実していたのですが、会社が大きくなるにあたってビジネスの方向性と僕が理想とする美容師のあり方にズレが出ていると悩む時期がありました。僕は職人気質で一人のお客さまに対してこだわりを持って接していたいんですよね。

そのころ出会ったのが森田です。OCEAN TOKYO WHITEの七五三掛慎二やSIGNの大鶴翔悟など、別のサロンで活躍する同年代とよく会っていたのですが、森田から「最近、元気?」と突然DMがきて。森田や仲間のことは信頼していたので、ちょうど相談しようとしていたタイミングでした。森田は、人の些細な変化から何かを察する能力があるんですよね。その流れで飯に行って、自然な流れで一緒にやろうという話になったんです。ちょうど30歳のタイミングでしたね。

ー 加入した当初は、どのような心境でしたか?

僕が入社することが決まってから現在の店舗に拡張移転をして副代表として入ったので、責任と環境の変化に戸惑いがありましたね。

どちらかというと僕は正統派でやってきたので、C・crewのアウトローな感じに惹かれていたのですが、やっぱり最初はびっくりしました。教育の仕方や営業の回し方なども全く違いましたし。

攻めるのが得意なメンバーが多いので、僕は守りに入ってバランスを取りにいった感じです。数字関係や経営などにおいて、じっくり考える役割を僕がしていますね。前社はあらゆるデータや数字を軸にマネージメントをする会社でしたから、そこでの経験値が活かせています。

ー サロンの中で桑原さんの役割は?

バランサーですかね。攻めすぎた際はブレーキを踏む立場といいますか。美容師として僕も攻めていきますが、副代表としては守りに徹しています。やりたいことがいっぱい出てくるからこそ、最終的なゴールを明確にしていこうと代表たちとは話をしています。

ー C・crewの強みは?

それぞれの個性が尖っていてセンスの溢れるデザイン思考なメンバーが集まっているところでしょうか。スタッフ同士は家族のように仲が良いですね。思ったことを腹を割って話せる空気感があるので、その風通しの良さがサロンの居心地の良さにつながっていると思います。

サロンワーク以外でもアーティストのPVに出ているパフォーマーがいるなど、それぞれやりたいことを好きに楽しんでいるのもC・crewの良さであり、ブランディングにつながっています。

>後編を見る

◾️「パーフェクト美容師!」バックナンバーはこちらからcheck!

PROFILE
プロフィール
桑原 大貴
C・crew 副代表

桑原 大貴

新潟県出身。新潟理容美容専門学校卒業後、都内2店舗を経て2021年4月にC・crew参加。SNSにてメイクやヘアアレンジの投稿で注目を集め、バレイヤージュなどのテクニックを活かしたカラー技術と海外風ヘアで一躍人気スタイリストへ。センス溢れるデザインや提案力、磨き上げた技術力で業界内外から支持を集めている。サロンワークのみならず撮影やヘアショー、また全国各地でセミナー講師としても活躍中。インスタグラムは現在18万人を超える(2024年11月現在)

EDIT
編集
桑名 真理子

Director桑名 真理子(くわな まりこ)

メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。

菊池 麻美

Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)

多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。