【-神サロモ-file 05 /藤本麻衣さん】 有名美容師からオファー殺到! あの人気モデルさんにフォーカス!
それぞれの美容師の世界観を発信するスタイル作り・撮影に欠かせない、”サロンモデル”。サロンモデルは、美容師を支える存在の一つといえます。
有名美容師たちから絶大な信頼を集める“神サロンモデル”を取材するシリーズ。第5回のゲストは、印象的なアンニュイな表情の一方で、オープンマインドなキャラクターが魅力の藤本麻衣(ふじもとまい)さん。藤本さんがサロモとしても活躍するようになったきっかけや、バズったヘアスタイル、美容師さんへの思いなどについて聞きました。
サロモ探しのポイントが知りたいという美容師さん、これからサロモになりたいという方も必読の記事です!
>神サロモ file04 佐々木ゆかさん
SPECIAL CONTENTS
2021.12.27
アイドルになりたくて、親にも内緒でオーディションに応募していた子供時代
―スチールでもムービーでも活躍中の藤本さんですが、表現の世界に身を置くきっかけはなんだったのでしょうか?
私、4歳くらいのころに、雑誌のお米の広告に出たことがあったんです。撮影用に赤い服を着て、家に来たカメラマンさんに、私がご飯を食べているところを撮影してもらったのを覚えていて、今でも実家にはその広告のページが額縁に入って飾ってあります(笑)。
それをきっかけにアイドルになりたいと思うようになったのですが、周りには言い出せなくて、心に秘めたままモーニング娘。のオーディションに応募したこともありました。それは落ちてしまったのですが、その後、別のオーディションで3次審査くらいまで通ったときに、家に郵便物が届いて母親に驚かれました。
当時はオーディション雑誌とかがたくさんあって、それを見て一人で勝手に応募していたんですよ。小学生から中学生くらいだったと思います。
その後、大学生のときに横浜を拠点に活動するhamajo(横浜のショッピングモールやフリーペーパーのモデルや芸人さんとのコラボ動画配信などの活動を行う)に参加しながらサロモを始めました。
―藤本さんの出演されているムービーを見ていると、カット割りや画角によって表現豊かで、どんどん引き込まれてしまう魅力があります。
ありがとうございます! そんなことを言ってもらえるなんて…生きていてよかったです(笑)。
でも、それはモダンダンスの影響があるかもしれません。幼稚園生〜小学校5年生くらいまで習っていて、喜怒哀楽を体で表現するレッスンがあったんです。
初めての撮影で、アンニュイな表情が開花
―そういうことだったんですね! サロンモデルを初めてしたのはいつからですか?
今から9年ほど前、大学生のときですね。原宿を歩いているのをハントしてもらい、初めて撮影をしました。現在はメゾンツムギの代表を務められている吉沢ジュンさんのヘアカタログに掲載される撮影でした。私は横浜出身なのですが、仕込みでサロンに行ったときは「東京の美容室はなんておしゃれなんだろう!」ってとってもドキドキしました。
スタジオに移動するタクシーの中で、アシスタントさんが表情の作り方を教えてくれて。「表情はアンニュイに。口は『まみむめも』の『む』の形をするんだよ。カメラの向こうに好きな人がいると思って表情を作ってみて」と、初めての撮影のときにたくさんのことを教えてもらえました。
そのときはロングヘアだったのですが、ヘアメイクをしてもらって撮影をしていると別世界にいるようにキラキラしていて、すっごく緊張はしましたが、それを上回る楽しさがありましたね。吉沢さんは落ち着いているのにテキパキとかわいいスタイルを作る達人だと思いました。
そのヘアカタログをきっかけに、サロンモデルのお仕事で声をかけていただくようになりました。
―中でも反響が大きかった撮影はありますか?
はい。当時U-REALMのサチコさんにボブにしてもらい雑誌『ar』に載ったときは、ボブスタイルも好評だったのですが、おフェロと呼ばれていたチーク濃いめのメイクが流行していたころで、ものすごく反響が大きかったです。
それも大学生のころで、サロモの仕事も増えていったのですが、私は神奈川の自宅から町田にある大学に通っていて、授業もあるので、朝イチに東京で撮影をしてから大学に通うなんて日もありました。移動時間が往復で3〜4時間はかかってしまうのですが…。
「ヘアとメイクで人はこんなに変われる」改めて気づいたヘアメイクの偉大さ
―すごい! モチベーションがないと続けられないことだと思います。他の美容師さんの撮影で印象に残っているのは?
今はDecemberの代表、北田ゆうすけさんのセミナーのモデルで黒髪ショートのパーマスタイルにしてもらったことがあるのですが、反響が大きかったのと、自分でも「もう一度ショートにするならまた北田さんに切ってもらいたい」というくらいかわいくしてもらいました。
OLSENの宇都木亮さんは、『ar』に載ったボブスタイルを見て知ってくださり、その当時の宇津木さんのアシスタントさんが表参道で声をかけてくださったのが出会いです。それまではヘアカタログっぽいシチュエーションが多かった中で、ロケでの作品撮りで、全身を使う表現や表情の作り方など、新しい経験をさせてもらい、それまでの撮影の概念が変わった撮影でした。
Un amiの増永剛大さんは雑誌のヘアカラーの広告で外ハネボブにしてもらったときの反響がものすごく大きかったです。増永さんといえば外ハネボブのカリスマ。実は、その広告のヘアスタイルが某アイドルさんに似ているということで、ちょっと炎上しちゃったくらい反響があったんです。そのとき、私は改めて、「ヘアとメイクで人ってこんなに変われるんだ。好きな芸能人に似せることもできるし、ヘアメイクの力はなんて偉大なんだろう」と感じました。
―藤本さんはサロモとしてのキャリアがちょうど10年ということなのですが、モデルとして大切にしているポリシーはありますか?
感謝の気持ちと初心を忘れないということは常に意識しています。
ずっとサロモをしているとたくさんの美容師さんと撮影をするので、経験がある分、正直スマートじゃない部分もわかってしまうことがあるのですが、私をヘアのモデルとして呼んでくださった、という謙虚な気持ちで居続けるようにしています。
そして相手の気持ちを考えたり思いやりを持つことも大切かもしれません。撮影は朝早いこともありますが、思いやりの気持ちを持てば早起きもできるので!
フィジカルの面でいうと、やっぱりきれいな髪質を保つことを意識したり、最近は全身の撮影も多いので毎日10分はダンスをするようにしてスタイルに気をつけたりはしています。私は丸顔+むくみやすいので、撮影の前の日は塩分を摂りすぎないように注意していますね。パスタとかラーメンとか食べるとすぐむくんでしまうので、友達と外食をするときとか、特別な日以外はあんまり食べないようにしているんです。
美容師さんは心が晴れやかになるパワースポットのような存在!
―これからサロモにチャレンジしてみたいという人に応援メッセージをいただけますか?
今は街中でハントというのもあまりないし、マスクが手放せない状況なので難しいこともいっぱいあるかと思います。
でも、やりたいという気持ちを諦めないで自分を磨いたり、雑誌とかを見て表情の作り方を学んだりしてほしいです。
あと、「やりたい!」という気持ちがあるのならばレスポンスの速さは大事かもしれません。サロンモデルは、たくさん代わりの人がいるというのも現実なので、早くお仕事を確定させるという意味でも、返事は早い方が有利だと思います。
―最後に美容師さんに激励のメッセージをいただけますか?
美容師さんって、撮影でもサロンワークでもキラキラと楽しそうに働いているけれど、その裏側にはものすごい努力や苦労があるんですよね。くじけそうになることはたくさんあるかもしれないけれど、その努力を見てくれている人は必ずいますし、何を隠そう、私もひたむきな美容師さんからパワーをもらった一人です。
髪型が変わるだけで日々の支えになったり自信がついたりして、美容師さんは人に影響を与えられるマジシャンみたいな存在。私も、美容師さんと一緒にいるときは、心がふゎ〜っと晴れやかになるから、美容師さんという存在そのものがパワースポットなんだと思います。
私は“アンニュイな表情”という個性を美容師さんにピックアップしてもらいましたし、今ではそれを中心に自分をアピールできるようになりました。これからも、素敵な美容師さんたちと一緒に心がときめくような表現を作っていけたら嬉しいです。
【上段】左から
・アイブロウ SHIRO がごめ昆布 アイブロウパレット9A01 ブラウン
・ハイライト YEAU nuance skin color 02
・ファンデーション THREE フローレスエシリアル フルイド ファンデーション #203
・ベース下地 FEMMUE トーンアップUVクリーム
【下段】左から
・ヘアオイル mood
・リップ celvoke ディグニファイドリップス 09
・アイライナー uneven coloring soft eye liner invincible
・アイシャドウ to/one ペタルアイシャドウ 14 カッパーブラウン
・チーク celvoke カムフィーブラッシュ 07 キャメルブラウン
■神サロモバックナンバーはこちらからcheck!
藤本 麻衣ふじもと まい
神奈川県出身。モダンダンスで身体表現を学びながらhamajoモデルに。大学生から続けているサロンモデルのキャリアは10年となる。現在はモデルとして活動する傍ら演技の勉強なども積極的に行う。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Writer須川 奈津江(すがわ なつえ)
フリーランスの編集・ライター@東京東側。お仕事は美容師さんメディアでの執筆、教育、健康、レシピ本などの実用書・ライト文芸の編集などなど。
Photo&Movie Directormunico
美容師であり、クリエイターとしても活動するkiyoと冨岡奈央のユニット。美容師としての感性を生かした広告の制作などを手掛けている。