美容エディター注目の次世代のパイオニア! Find a STAR☆第7回・N i M O ./和田かな子×美容エディター/桑名真理子

bangs特集記事の編集担当にして、1000名以上の人気美容師を取材してきた美容エディターの桑名真理子が、今後の美容業界を担う NextStar美容師を直撃! 美容師としての歩みやこれからの野望、美容業界に対して伝えたいことや改革したいことをうかがいます。
第7回目はN i M O .を立ち上げたばかりの和田かな子(わだかなこ)さんです。都内の有名サロンで、ディレクターやトップスタイリストの信頼を集めるアシスタントとして頭角を現し、スタイリストデビュー後は一人ひとりに寄り添い、オンリーワンのヘアを提供して支持を集めてきました。「惑わせエロヘア」などの独特なヘアスタイルを紹介するInstagramも人気です。
そんな和田さんの夢は、「美容師王」になること。彼女の周りには個性豊かな仲間が集まり、まさに2022年から、美容業界の大海原で大航海が始まります。ということで今回は、和田さんのこれまでの歩みと、イチオシのヘアスタイル、そして野望を聞きました。

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2022.03.17

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目 次

和田かな子さんってこんな人!

千葉県出身。東京ベルエポック美容専門学校卒業。髪の毛をいじるのが大好きで、幼少期に美容師になると心に決める。人気美容師になるために、有名店限定で就職活動を行う。新卒で全年代の女性に支持される都内有名店に入社。ディレクターやトップスタイリストのメインアシスタントを経験。スタイリストデビュー後は、原宿・銀座エリアで活躍。2022年2月にN i M O .を立ち上げて現在に至る。

「初めて出会ったあの日、和田さんの目ヂカラにやられました」【桑名】

桑名 真理子(美容エディター 以下、桑名):和田さんが以前勤めていたサロンのスタイリストデビューのチェックの現場に密着取材をしていたとき、目にエネルギーを感じていました。そのときはデビューできなかったのですが、立ち居振る舞いも堂々としていて、すごく印象的だったんです。いつかデビューして活躍されているときに取材をしようとあのとき決めていました。今日、それが実現してすごく嬉しいです。

和田かな子(以下、和田):そんなふうに思っていただいていたなんて知りませんでした!めちゃくちゃ嬉しいです。あれはスタイリストデビューのチェックの2回目だったかな。あの後にデビューしたと思います。

桑名:不合格のときは落ち込んでしまいそうですが、どんな心境でしたか。

和田:同期が先にデビューして悔しかったけれど、「試練与えられているんだろうな」くらいに受け取っていた気がします。先輩も「一生デビューできないわけじゃないから。次できることを考えてあと1カ月頑張れ」って言ってくれて。これって、『ONE PIECE』(ワンピース)のジンベエというキャラクターが、挫折したルフィにかけたセリフに似ているんですよね。「失ったものばかり数えるな!」という。私も落ちたことばかり考えるのではなく、レベルアップしてデビューすることを考えました。

桑名:プロフィールにある「美容師王になる」というメッセージも印象的です。

和田:『ONE PIECE』(ワンピース)がすごく好きなんですよ。

「アシスタント時代、休まない自分がカッコいいと思っていました」【和田】

桑名:アシスタント時代からガツガツと頑張ってこられた様子が目に浮かびます。

和田:サロンのお休みの日が決まっていたんですけれど、私は休みの日も練習していました。その当時は休みがない自分がかっこいいと思っていたいんですよ。「これが美容師なんだ」みたいな充実感を感じていたりして。

桑名:わかるかもしれない。私たちも忙しいときにランナーズ・ハイみたいな快感を覚えることがあります。和田さんもアシスタント時代は走り続けてきたわけですね。そうしてスタイリストデビューしたわけですが、挫折感を味わうことはありませんでしたか?

和田:アシスタント時代の頑張りを先輩スタイリストから評価していただいていました。その当時は売上が高い順にメインアシスタントを指名できたのですが、常に私はメインアシスタントに指名していただいていたんですよ。すごく生きがいを感じていたし、アシスタントの中ではトップだと思っていました。だからこそ、スタイリストになってから苦しかったですね。

和田:滑り出しは順調で、デビュー月に売上100万円を達成しました。そのまま波に乗れるかと思ったらそうでもなくて。私、コツコツ継続することが苦手だったんですよね。地道な集客努力が足りなかったのだと思います。そんなときに、原宿から銀座に店舗を異動することになり、ますます自信をなくしてしまいまして。原宿のお客さまは年代も嗜好も近いので対応しやすかったのですが、銀座となると求められていることに応えられない気がしていて…。実際にニーズの高いヘアケア…例えば、白髪染めなども経験がなかったから不安ばかりでしたね。

「美容師王を目指す和田さんの武器はなんですか?」【桑名】

桑名:原宿と銀座だと接客の仕方も違いますよね。しかも、前職のサロンは全年齢のお客さまに、スペシャルな技術を提供するところだったから、プレッシャーもおありだったと思います。ブレイクスルーのきっかけはその後あったのでしょうか?

和田:自分が好きなスタイルではなく、お客さまが好きなスタイルをつくるようにしたことですね。それまでは、ちょっとクリエイティブ寄りの弾けたスタイルが好きだったんです。そうではなく、乾かしただけで決まるスタイルで、なおかつ「抜け感」があるような作品をプッシュしたら一気に流れが変わりました。

ちなみに銀座に移動した当初は苦労もありましたが、最終的にはディレクターにまで昇格しました。トップスタイリスト時代からカットの講師もしていたので、「次のステップに行けるんじゃないか」という気持ちもありました。それが独立という新しい目標につながったんです。

桑名:そこからまた「美容師王」への道が始まったわけですね。美容師として和田さんが武器にしていることはなんですか?

和田:技術はもちろんなんですが、お客さまがサロンで過ごす2時間をハッピーなものにしたいと思っています。髪の悩みってマイナスから入るじゃないですか。マイナスをプラマイゼロにすることは頑張ればできると思うんですが、プラスにするのは大変だと思っていて。

桑名:プラスにするためのポイントってなんですか?

和田:友達も家族でも恋人でもない間柄なんですけれど、美容のパートナーとして一生涯寄り添い続けたいと思って接していますね。そして、何か悩みがあったときに、話を聞いてほしいと思われるような存在でありたいです。

桑名:髪のことじゃなくて、相談したいことがあるから和田さんに会いに行く、みたいな感じですかね。どうやってその関係性を築いていくんですか。

和田:最初は、初対面の良い意味での緊張感を持って、背筋を伸ばしてご挨拶や自己紹介をします。ただずっとかしこまったままだと疲れてしまうので、リラックスした雰囲気をつくりながら、さりげなく問いかけをしていきます。

ちょっと汗をかいていたら、「遠くから来られたんですか」とか、少し伸びただけで切っているようだったら「こまめにケアされていますね」という具合に、お客さまに関心があることが伝わるように問いかけるイメージです。そうして、お客さまのライフスタイルを想像しながら、それに寄り添って提案をしていきます。

「顔回りのデザインを楽しむスタイルが、2022年も人気が続きそうです」【和田】

桑名:まさにお客さまに寄り添うスタンスですね。そんな和田さんに、2022年にイチオシのヘアスタイルも聞いてみたいと思うのですが、いかがですか。

和田:そうですね…昨年は少し長めのウルフ系で、顔まわりにデザインを入れたヘアが人気でした。

和田:毛先を少し切りっぱなしっぽくすると、モードっぽくもできるし、カジュアル、ヘルシー系にもできるし、万能だと思うんですよね。これは今年も引き続き支持される気がします。

和田:お客さまのオーダーとして多かったのは、ベースがボブで顔まわりの毛を巻いたニュアンスヘアですね。抜け感があるし、少しセクシーな雰囲気も出ます。ちなみに、アイロンは26mmで巻いています。

桑名:ありがとうございます。顔まわりのあしらいで、いろいろな表情を引き出せるヘアデザインですね。続いて、2022年の推しメイクについても聞いてみたいです。

和田ワントーンのメイクを推したいです。シャドウ、マスカラ、チークの雰囲気とリップまで合わせる。たとえば、冬ならピンクで統一するとかわいいですよね。

和田:というのも私は、ワントーンが正義だと思っていて。髪の毛がピンク系ならピンク、ブラウンならブラウンにまとめたら絶対におしゃれになりますし、何より合わせやすいですから。服まで全身ピンクだとちょっと浮いてしまうかもしれませんが、ポイントで入れればおしゃれになります。ちなみに春夏はオレンジとか黄色を推したいです。

「できるできない関係なく、みんなでひとつの夢を追いかけるサロンにします!」【和田】

桑名:ワントーンは正義ですね! ありがとうございます。2022年はN i M O .元年ということなので、これからの意気込みについても聞かせてください。

和田:美容師王を目指すために、自分の好きなテイストを極めていきたいと思ったのが独立した理由です。そして、一人ひとりに個性があって、輝いているサロンにしたいんですよ。それこそ、『ONE PIECE』みたいに。

私が知っているのは美容業界のごく一部だと思います。それを前提とした上で感じているのは、一部の売れっ子スタイリストと、それ以外のスタイリスト、アシスタントにはすごく格差があるんですよ。もちろん、個人の努力もあるけれど、全員が人気スタイリストになる方法やみんなが幸せになる方法を本気で考えていきたいと思うんです。

和田:お給料が安すぎて家賃を払うのも大変で、すごくケチっぽくなっちゃう人もいるんですけれど、私はそれがすごく嫌でした。だからこそ私は、そうならないサロンをつくりたい。世の中、自分の力で頑張れる子ばかりじゃないのは知っています。それでも、みんなで同じ夢をもっていたら、成功するまで頑張れると思うんですよね。

桑名:まさに『ONE PIECE』って感じですね。ルフィ海賊船みたいなサロンになりそうです。

和田:みんな『ONE PIECE』を読んだことないから、あんまり知らないんですけれどね(笑)。

桑名:笑。ぜひ、美容師王になる夢を叶えてください!

■Find a STAR☆バックナンバーはこちらからcheck!

→第1回・AFLOATスタイリスト/ナイリーさん

→第2回・sand Scene店長/あびる しょうたさん

→第3回・MINX/花岡瑠斗さん

→第4回・GOALD/今井崎知希さん

→第5回・SALOWIN渋谷&New/杏樹さん

→第6回・LECO/田中萌子さん

PROFILE
プロフィール
和田 かな子
N i M O .

和田 かな子わだ かなこ

千葉県出身。東京ベルエポック美容専門学校卒業。髪の毛をいじるのが大好きで、幼少期に美容師になると心に決める。人気美容師になるために、有名店限定で就職活動を行う。新卒で全年代の女性に支持される都内有名店に入社。ディレクターやトップスタイリストのメインアシスタントを経験。スタイリストデビュー後は、原宿・銀座エリアで活躍。2022年2月にN i M O .を立ち上げて現在に至る。

EDIT
編集
桑名 真理子

Director桑名 真理子(くわな まりこ)

メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。

外山 武史

Writer外山 武史(とやま たけし)

SUKETTO LLC代表。インタビューをした美容師さんの人数は延べ1000人以上。いつも美容師さんの味方でありたいと願うライターです!

トカジ ショウタ

Photographerトカジ ショウタ

人気美容師として活動する一方で、写真&映像クリエイターとして活躍中。サロンのIV/CM/コーポレートビデオ、芸能事務所のMVなども手掛け、業界から注目される。