美容エディター注目の次世代のパイオニア! Find a STAR☆第13回・iLe./樗沢郁美×美容エディター/桑名真理子
bangs特集記事の編集担当にして、1000名以上の人気美容師を取材してきた美容エディターの桑名真理子が、今後の美容業界を担う NextStar美容師を直撃! 美容師としての歩みやこれからの野望、美容業界に対して伝えたいことや改革したいことを聞きます。
第13回目はiLe.のスタイリスト・樗沢郁美(ぶなさわいくみ)さん。新卒時からiLe/の代表である酒井 元樹さんの専属アシスタントとして経験を積み、iLe.のオープニングのタイミングからスタイリストデビューを果たしました。カラーの匠が揃うiLeの中においても存在感を発揮している女性美容師さんです。そんな樗沢さんのこれまでの歩みや、彼女ならではのストロングポイント、これからの展望を伺いました!
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2022.09.14
樗沢さんって、こんな人!
国際文化理容美容専門学校渋谷校卒業。酒井元樹さんがフリーランスの時代からアシスタントをしていた。iLe.の創業メンバーのひとり。ファッションにあわせたトータルコーデの提案が得意で、若い女性からの支持を集めている。
ブリーチカラーはもちろんメイクもいける! 底知れぬポテンシャルの持ち主
桑名真理子(美容エディター 以下、桑名):樗沢さんとはbangsでの「iLe.スタッフ紹介」の取材や、資生堂さんのセミナーなどでお会いする機会があって、どの現場でも明るくてエネルギッシュな姿に魅了されて、いつか樗沢さん一人にフォーカスした取材をしたいと思っていました!
樗沢 郁美(以下、樗沢):ありがとうございます! すごく光栄です。
桑名:初めて会ったときから、年齢のわりに堂々としていて只者じゃない感じがしました。決定的だったのは先日のセミナーでの活躍ぶり。iLe.代表の酒井(酒井元樹)さんがヘアをつくり、それに合うメイクを7人のモデルさんにしていましたよね。すごいスピードとクオリティでした。「バリエーションメイクもこんなにいけちゃうの?」って驚きましたもん。
桑名:というわけで、底知れぬポテンシャルの持ち主である樗沢さんの美容師人生から聞いてみたいと思います。今勤めているiLe.のオープニングスタッフだとお聞きしましたが、その前はどんなことをしていましたか?
樗沢:もともと新卒で入ったサロンで、代表の酒井さんと一緒に働いていました。もちろんカラーはめちゃくちゃ上手いし、楽しそうに仕事をしているし、学べることがたくさんあったんですよね。その酒井さんがサロンを辞めると聞いて、私も「あ、辞めよう」と。酒井さんはフリーランスに転向するので、普通アシスタントは連れていかないんですが一緒に働きたいことを話したら「そこまで言うなら…」といってくれたんです。
桑名:専属アシスタントになったんですね。アシスタントのままサロンを辞めて不安じゃなかったんですか?
樗沢:酒井さんについていくことは不安がなかったんですが、自分がデビューするイメージがわかなくて悩んだこともあります。と言うのも、シェアサロンで働いていた同年代の子がカラーリストとしてデビューするのを見て、「私はどこでデビューするんだっけ?」みたいな。でもその後にiLe.ができて、私もデビューできたので選んだ道は間違いじゃなかったなと今では思います。
桑名:デビュー前は葛藤もあったんですね。メイクを学んだのはデビュー後ですか?
樗沢:美容専門学校に入るきっかけがメイクだったんですよ。高校生のころからメイクにハマっていて、文化祭や体育祭のときには朝7時から予約を受けて友達のメイクをしたりしていましたから。美容専門学校もメイクのコンテストの実績があるところがいいと思い、国際文化理容美容専門学校を選びました。在学中はメイクのコンテストで全国大会に出たこともあったんですよ。
女性ならではの「共感力」がストロングポイント
桑名:今、一番自信がある技術ってなんですか?
樗沢:ブリーチカラーはもちろんなんですけれど、iLe.には酒井さん、西村さんのように上には上がいます。同じスタイルを打ち出してもダメだなと思っていて。
でも、私が女であり、「共感力」があるところが、ストロングポイントだと思っています。お客さんがやりたいスタイルを代弁してあげられます。「黒染めしていてもやれるよ」とか、「縮毛矯正していてもやれるよ」とか、どんな履歴があっても、やりたいヘアデザインができるように導いてあげたいんです。
桑名:学生さんとかお金がない中で、すごく期待してサロンにきているわけですものね。
樗沢:中学生や高校生もきてくれていますし、「バイト代貯めてきました」とか、「お年玉を貯めてきました」とか聞いたら、やっぱり叶えてあげたいじゃないですか。
樗沢:あとは、お客さまのライフスタイルをちゃんと知るようにしていますね。彼氏がいる大学生なのか、専門学校生なのか、どんな仕事に就いているのか、転職したい時期があるのか…などなど。環境や周りの友達が変われば、自分がやりたいヘアスタイルも変わってくるからです。その人のライフスタイルに合わせられる、ベストな提案をしてあげたいと思っています。
桑名:お客さまの希望を叶えてあげたいっていう気持ちは、Instagramからも感じられます。最近、特にいい仕事をしたなっていうヘアデザインを紹介してほしいです。
樗沢:最近だと、セクションカラーにダークトーンを入れるのが流行っています。ダークトーンと高明度のカラーを配色するのは簡単そうに見えて難しいんですよ。少しでも色が混ざるとシミみたいになってしまうので。
桑名:なるほどね〜。このツインテールの写真は?
樗沢:これは成人式のヘアアレンジです。水引きと金箔をつかっています。
桑名:こんな素敵なヘアで成人式に出席できたら気分がアガりますね! アレンジのセンスも樗沢さんならではだなぁ。
サロンを出てからも気分上々でいるためのちょっとした心遣い
桑名:接客面で意識していることはありますか。
樗沢:ゆっくり話す子だったらこっちもペースを合わせるし、原宿の美容室に初めてきて緊張しているようだったら、こちらから話しかけたり、笑顔でいたりすることで緊張をほぐしてあげたりっていうのは意識しています。その上で、ちゃんと話を聞くことを大事にしています。どうしてサロンにきてくれたのか、髪の悩みはあるのかなど。
あとはやはりライフスタイルが見えてこないといい提案ができないから、その子を深く知りたいと思っています。どのくらいの期間ハイトーンできるのか、ずっと楽しめるのか、それとも今だけなのか期間によってアプローチの仕方が全然違うので。
樗沢:今の子たちは、パーソナルカラーとか骨格診断とかに興味があるんです。だから、似合う髪色の診断をするし、施術後はメイクの提案もしています。例えば、黒から髪の毛を明るくすると、眉毛と合わなくて浮いてしまうことも。せっかく髪の毛が可愛くなったのに眉毛と合っていなかったら気分下がるじゃないですか。だから最後に眉マスカラを塗って、髪に馴染ませてあげたりとか、そういうところを大事にしていますね。
桑名:それは女子からしたらうれしいですよね。ほかのサロンで失敗したあと、樗沢さんに助けてもらいにくるお客さまもいるのだとか。その技術もすごいですよね。
樗沢:アシスタント時代からカラーをたくさんしてさまざまな履歴に触れてきました。先輩たちの施術をみて自分のお客さまに活かせないか考えてきましたし、日々の積み重ねでしかないです。サロンの中にヒントがたくさん転がっているし、美容師同士でケア剤などの情報交換もしています。
売上も撮影もセミナーもバリバリやり続ける女性美容師になって、後輩を勇気づけたい!
桑名:今日は樗沢さんの魅力がたくさん伺えた気がしました! 最後にこれからチャレンジしたいことを教えてください。
樗沢:Instagramにあんまりヘアアレンジを載せていないんですけれど、もっと増やしていきたいです。成人式前には予約が埋まるんですが、それ以外でもどんどんやっていきたいなと。
あとは、メイクができるのも自分の強みだと思うので、ファッションまで含めてトータルでクリエイションできるようにしたいですね。
樗沢:そうして実績を出しながら、結婚しても子どもが生まれてもバリバリやっている女性美容師ってかっこいいなって思うので、私もそこを目指していきたいです!
桑名:撮影もセミナーもやる女性美容師ってまだまだ少ないですからね。
樗沢:そうなんです。女性美容師の希望になれたらうれしいと思っています。
桑名:その目標、ぜひ叶えてください! これからも応援しています!
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樗沢郁美ぶなさわいくみ
国際文化理容美容専門学校渋谷校卒業。酒井元樹さんがフリーランスの時代からアシスタントをしていた。iLe.の創業メンバーのひとり。ファッションにあわせたトータルコーデの提案が得意で若い女性からの支持を集めている。
Director桑名 真理子(くわな まりこ)
メイク技術者の目線を武器に、美容WEBマガジンの創刊、12年間で延べ1000件を担当。人の魅力にフォーカスする企画が得意。美容ライフが豊かになる、ワクワクする景色をつくります。
Writer須川 奈津江(すがわ なつえ)
フリーランスの編集・ライター@東京東側。お仕事は美容師さんメディアでの執筆、教育、健康、レシピ本などの実用書・ライト文芸の編集などなど。
Photographerトカジ ショウタ
人気美容師として活動する一方で、写真&映像クリエイターとして活躍中。サロンのIV/CM/コーポレートビデオ、芸能事務所のMVなども手掛け、業界から注目される。