お客さまの人生が好転するパワースポットサロン『Alo』 。導き手、宮島涼の魅力に迫る!『next door』06 Alo

美容師として独立し、「新しい扉」を開いたオーナーに取材する『next door』は、bangs編集部が注目する美容師が立ち上げた「新星ヘアサロン」の魅力に迫る企画です。

第6回は、日本屈指の有名メンズサロンを経て2022年4月に宮島涼さんが立ち上げた「Alo」。独立する気はなかったと語るオーナーの宮島さん。そんな彼がなぜ一人でお店を開く道を選んだのか、またお客さまからの絶大的な支持を受ける技術力や接客術、集客アプリで全国一位となり殿堂入りを果たした経緯など、たっぷり聞きました!

SPECIAL CONTENTS

2023.10.11

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目 次

Aloの代表って、どんな人?

Alo 代表 宮島涼 (みやじまりょう)

東京都出身。早稲田美容専門学校卒業。有名メンズサロン2社を経て、2022年4月にAloを立ち上げる。圧倒的なカウンセリング力と技術力で多くの顧客の心を掴み、予約は常に約1ヶ月待ち。隠れ家的空間のサロンで身も心も満足できる施術をマンツーマンで行っている。美容師予約管理アプリ「STEKiNA」にて10連続日本一となり、殿堂入りを果たした実力派美容師。

Aloの意味は、魂を導く者。お客さまの望む姿へ導くサロンでありたい。

− 独立前から日本屈指のメンズサロンでご活躍されていた宮島さん。どのような経緯でメンズサロンの世界へ飛び込んだのですか?

学生のころに前社の代表にカットをしてもらったことがあって、そのときの衝撃や感動が僕の人生を変えました。磨き上げられた技術力もそうだし、人を魅了するカリスマ性やお客さまを想う徹底した姿勢、その全てが唯一無二でしたね。「この人の下で働きたい!」と思い、当時その方が勤めていたサロンの門を叩き、新卒で入社しました。

ただ僕の実力不足で専属アシスタントになれなくて…。2年が過ぎたころ、憧れの先輩が独立することを知り「これは一緒に働けるチャンスだ!」と後を追うようにオープニングスタッフとして入りました。そこから7年間お世話になり、最終的には全体を統括するポジションを任せてもらいました。

− 7年間の経験の中で、今の自分のベースとなっていることってありますか?

価格以上のクオリティや施術時間を提供しお客さまの満足度をどこまで高めることができるか、とことん追求する信念を学びました。アシスタント時代から業界トップを走る先輩たちの姿を間近で見させてもらい、一流の美容師に近づきたくて死に物狂いで努力しましたね。アシスタント期間が長くデビューするのが遅かったのもあり、サロンのブランド力に甘えずに誰よりも丁寧に一人ひとりのお客さまと向き合おうと思ってました。それは、今の自分の軸にもなっています。

− 非常に充実されている中、いつ頃から独立を考えていたんですか?

骨を埋める覚悟で働いていたので、独立は全く考えていなかったんですよ。日本を代表するメンズサロンを支えることに必死でしたから。

きっかけの1つになったのは、ヘアショーの裏方や人事、営業部など会社を支える仕事を任せていただくことが多かったので、僕個人の結果が見える「売上」というわかりやすい目標を掲げたいと思ったことでした。全店舗で年間1位になったときは、これまで味わったことのないやり切った感があって…。会社のためにガムシャラに動くことを自分の美学にしてやってきた中、プツっと糸が切れたような感覚があったんです。かといって自分一人の力でやっていけるとそのときは一切思っていませんでした。ただ、一度きりの人生の中で自分は何がしたいのだろうか…とそんな疑問が出てきて、自分のために生きる決断をしました。

自分の性格的に大きな決断をする際には、細部まで準備をしないと行動に移せないのですが、人生の転機になると思い背水の陣で挑んだところ、ちょうど今の物件のことを知り、大急ぎで準備しました。今考えると引き寄せの法則って本当なんだなあと思いますね(笑)。

ー 準備をされていたときの苦楽はありましたか?

退職日から3日後にオープンする予定でしたので資金面など含めかなり焦りはありました。辞めてからゆっくり休みたい気持ちはなかったですし、メンズのお客さまは来店周期も短いので、余計な負担がかからないようスパンを開けずに開店準備をしました。

ー サロン名にはどんな想いが込められていますか?

Aloはネイティブアメリカンの言葉で『魂を導く者』という意味を指します。このお店がお客さまの望む姿へ導ける存在でありたいと思ってつけました。また、髪を切ること以外でもお客さまにとって何か人生のきっかけになるようなパワースポットにしたいという思いがありました。Aloはホピ族の男性向けの言葉で、僕もメンズ技術で魂を導く者になれたらという願いを込めています。あとは言葉の響きがいい奇数の言葉にしようと思っていましたし、ありふれている言葉よりも意味合いのあるものにしたかったのも決め手です。

ー ロゴのオオカミも印象的です。

ロゴをどうするか考えているときに三峯神社へ訪れる機会がありました。そこはオオカミを守護神として祀っていて、日本武尊の道案内をして導いた存在として伝えられているそうです。Aloの意味や自分の想いとリンクするものを感じ、オオカミを入れたいと思いました。デザインは同じ代表社員のスタッフが作ってくれて、僕もすごく気にいっています。

脅威の10ヶ月連続1位で殿堂入り。タイトルを得たことで見えた景色

ー 人気美容師である宮島さん。美容師として特に大切にしていることは何ですか?

僕が一番大事にしているのは『時間』です。独立前は多いときで一日MAX40人近くを担当していた時期もあり、当時から今も変わらず予約時間枠を超えないことを徹底してます。せっかく時間を割いて予約したのに、無駄に待たされたり時間を守らないのって、お客さまに失礼ですし、すごくストレスですよね。98%がメンズのお客さまなので、スピーディーで効率化した動きが特に好まれます。美容師は技術職でもあるけど、サービス業の面も非常に大事なので、目安時間よりも少し早めに終わるくらいの気持ちでやっていますね。

ー メニューにはクイックカットとありますが、施術時間はどのくらいですか?

カットは30分です。カットだけではなく、シャンプーやスタイリングも込みでその時間内に終わらせます。社会人や会社経営者、学生、モデル、夜職の方々など幅広いお客さまが増えてきて、仕事の合間のわずかな時間で来店してくださる方には、このメニューは特に評判がいいですね。メンズカットだとシャンプーをしないサロンもありますが、カットした後に細かい毛が出てチクチク痒みが出ることもあるので、僕的にはカット前後のシャンプーはマストです。どんなにスピードにこだわっていても施術のクオリティーやサービスは妥協しません。

ー Aloが推しているイチオシのスタイルを知りたいです!

ワックスなどスタイリング剤をあまりつけないナチュラルな仕上がりのヘアが得意です。トレンドは情報としてキャッチはしていますが、一番はお客さまが願うヘアスタイルを叶えることにコミットしています。お客さま一人ひとりのライフスタイルに合わせた似合わせヘアを提案できるのが僕の強みです。

お客さまはリピータの方が多いですね。学生のころから担当している社会人の方も多く、足蹴なく通って、美容師人生を共に歩んでいただくお客さまには感謝しかありません。独立してからも1日10人以上を担当させてもらっています。そんな日々の積み重ねがあって予約管理アプリ「STEKiNA」で日本一を10連続獲得し、殿堂入りを果たしました。独立した最初の目標は、STEKiNAで1位を取ろうって決めてたので、すごく嬉しかったですね。

ー 殿堂入りを果たすことができた勝因は、何でしょうか?

明確な水準は公表されていないので僕の推測になりますが、客数、単価、リピート率、口コミなどが関係しているのかなと。前社のころから大切にしてきた『お客さま満足度』を貫いてコツコツとやってきたことが花開いたのだと思います。使い始めてから4ヶ月目でちょっとずつ順位が上がり、オープンから8ヶ月後に1位、その後10ヶ月連続して一位を取って殿堂入りしました。

ー オープンしてすぐに殿堂入りはインパクトがありますね。殿堂入りしたことでご自身の中で変化はありましたか?

これまではタイトルを取ることにベクトルを向けてなかったので、独立してからは攻めの姿勢でまず殿堂入りを目標として掲げてみたんです。無事に達成して一つの形として認められたのが嬉しかったですね。

実は、SNSが苦手なことや、ずっと地味と言われていたことに劣等感があったんです。だからどこかで結果を出したいという気持ちが強くてそういった背景もあり、SNSに頼りすぎずに1位を取れるのかという実験をしていたところがあります。まずは得意分野をもっと伸ばしてみようと思い、次はオフラインだけでどこまで登れるのかに集中してみたかったんです。 やっぱり、実際に来て満足してもらわないと美容師をやっている意味がないじゃないですか。ブランドサロンの肩書きを手放したからこそ、今の自分の力量をはかれる良い機会だと思いました。アナログで攻めて一位を取れたのは自信にもなりました。この結果は、これまでリピートしてくださったみなさんのおかげです。

ー リターン率が多い宮島さんならではの接客術ってありますか?

マンツーマンでやるようになって「察する能力」がより強まった気がします。心境や体調面のコンディション、話したいかリラックスしたいのかなどのテンションなど、前回と細かい部分の変化を察するのは、とても大事。お客さまが美容室に何を求めてるのか、性格やその日の気分、総合的にキャッチしていくようにしています。技術や接客もこちら側が提案するよりも、お客さまが求めてるものを軸として提供できるようにしていますね。僕は美容師としてのエゴがないので「察する、寄り添う」を武器にしています。

あとは、言葉選びも大切にしています。なるべくマイナスに捉えられない言い回しをしています。例えば「毛量が多いですね」とストレートに言うのではなくて、「少し軽くすると扱いやすいですよ」といったように前向きな言葉に変換して伝えてるようにしていますね。

誰しも髪のコンプレックスを言葉で伝えるのって勇気がいります。でも、お客さまは美容師に知って欲しくて何かしらのサインを送っているんです。気になっているところを手で触っているなど、そのお客さまの姿や仕草から察して、お客さまに言わせる前に気づいて、こちらから提案をしています。

純粋に心がワクワクする、美容師以外のチャンネルも楽しんでいきたい

ー 宮島さんは今後、どのような活動をしていきたいですか?

独立してから環境や価値観が一変し、美容師やサロン業務だけにこだわらなくてもいいかも…と思ってるんですよね。もちろん、美容師は続けますよ!

最近、ご縁があって畑や田んぼのお手伝いをさせていただくことがあり、自然に触れ合う機会が増えました。美容師以外のチャンネルが一つ増えたことで、すごく充実しています。大自然を相手にしていると、自分が生きている世界や考えていることが、ちっぽけに感じて笑えるんです。

そうやって視野を広げて感じることが、今の自分には大事だと思ってます。それによって今まであたり前になっていたことに自然と感謝ができるようになったり、見えていなかったものにアンテナを向けられるようになると、日々のワクワクが増えることにも気付きましたね。大人になると気持ちが昇る感覚って少なくなったり、やらなければならないという使命感が強くなったりするからこそ、夢中になって疲れ知らずというゾーンに入れるものを仕事以外でも模索しています。せっかく独立したので仕事もプライベートも境界線なく循環させていきたいです。

ー 美容師以外のチャンネルを増やすことに、抵抗ありませんでしたか?

最初は全然、上手く切り替えができなかったですね。いいも悪いも会社や仕事に依存していたので、キャリアやステイタスなど積み上げてきたものを失ってまで、生活を変えたくないと渋っていました。

そんな中、一人でお店をやることになって本当の意味で『自立』しようと思ったんです。自分の人生を自分の力で楽しめるようになろうと。

ここ最近は良い面も悪い面も全部ひっくるめた等身大の自分と向き合うために『内観』をする時間を大切にしているんです。向き合いたくない自分の一面を認めることで不思議と周囲のことも、理解しやすくなりましたね。

独立後、サロン業務以外に外注コンサルをしているのですが、以前よりもスタッフのことをフラットな視点でアドバイスできるようになった気がします。正解・不正解などでジャッジするのではなく、もっと視野を広げて物事を受け止めることができるようになりました。また、SNSや表面上の“見せ方”の部分だけではなく、個の強みを見抜き伸ばし、結果につなぐということが自分の得意分野であり今後も続けていきたいことなのだという発見にもなりました。

独立して人生のプランニングが自由にできるようになった今は、おかげさまで新しい世界に飛び込む機会やさまざまなチャレンジに溢れています。今ある沢山の幸せに感謝し、Aloや自分がパワースポットのような存在になれるよう、これからも僕らしく歩んでいきます。

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next door 01 groovy hair

next door 02 PELE

next door 03 poppins

next door 04 NOVAN

next door 05 PRO SHOP WAVE

PROFILE
プロフィール
宮島涼
PRO SHOP WAVE Alo 代表

宮島涼みやじまりょう

東京都出身。早稲田美容専門学校卒業。有名メンズサロン2社を経て、2022年4月にAloを立ち上げる。圧倒的なカウンセリング力と技術力で多くの顧客の心を掴み、予約は常に約1ヶ月待ち。隠れ家的空間のサロンで身も心も満足できる施術をマンツーマンで行っている。美容師予約管理アプリ「STEKiNA」にて10連続日本一となり、殿堂入りを果たした実力派美容師。

EDIT
編集
桑名 真理子

Director桑名 真理子(くわな まりこ)

メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。

菊池 麻美

Photographer菊池 麻美(きくち あさみ)

多摩美術大学グラフィックデザイン科卒、2003年・2004年 CANON写真新世紀佳作。レゲエと海外旅行をこよなく愛するフリーランスフォトグラファー・シネマトグラファー。