美容エディター注目の次世代のパイオニア！ Find a STAR☆第3回・MINX／花岡瑠斗×美容エディター／桑名真理子

花岡瑠斗さんってこんな人！

神奈川県藤沢市出身。原宿ベルエポック美容専門学校卒業。MINX原宿店を経て2019年より銀座五丁目店に勤務。アシスタント時代から特化していたインナーカラー、イヤリングカラーをSNSで発信し、ブレイク。現在、Instagramは約2.6万人、Tic Tokは約5.8万人のフォロワーを抱える。2021年8月にスタイリストデビューを果たし、親しみやすいキャラクターと確かな技術でファンを集めています。

お笑い芸人以外で、人の笑顔を生み出す仕事って何？

桑名 真理子（美容エディター 以下、桑名）：今回、どなたに取材しようかといろいろ考えを巡らせていたとき、尊敬するプレスのお一人、MINXの佐藤さんとやりとりをしている中で、名前が上がったのが花岡さんでした。ものすごく明るくて礼儀正しい花岡さんですが、スポーツ経験者ですか？

花岡瑠斗（以下、花岡）：はい！　剣道をやっていました。

桑名：やっぱり！　剣道の道からなぜ美容に目覚めたのでしょう？

花岡：高校2年生のときに進路を決めるにあたって、とくにやりたいこともなかったので母親に「将来、どうしよう」と、相談したんです。すると、「瑠斗は何をしているときが一番好きなの？」と聞かれたので、「人が笑っているのを見るのが好き」と答えたんです。

そして返ってきたのが、「じゃあ、それを仕事にしなさい」という言葉。だから、当時は単純に「それって、お笑い芸人になるってこと？　それはちょっとなぁ」と考えていました（笑）。

花岡：そんな時期に友だちに誘われてたまたま東京の有名美容室に行く機会があったんです。そのとき僕も髪を切ってもらったのですが、担当した美容師さんとお客さんの関係を見て、ものすごい衝撃を受けて！

それまでただ髪を切ることが仕事だと思っていた美容師さんに、お客さんが「髪を切ってもらったら、彼女ができたんですよ」と嬉しそうに話しているのを見て、「美容師って、人を幸せに、笑顔にできる仕事なんだ！」と感じ入り、美容師を目指すことに決めました。

桑名：東京の美容師さんとお客さんの関係性を見て美容師になろうと決めたんですね。美容学生時代は、どんな学生生活を送っていましたか？

花岡：よく自分のSNSでも言っているのですが、僕は本当に不器用で、みんなと同時にスタートを切ってもだいたいビリになってしまうタイプ。なので、美容学校の成績もそんなによくなかったんです。でも、その代わりに周りの友だちには恵まれたので、彼らとたくさん話したりコミュニケーションを取ったりするようにしていました。

花岡：具体的にいうと、僕はいわゆる有名店を目指していたので、自然と同じ目的を持つ友だちが増えていって、そういう仲間と一緒にいると、たくさんの大人と話す機会が自然と増えていくんですよね。美容師は接客業なので、いろいろなお客さまと接する必要が出てきます。例えば、おしゃべりが好きな人もいるし、必要最低限のことだけ話したいという人もいる。

目の前にいる人がどういうタイプなのか、そしてそのタイプの人にはどんな話し方をすると受け入れられるのか、たくさんの人と接するうちに、コミュニケーションの取り方が身についていったんです。

1年間で撮りためたインナーカラーの写真。時流にのってInstagramにアップ

桑名：花岡さんのTik Tokやカウンセリングの様子を拝見して「親しみやすさ」をとても感じました。そういう経験があってのことだと納得です。

花岡：ありがとうございます！

桑名：MINXに入社後、現在4年目で8月にデビューされたと聞いています。スタープレイヤーがたくさんいらっしゃる有名店で、花岡さんの美容師としてのストロングポイントは？

花岡：僕は1年目のころからインナーカラーを打ち出そうと決めていました。当時は、今ほどインナーカラーをしている人はいなかったのですが、カラーモデルで呼んだ友人がたまたまインナーカラーをしていて。ベースは仕上がっていたので、僕もカラーをその部分にのせたんです。

花岡：そのヘアスタイルをInstagramにアップすると、100件ほど保存されて！　そのときの僕からは考えられないような数字で、「こんなに伸びるんだ！」と驚きましたね。それがきっかけでインナーカラーに方向性を絞ったのですが、なにせモデル探しが大変で…。

桑名：当時は、そこまでインナーカラーが流行っていなかったですもんね。

花岡：はい。あまりインナーカラーは注目されていなかったので、「やってみたい」という人も少なくて。でも、友人などに必死に声をかけてインナーカラーをほどこして、1年ほどコツコツ写真を撮りためていたんです。

花岡：そして、昨年の2月、撮りためていた写真を毎日Instagramに投稿するようにしたのですが、その少しあとから、世の中にインナーカラーが浸透して、興味を持つ人が増えたんです。

僕は、運がいいことにその時期より前に撮りためていた写真があったので、それをアップすることでフォロワー数を伸ばすことができました。

ホワイトベージュを後ろの方まで入れたスタイルは、特にバスりましたね。

桑名：ときを同じくしてデビュー、ということになるのでしょうか？

花岡：注目度を高めてデビューできるように、計画してやっていましたね。先程、僕のキャラクターを親しみやすいとおっしゃっていただきましたが、もちろんそれも強みになると考えている一方で、美容師としては当たり前にうまくなければダメだと思っています。

技術を磨くことを第一にしながら、デビューを見据えて「この時期にこの写真をアップしたら支持を集められそう」というのを考えて取り組んでいました。それがあったからスタートダッシュできましたし、今があるともいえますね。

仕事もプライベートも「楽しい雰囲気で自分から心を開く」のが鉄則

桑名：お客さまへの親しみやすさはもちろんなのですが、花岡さんのご活躍を見ていると、先輩や後輩を大切にしている様子もよくわかるのですが、意識していらっしゃるのでしょうか？

花岡：はい。僕の中ではお客さまなのかスタッフなのかは関係なく、「とにかく楽しい雰囲気で自分から心を開いたら仲良くなれる」というのを信条にしています。

先輩との付き合いでは、よく、「吸収できることを、できるだけ吸収してやろう」という考え方の人もいますが、与えてもらうことだけを考えていてはダメだと思っていて。人間関係では、自分が10与えて、相手から2お返しがくるくらいが楽しいですよ。

今でこそこんな考え方になりましたが、以前は人に何かを与えることって苦手でした。なんでそんなことしなきゃいけないんだろうって思ったりしていて。

桑名：とっても意外です。何か変わるきっかけがあったんですか？

花岡：忙しいときや、自分の思うように行かないときって当然、気持ちが落ち込むし、余裕もなくなりピリピリした雰囲気になりますよね。それがサロン全体にも影響することってよくあると思うんです。

そんなとき「こんな環境で働くのは嫌だなぁ」と思うのは簡単ですが、逃げ出すのはガラじゃないので、思い切って明るく振る舞うようにしたんです。シリアスな雰囲気のところであえて明るく振る舞うのは勇気がいりましたが、やってみると周りがどんどん明るくなって、サロンの雰囲気もガラリと変わりました。

桑名：人間ひとりの力はマイナスにも働くし、プラスにも働くんですね。

花岡：そのとおりだと思います。「心を開いて話しかけたら、仲良くなれた」という経験は他にもたくさんあって、僕はプライベートでも同じような考えで過ごすようにしています。シニカルに構えているよりラクだし、楽しいし、得することの方が多いです。

桑名：どんな気持ちで過ごすかって、ほんとうに大事ですよね。今、デビューして3か月ですが、どんな美容師になりたいですか？

花岡：僕の夢は“人の夢になること”なんです。美容師になるきっかけも夢も持たせてくれた美容師さんや、これまで育ててくれたMINXの先輩たちもそういう存在だと思うのですが、人を笑顔にできて夢を見せることができるような美容師になりたいです。

桑名：最後になりますが、これからの野望を教えてください！

花岡：日本中の人が僕のところに髪を切りにきてほしい、という大きな野望があります。そのために、You Tubeをスタートします。

今はまだYou Tuberとして一般の人にも認知があるような美容師はいないので、一緒にやっている美容師の仲間4人とそういった存在になりたいと考えています。

僕らのYou Tubeを見てまずは笑顔になってもらい、「もっと自分に自信を持ちたい」という風に感じたら直接足を運んで会いに来てほしい。You Tubeでの活動で僕の名前を知ってもらい、髪を切りに来るきっかけになればと考えています。

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